パラサイト 半地下の家族 [DVD]

監督 : ポン・ジュノ 
出演 : ソン・ガンホ  イ・ソンギュン  チョ・ヨジョン  チェ・ウシク  パク・ソダム  イ・ジョンウン  チャン・ヘジン 
制作 : チョン・ジェイル 
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Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4988021140331

感想・レビュー・書評

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  • 再び訪れる自粛モード。
    だから今週末は、絶対に映画を観て過ごすぞと、決めてたんだ。

    しかしである。
    長年愛用していたポケットWi-Fiが先月ぶっ壊れ、とりあえずテザリングで過ごしてみることになった今月。
    なるほど、自宅でのネット環境の大切さに気付いたのである。
    ちょっとゴロゴロすると、呼吸するように開いてしまうTwitterやYouTube(最近柴犬の動画にはまってる)。
    意外と通信量がかかってたことに気付かされる。
    さらに、「このデータ残量じゃトレーニングなんてできないしな~」とか言って、寒くなってからトレーニングなんて全然やってないし、つまりトレーニングをやろうにもデータ残量がない、ということをさらなるサボリの理由にしているのである。もともとサボってたのに!なんて奴だ!

    つまり何が言いたいのかというと。
    今まで何も気にせずネット使いまくってたけど、今かなりデータ残量と戦っていて、そんな中で観た映画だった、ってこと。(いつもより画質を下げて鑑賞したにも関わらず、それが特に気になることもなく。)
    そうしたら。この作品、まさにそんなシーンから始まる作品でした。
    わたしと同様、主人公一家もネット環境と戦っていたのである。

    アカデミー賞とパルムドール賞を受賞した本作品。
    「格差社会」を描いておきながら、日本映画のような暗さがない。
    描かれているのは、日本映画のような絶望ではなく、希望なのだ。
    改めて、日本人は「罪の意識」が好きなんだなと実感。
    作品を観る前から、類似作品として頭に浮かんでいたのは『万引き家族』である。「家族」「格差」「抱えている秘密」「愛」、それらが類似点として挙げられるけれど、『万引き家族』とは違って『パラサイト』はコメディとして、しかし自国の社会問題に目を向けつつ、国を超えて共感を得られるという凄み。お見事でした。
    さらに、階段や坂の描写、そこを昇ったり降りたりするシーンの多さ。暗示とサブリミナル効果。
    晴れた日にゆっくりと坂を昇り日を浴びるシーンと、土砂降りの中急いで坂を下りていくシーンの対称性。こうした演出も素晴らしく、文句なしの★5つ。

    最初は平和なパラサイトから、どんどん度を超えたパラサイトへ。
    「うまく回ってる」って、実は一番心地よくて、一番平和なのかも。

    • naonaonao16gさん
      たけさん

      こんばんは~

      実はトレーニングさぼってました!爆
      ネット環境が言い訳として厳しいなら、これはどうですか?
      冬って寒...
      たけさん

      こんばんは~

      実はトレーニングさぼってました!爆
      ネット環境が言い訳として厳しいなら、これはどうですか?
      冬って寒いじゃないですか、だからトレーニングウェアになかなか着替えられなくて…わたしの部屋、冬は暖房器具ハロゲンだけなんで…

      と、なぜか言い訳選手権(笑)

      『パラサイト』ですが、是非観てみてください!
      全てが希望ではないかもしれないですが、絶望が描かれていたとしても、それが最終的に希望になるという感じです。ブラックジョークのような描写もあるんですが、日本映画じゃそんな描写絶対ないですもんね。あったとしても、日本映画の場合うまく笑えないというか(笑)
      2022/01/30
    • たけさん
      トレーニングで体動かすと温かくなりますよ。
      今日夕方、外はめちゃくちゃ寒かったけど、走ってたらちょうどいい感じになりましたから。

      残念なが...
      トレーニングで体動かすと温かくなりますよ。
      今日夕方、外はめちゃくちゃ寒かったけど、走ってたらちょうどいい感じになりましたから。

      残念ながら、寒さは言い訳にはならない、かな笑

      パラサイト、近いうちに見ます!

      最近アマプラで「モダンライフ・イズ・ラビッシュ」を見ました。タイトルがブラーの素晴らしいアルバムと一緒だったので。
      ストーリーは平凡ですが、主人公のクズ男ぶりがnaonaoさんの好みではないかと思いました笑
      おすすめします。
      2022/01/30
    • naonaonao16gさん
      今日久々に朝ヨガして、結構気持ちよくて、やっぱり身体動かすの大事ですよね~
      再開しようかなと思いました!
      寒さは言い訳にはならなかったようで...
      今日久々に朝ヨガして、結構気持ちよくて、やっぱり身体動かすの大事ですよね~
      再開しようかなと思いました!
      寒さは言い訳にはならなかったようですね…笑

      「モダンライフイズラビッシュ」調べてみました!
      どうやらバンドマンの話!?
      早速ウォッチリストに登録しました!見るの楽しみです^^
      2022/01/30
  • 韓国の格差社会がテーマ。
    徹底した高低差が表現されている。

    物語の冒頭から半地下に住む家族が、道路を見上げて、立ちしょんべんする男に毒づく。トイレが、半地下のためか一段高いところにある。家族は、トイレより低いところで、食卓を囲む。

    ある日、家族の長男は、友人からお金持ちの家の家庭教師の代打を頼まれて引き受ける。この長男は、お金は無いが、勉強はめちゃくちゃ出来て、キレもの。

    韓国社会は、仕事がなく、いくら出来る人でも、熾烈な競争レース(想像を絶する)を勝つためには、お金も必要。とにかく貧乏になると抜け出せない。

    お金持ちの家は、高台にある。
    そこで長男は、お金持ち家族から信頼を得て、なんと家族全員(姉、父、母)を美術の家庭教師、運転手、家政婦として、雇い入れる。

    もうひとつ、格差は目線の高低だけでなく、嗅覚でも表現される。半地下の家族の生活のにおいを、豪邸の家族は、肌感覚で受け入れられない何かとして描かれている。埋められない格差の絶望的なにおい。

    においが「臭い」として表現されている。
    この臭いが、同じ人間なのに、まるで人間の上下を決定付けるように、要所要所で豪邸の家族の鼻につく。

    そして、豪邸に侵入した家族は、衝撃の事実を知り、更なる高低差を目の当たりにする。また格差意識により、家族にも悲劇と不幸が訪れる。結末の戦慄とやり切れなさ、そしてブラックユーモア満載の作品。

    最後に希望を少し。
    豪邸の子供達2人は、においを「臭い」とは表現していない。これは社会を変えるには、世代交代が必要ということ。前に読んだ「ミライの授業」でも未来を作るのは、今の子供達と世代交代と出でくる。

    このスパイスがなければ、救われない!

    あわせて「超高速!参勤交代」を見たけど、高低差、においでの観点で真逆。とても楽しめた。

  • これねぇ
    気になってしまって…
    半地下に住む家族
    妄想を掻き立てられる
    昔読んだ村上春樹のイタリア、ギリシャで暮らしていた時のエッセイ「遠い太鼓」を懐かしく思い出した
    イタリアで半地下に住んでいたことがある…というエピソードが出てくる
    人間の住むところじゃないと嘆いておられた
    そうよね
    そうでしょうとも
    ここでもいきなり酔っ払いの立小便が家の窓から映し出される
    なんせ目線の上が道路なのだから
    そう充分この家族の貧しさが理解できる
    両親は職なし、長男は賢いが金銭面で大学に行けず、美大を目指す妹も同様
    細々と内職をしてなんとか身を寄せあって生きている
    それでも悲壮感のない家族たちだ
    ひょんなことから長男が超お金持ちの家へ家庭教師に行くことに…
    これを機にこの家の運転手、家政婦、家庭教師を半地下家族が乗っ取る作戦に
    ここまでは見事に作戦成功
    テンポも良く、見事なまでは格差社会をコミカルに描いている

    後半からは読めない展開が続きスリルが加速
    当然いつまでも成功は続かない
    ジリジリと半地下家族が追い詰められるハメに…
    さらに半地下じゃない、それ以上のまさかの世界があった

    お金持ちだって悪気はない
    良い人たちである
    半地下家族だってそれなりに楽しくやっている
    しかし金持ち父であるIT社長が運転手になった半地下父の「匂い」に言及し出す
    弟もいう「みんな同じ匂いがする…」と
    どう繕っても、どう足掻いても格差社会は埋まらない象徴のようであった
    日本より根深い韓国の格差社会を世界に知らしめた非常によく出来た作品だ
    それはよくよくわかる
    それなりに楽しんだ
    前半と後半の対極さのコントラストもお見事である

    ただただ趣向に合わないので評価は…すみません

  • アカデミー賞の作品賞に受賞されたという、この作品に期待持ち過ぎたかもって感じでした(率直な感想)韓国の貧富の差をコメディかつスリラーぽく
    表現したかったのか?その意図は理解出来るけど、
    これがアカデミー賞とった作品なのかぁ…って感覚と、思ってたイメージの内容ではなかった。
    最初は面白そうだったのに、どんどんつまらなくなった 伏線は一応回収していたのかもしれないが、韓国映画だったら、もう少し捻りの効いた社会的作品にしても、納得ゆくような唸らせた作品に出来たんじゃないか?なんて、期待大き過ぎてのか残念。

    「殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」「スノーピアサー」の監督ポン・ジュノと主演ソン・ガンホが4度目のタッグを組み、2019年・第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画初となるパルムドールを受賞した作品。第92回アカデミー賞でも外国語映画として史上初となる作品賞を受賞したほか、監督賞、脚本、国際長編映画賞(旧外国語映画賞)の4部門に輝くなど世界的に注目を集めた。キム一家は家族全員が失業中で、その日暮らしの貧しい生活を送っていた。そんなある日、長男ギウがIT企業のCEOであるパク氏の豪邸へ家庭教師の面接を受けに行くことに。そして妹ギジョンも、兄に続いて豪邸に足を踏み入れる。正反対の2つの家族の出会いは、想像を超える悲喜劇へと猛スピードで加速していく……。共演に「最後まで行く」のイ・ソンギュン、「後宮の秘密」のチョ・ヨジョン、「新感染 ファイナル・エクスプレス」のチェ・ウシク。
    話題も加速し過ぎた感あり。

  • 本作に出てくる地下、半地下、地上階、さらには2階が階級を象徴していて、その線で見てもけっこう楽しめるのだけれど、ひとつ気が付いたことがある。

    くだんの一家が暮らす半地下の住まいはきっと、映画館の比喩だろうと思った。その住まいには地上が見える窓があり、そこから町の様子が見える。この窓がスクリーンだ。
    一家はそれぞれの役柄を演じるために、半地下の家から地上へ、スクリーンの向こう側へと出ていく。
    幻のような世界へ。

    事件後の、息子ギウの発作的な笑いの意味はここにあるのだと思った。つまり、人々がみな、似合いもしない社会的な役柄を演じていることを笑っているのだ。ギウはその幻のような頼りない世界で生きていくことを決意するのだが、その結末は、完全に開かれている。

  • 話題作なのでレンタル開始日にさっそく借りて見ました。先の読めない展開で最後まで面白かった。サスペンスでもあるけど基本はコメディですね。でも、切なさも感じました。山の手と下町とは言うけど、あの半地下住宅を見せられた後に出てくる山の手の豪邸は本当に優雅です。世の中には毎日この景色この空間の中で生活している人がいのですね。大きすぎる格差を感じました。

  • いろんな賞を取りまくった話題作。
    描かれるのは徹底的な格差と、人間の残酷性か。
    貧しいキム家の面々が金持ちの家に入り込み、家庭教師、運転手、家政婦として”寄生”していく。しかしこの家にはさらに寄生する人がいた。
    決して悪人でなく金持ち的な寛容さを持つが”一線”を強く意識する裕福なパク氏。「美しくシンプルな」妻のヨンギョ。
    貧しいが頭が回るジウとギジョンの兄妹と、パク夫妻のキャラクターが魅力的。

    軽快に進みながらの衝撃のラスト。どれほど繕っても身に染み込む”臭い”は消せないということか。自らが排除されていることを認識したとき、人はとことん残酷になってしまう。
    この映画が高く評価されたのは、刹那的なラストが身近にある、と多くの人が思えるほど世界は分断が進んでしまっているからでしょうか。びっくりしたけれど観入ってしまった。

  • 久しぶりに映画館に観に行った作品

    もっとおどろおどろしい話かと思いきや、かなりの社会派作品だった
    結果、大満足

    プライムで配信されていたので再度観たけど、映画館では気付けなかったような部分も発見できて また満足

    ソン・ガンホが出演している作品は色々観てるけどハズレがない印象

  • カンヌや数々のアカデミー賞を受賞した有名作2019年。

    「貧困」は可哀想で憐れむべきと「清貧」に置き換えて認知されがちだが、冒頭からグイグイ来る。生き延びるため「はったり」も出まかせや嘘も厭わず。

    頑張っても越えられない壁がもともと社会に存在するのだから、恵まれない自分たち貧困層が少しぐらいよい思いをしたところで、何が問題なのだという開き直りの感情が透けて見える。

    貧乏ではあるが、「清く正しく美しく」という「清貧」は絵空事だよな。是枝監督の『万引き家族』も思い出す。

    学歴で出自や階層の逆転を目指そうとする動機は中国や韓国の過熱した受験戦争そのもの。

    学歴でうまく波に乗れなかった若者と一家。社会的ネットワークは私たちの国より脆弱に映る。
    頑張れば比較的チャンスを得られる日本よりもずっとシビアらしい。
    中国のセンター試験のような「高考」は壮絶。親が全精力を傾けて子を良い学校に上げる。

    韓国では子を欧米に留学させ就職難を打破しようと、父親が韓国に残り働き、北米での母子の学費生活費をひたすら送金する「キロギアッパ(雁父さん)」が自己犠牲を強いられると知人からの話。

    「格差」「断絶」という言葉が世界各国にはびこり怒りの源泉となっている。
    真正面から扱う作品。

    「平等」は当たり前に存在するのではなく、「機会が平等に与えられる」ような社会を「目指す」のではないかな。

    富裕層として描かれていた一家の有り様も興味深かった。贅を尽くした家屋や生活レベルの割に、夫婦間、親子間の本音のぶつかり合いが皆無。それでも「家族の体」で。

    コミカルな展開に終始するかと油断していたら、途中から怒涛の展開。バイオレンスは苦手でした…。「格差」を扱うイデオロギー上の「正解ありき」の作品であるならばつまらないが、父親役ソン・ガンホの演ずる腹黒さ、厚かましさ、いかがわしさは絶品。

  • 地上波で鑑賞。
    ……しまった! 韓国映画を食わず嫌いした自分の馬鹿馬鹿!
    内容については、繰り返し見ると思うので、詳述しない。
    ただ登場する3組の家族の誰の顔を思い浮かべても、嫌いな顔がない。
    全員悪人ではないのだ。この映画で悪があるとすれば、貧富や持つ者持たざる者といったシステムそのものなのだ。
    是枝裕和「万引き家族」と比較されることが多いのもむべなるかな。
    ポン・ジュノがインタビューで、是枝とは友人だが徒党を組んで貧困をテーマにしようと話したわけではなく、ともに高度資本主義社会で作ったら結果的にそうなっただけ、と応えていた。
    グローバルとはまさにそういうことなんだろう。

    序盤で裕福な家庭に寄生しようと計画を練るあたりは、テンポのよさもあって「オーシャンズ11」のごとき娯楽作の風格。
    個人的には高台家族の高校生の姉がチョロすぎるという点、ヨルゴス・ランティモス監督「聖なる鹿殺しキリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」を思い出した。

    高台の家との往復に坂道を往復するが、たびたび差し挟まれる上下の移動が、そのままテーマになっている。
    カメラワークと構図がテーマを語っているという、もう教科書そのもの(ポッドキャストなどで感想を漁ると、高台の家族は「下を見ない」という。もちろん気づかずに見ていたが、そういう細部を映像にすることで、意識より深いところに働きかけるんだろう、映像というものは)。
    上と下という対立かと思いきや、なんとさらに……。

    この場面で庭が土砂降りになっているのが、映像的転機になっている。
    あの人が現れ、吃驚仰天というほかないあの格好であんなことをし、ある扉が現れ……という場面がちょうど60分あたりにある。
    ここでまずは、史上最痛の映画パスカル・ロジェ監督「マーターズ」を連想した。が、少しズレて……。

    地下道を通る場面では最近見たジョーダン・ピール監督「アス」も連想。
    多くの人が比較して語っているみたいだが、確かにテーマが相似している。
    「アス」は大好きだが、設定が凝りすぎて、地下でほんまにそんなこと行われてんの、という引っかかりもあるのに対し、本作はよりリアルで切実。また「アス」の「地下の家族」はあまりに奇矯で怖いのでファンタジーに針が触れているのに対し、本作では「半地下家族」の側から描くことで、地に足の着いた生活感覚というのか、むさ苦しさや生活臭のようなものが感じられる、それゆえに家族を嫌いになれない。
    どの階層にも、完全に感情移入しきることはないが、そのどこにもそれなりの割合でわかる部分が分散されている、と。

    そこでドッタンバッタンあり(巷間言われている同クラスタ内での断絶。トッド・フィリップス監督「ジョーカー」もそうだった)、「リスペクト!」とか、さらにドタバタあった挙句の「うーん時計回り……」とかいう笑える名台詞が頻発したかと思いきや、まさに怒濤の展開で、新海誠「天気の子」では描かれなかった豪雨災害を本気で描き(ここで逆流する便所の蓋に座って煙草をふかす姉が、いいんだ……)、さらなる惨劇へ。
    中島らもが、リリパット・アーミーの演劇を作るとき、最初から笑いに来ている客が増えて客の質が落ちた、そこで序盤は笑わせておいて途中から恐怖へ展開させて笑顔がひきつった顔になるのを見ようとした、と「こどもの一生」の制作意図をどこかで書いていたが、本作こそそのスピリットを体現している……もちろんトラジコメディや不条理劇など類似作はあるはずだが、らも思想の体現をここに勝手に見た。
    最後を希望ととるかどうか意見は分かれると思うが、個人的にはサリンジャー「キャッチャー・イン・ザ・ライ」(村上春樹が訳したほう)のような解釈をとりたい。

    シンプルな構図と複雑なディテール(ゆえの面白さ)がポン・ジュノの作家性だと読んだことがあるが、これぞ深くて美味しいということだろう。
    細部に着目してメモしながら見返すのもよさそうだ(たとえば性。高台の夫婦はトロフィーワイフとトロフィーハズバンドとはいえ性はフィットしている。半地下の夫婦は夫が妻のケツをつかむ一戯れの一瞬で、彼らなりのセックスがあることがわかる。そして細部とはここなのだが、飲食店で処理済みのレシートを針に刺して積んでいくのと同じ方式で、コンドームを出したあとの空袋を積み上げていっている、という小道具が一瞬映るのだが、ここでテーマ的だけ取り出せば悲惨としかいえないが、生活をクロースアップすればそんな中でもそれなりのセックスが行われているじゃないか……でも子供は作れないという裏の意味もある……とか)。
    黒沢清フリークなのでどうしても結び付けてしまうが「クリーピー偽りの隣人」を連想。
    邦題でサブタイトルふうに「半地下の家族」とつけた配給会社の担当者GJ!
    あとはBGMも素晴らしい!

  • 原題:PARASITE (2019年) ※日本公開 2020年
    収録時間:132分

    この映画、映画サイトで見つけた時から観たいと思っていたけど、テレビでもかなり取り上げられてたので更に期待値が上っていた。
    こんな所に住んで生活してる人が沢山居るのか(洪水の時のトイレの逆流とか、お風呂?の一段上にトイレが有ったり…)って衝撃もありつつ、上手いことパラサイトしてんな〜と感心しながら観てたけど、最後…あれで良いの…?
    貧富の差はしっかり伝わったけど、ラストの展開は「ただ金持ちなだけで貧しい一家に詐欺られ、寄生され、挙句は逆恨みとも取れる感情で一家の主人が殺されました」という金持ち一家に同情しかない展開だったのだけど…。
    自分達や御近所さんは洪水で大変な中、金持ち達は能天気にパーティなんぞしおって!という気持ちも分からんでもないし、臭いの事を散々言われてた惨めさも分からんでもないけどそれは完全に逆恨みだよなぁ…。
    甘い汁も散々吸ったでしょうに…。

    ”アカデミー賞作品賞ほか4部門に輝く、『殺人の追憶』のポン・ジュノ監督作。半地下住宅で暮らす貧しいキム一家の長男・ギウは、IT企業の社長・パク一家の娘の家庭教師をすることに。これを機に、キム一家は徐々にパク一家に“パラサイト”していく。”

  • 純粋に面白かった。素晴らしい。
    おおっ、と思わせる展開の連続で飽きさせない。意外性やスリル感で引きつけるだけではなくて、ニヤッとさせるところも多く、音楽の使い方も良いし作品全体としてレベルが高い。結末はちょっとやりすぎかもしれないし賛否両論あるだろう。私はとっても楽しめました。

  • 日の光も電波も弱い、半地下住宅で暮らすキム一家。父のキム・ギテク(ソン・ガンホ)はこれまでに度々事業に失敗しており、計画性も仕事もないが楽天的。
    元ハンマー投げ選手の母チュンスク(チャン・ヘジン)は、そんな不甲斐ない夫に強く当たっている。
    息子のギウ(チェ・ウシク)は大学受験に落ち続け、娘のギジョン(パク・ソダム)は美大を目指すが上手くいかず、予備校に通うお金もない。
    しがない内職で日々を食いつないでいる貧しい彼らは、皆、普通の暮らしがしたいと願っていた。
    ある日、ギウを訪ねて、受験を勝ち抜き今や名門大学生となった友人ミニョクがやってきて、留学する間、彼に代わって家庭教師をしないかと持ち掛ける。
    受験経験は豊富だが学歴のないギウが向かったのは、IT企業の社長パク・ドンイク(イ・ソンギュン)の自宅である、高台に佇むモダンな建築の大豪邸だった。
    偽造した大学在学証明書にさほど目を通す様子もなく、若く美しい妻ヨンギョ(チョ・ヨジョン)に娘ダへの部屋へと案内されるギウ。
    受験のプロのギウは、少し授業をしただけで母と娘の心をすっかり掴んでしまう。
    帰り際、落ち着きのないパク家の末っ子ダソンは、紹介したい家庭教師がいると提案。
    後日、ギウは妹のギジョンを連れて豪邸を訪れ、ギジョンはダソンの美術家庭教師となる。
    どの家庭教師も1か月も続かなかったというダソンを恐るべき速さで手なずけ、二人はあっという間に一家の信用を得ていった。
    そして、ギジョンは次にある仕掛けをし、運転手を追い出し、父親のキム・ギテクを代わりの運転手に、家政婦を追い出し、母チュンスクを代わりの家政婦としてパク家に引き入れ、パク家を足掛かりに半地下住宅を抜け出す計画を、実行していく。
    だが、パク家にはギウたちの知らない秘密があった。
    アカデミー賞受賞した衝撃作。
    WiFiもろくに入らない、日の光が弱く、劣悪な環境の半地下住宅に生きるキム一家が、ギウがパク家の家庭教師を務めることをきっかけに、パク家に入り込み半地下住宅から脱出しようとする様々な詐欺行為。
    キム一家が、知らなかったパク家の秘密、そして半地下住宅地を襲う洪水と血まみれなクライマックス、格差から這い上がろうとしても体臭のように染みついて離れない氏素性の格差から逃れられない格差社会の宿業、韓国社会の格差の根深さが分かるサスペンス映画。

  • さすがにアカデミー作品賞はダテじゃない。張り巡らせた伏線と意表を突くラスト。韓国社会を風刺しながらも、深刻になりすぎず、笑いも忘れない。何から何までも完璧で計算された演出。見終えてからもいろんなことを考えさせてくれる。

    半地下住宅。家賃は安いが、わずかな雨で水没し、暑さも悪臭もたまる劣悪な賃貸住宅。韓国の格差社会を象徴する建物だ。そこに住む職を持たない4人家族は知恵と幸運で、半地下ではない地上に住む裕福な家族に寄生することに成功する。

    そして、彼らは半地下よりもさらに下の「地下」の存在を知る。

    寄生される裕福な家族たちの移動は主に車。自らの足で移動することはほとんどない。その一方、半地下の家族たちは自らの足で階段や坂道をひたすら上下する。これでもかと出てくるこの対比が、強烈な印象を残す。

    この格差が埋まることはこの先、考えられない。だけど、家族愛があればなんとかなる。そんなわずかな希望に少し救われた。

  • 面白かったです。もちろん、「楽しい」の面白かったではなく、「観ながらも観た後もぐるぐる考える」の面白さでした。
    格差って永遠に埋まらないし、階級が下の人は格差をビシバシ感じてても、階級が上の人は意識すらしてないんだろうと思います。パク一家も、たぶんミニョクも。
    余裕があるから鈍感で居られるんだろうな…特にパク妻はあんなすぐ人を信用してて大丈夫かなと思ってたら大丈夫じゃなかった。それにつけこまれた訳だけれど、それにしてもキム一家の話術の巧みさよ、、全員演技力が高い。特にキム母があんなにガラッと変わるんだと思いました、長年家政婦やってきましたという空気。

    でも臭いだけは誤魔化せない。いくら取り繕っても、染み付いてるものはじわじわと蝕んでいくのだと思いました。臭いに気付く側も、その臭いを気付かれる側の心も。人柄は良いけどあの臭いが、って言われてたから遅かれ早かれキム一家も無難な解雇されてたかな、って少しだけ思います。半地下の臭いは階級差の臭いか…と嫌な捉え方してしまいました。
    パク娘はそれでもキム息子好きだったけれど。恋は盲目というやつか(ダヘさんがちょっと本田望結さんに見えてたのはわたしだけだと思う)。でもこのチェ・ウシクさんイケメンっぽさ無かったけど…元の家庭教師のパク・ソジュンさんのほうがどう見ても。。ちょい強引なのが好みなのかな。

    無計画と計画の違いみたいなのも言及されていました。大雨がきっかけで、元家政婦さん夫婦の登場や、半地下の家の浸水で計画が台無しに。
    ムングァン様の新北ギャグ、笑ってしまいました。ニュースでよく見る、北朝鮮が気合い入れる報道の時に登場するチマ・チョゴリの女性アナウンサーの真似みたいなの、上手過ぎでした。
    ここからの事態が悪くなっていく展開が速くて凄かったです。気付いたら最悪な所に。
    無計画だった気がするパク息子のお誕生会で大変なことになるけれど、無計画にトラウマ払拭しようとしてもっと強いトラウマを今度は妻・娘・息子が抱えてしまってた。

    お誕生会、元家政婦さんの夫の復讐も凄かったけど、一応息子がお世話になってた人が刺されてるのに自分の家族だけを助けようとしてて、しかもやっぱり地下の臭いに顔顰めてるパク夫を見詰めるキム父ソン・ガンホさんの表情がスッと代わるのゾクッとしました。改めて凄い。。
    パク夫を刺したキム父を見詰めるキム母の表情も。キム娘はびっくりしてたけど、キム母はキム父の心情を理解してたと思います。

    キム息子がずっと笑ってるの、どれもお芝居みたいに見えて現実感が無かったからなのかな。
    あの豪邸の地下に潜んでるキム父のメッセージにキム息子は気付いたけど、ラストに挟まれる、息子がお金持ちになってあの豪邸買って迎えにきた、みたいな映像は妄想だと思います。叶うことは無いかもしれない。上の階級へ這い上がる事の難しさはここまでずっと描かれてきたと思うので。。

    それにしても、豪邸の地下室に他人が住んでる事に何年も気付かないものなのだろうか。それも、お金持ちの余裕からくる鈍感なのかな。
    見えない事には気付かない。グサッと刺さります。

    凄い作品でした。ギャグっぽいところもわざとそんなに笑えないようにしてる気がしてそれも凄い。
    ポスターは圧倒的に韓国版が好きです、不穏で。邦題も「パラサイト」だけが良かった、、



    見かけた批評で興味深いものがあったので貼ります。
    http://www.ibunsha.co.jp/contents/graeber-dubrosky01/

  • 前半は「おー、がんばれ〜」とニヤニヤして観ていましたが、後半は不穏からの「ああ…」というクライマックス。そしてあんな結末も含めて嫌いじゃなけれど、反日を絡めているのが不快でした。気付いただけで2カ所(玄関前で「独島は我が領土」の替え歌を。庭で誕生日会をする際テーブルの配置を「ハンサンド海戦で。テントを日本の軍艦に例えて取り囲むように」)。他にもまだあったかもしれません。

  • 2019年 韓国
    監督 ポン・ジュノ

    ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジュン

    英語以外の作品で初のアカデミー賞受賞で話題になりましたねぇ、ジョーカーと競ってたけど、ジョーカーはあまりにもアメリカの分断を描きすぎてとれなかったって、、、ホント?
    だって、パラサイトは十二分に韓国の分断、格差を描いてますよ。

    半地下って、、、そもそも北の核に対する防御としての防空壕。のちに住宅不足で困ったので住居として認められるようになり、キムさん達のような底辺の方が住んでいる。ホント?
    そして、高台に住むお金持ちのお家には地下に核シェルターがある。
    そのシェルターにこっそり住み着く人物がいる。半地下でなく、本地下。

    前半と後半で構成が変わっていて、別作品のようになり、すごく引き込まれる。時折、笑いがこみ上げる。
    面白かった~~~~~☆彡

    キャンプから突如帰ってきた上流一家。
    キムさん達がリビングで隠れてる時に「なんか、地下鉄のにおいがする」って奥様が言うてた。
    匂いってしみつくんだろうね、お風呂に入ってないとか、洗濯洗剤が安もんとかそういうこと以外に何か匂いがあるんだろうね。
    言葉では表せない何かが、、
    で、そのことを突き付けられてキムさん(ソン・ガンホ)は一瞬、壊れたんだろうな。

    愛の不時着のソ・ダンのお母ちゃんにおじさんも出てた。お母ちゃんはキム一家のお母ちゃん役、、見えない(笑
    もっと見えないのはダンのおじさん、、、ここではあのシェルターに住み着いてた元家政婦の夫役。おおおおお、そういや、そうだ。
    おまけに梨泰院のパク・セロイまで出てるのよねぇぇ、、、、始まりに一瞬やけど。

  • 何ともいえない後味の映画。
    誰かや何かが良かったとも言えず、悪かったとも言えず
    (いやそもそもキム家がパク家に寄生しなければ事件は起こらなかったのだが)
    その何ともいえなさに留めているところが逆に素晴らしい。
    自分はこの先この映画を思い出すたび、モヤモヤするでしょう。

    完全な加害者はキム一家ですが、被害者一家のパク家もなかなかの闇ありで
    匂わせ程度でしたが色々と探られたくないことがありそうでしたね。

    そして後半キーワードになってくる「匂い」
    当然上流階級であるパク一家はそれが何の匂いか知らない。分からない。
    匂いの元であるキム一家はそんな匂いが自分達に染み付いてるなんて知らない。
    この話をパク社長がし始めたとき、それまでは彼等のはちゃめちゃな行動に手を叩いて笑っていたのに急激に現実に引き戻され背筋が冷たくなりました。
    (これ以上はレビューに関係ない話が出てきそうなので割愛しますが)

    それと最後のギテクの表情。 ソン・ガンホさんの演技が本当に凄い。
    温厚と言えば聞こえがいいちゃらんぽらんで常時ヘラヘラとしていた父ちゃんが、次第に変貌していきパク社長を刺す寸前に見せたあの鬼の形相。
    凄まじかったです。

    ストーリーの流れは前後しますが半地下の家が浸水したとき、汚水の溢れるトイレをどうにかしようとするも諦め、そのまま蓋の上に座り煙草に火をつける長女ギジョンが最高にエモくて惚れそうでした。

  • ハラハラドキドキしながら観ました。
    面白かった。どこの国も格差が広がっているのだと実感しました。

  • Netflixにて視聴。
    韓国映画。
    初めはホラーなのかと思っていたが、違った。
    初めはコメディだが、段々と怖い話に。

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著者プロフィール

1969年生まれ。映画監督。2019年『パラサイト 半地下の家族』がカンヌ国際映画祭でパルム・ドール、アカデミー賞で作品賞を含む4部門受賞。監督作品に『ほえる犬は噛まない』『母なる証明』ほか。

「2021年 『ポン・ジュノ映画術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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