ネットビジネス進化論 何が「成功」をもたらすのか [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 文字通り、ネットビジネスの進化が世の中に与える影響について書いた一冊。

    2020年発売なので、最新の技術動向について触れることができた。

  • 事例を思い考えながら、ネットビジネスを復習する&学ぶのによい。

  • 詳細にネットビジネスを以下のようにカテゴリ分けされて網羅して説明しているので、なんとなく知っていたサービスが頭に整理されるのか良かった。
    ===
    Part 1 権力:つながりの場所を押さえる
       1-1 検索はなぜ権力の一等地なのか――ポータル、スーパーアプリ戦争
       1-2 IDと決済を握ったものが覇者となるのはなぜか――キャッシュレス決済とフリクションレス
       1-3 次の主戦場は信用経済とスモールビジネス市場――イネーブラーと信用スコア

    Part 2 コマース:物や予約をつなげる
       2-1 人から人へ物をつなげる――C to Cコマースと相互ネットワーク効果
       2-2 企業から人へ物をつなげる――B to Cコマース、ロングテール、検索型と探索型
       2-3 企業から人へサービスをつなげる――B to Cサービスコマース、ツメの開発、テイクレート

    Part 3 コンテンツ:情報をつなげる
       3-1 人から人へ情報をつなげる――CGM
       3-2 情報をつなげてマネタイズする――コンテンツビジネスとアドテクノロジー、課金モデル
       3-3 情報をつなげて遊ぶ――スマホゲームとフリーミアム、eスポーツ

    Part 4 コミュニケーション:人をつなげる
       4-1 つながりがパワーになる――SNSとブログ、メッセージングサービス
       4-2 個人がパワーをもつ時代――インフルエンサーとコミュニティビジネス

    Part 5 有限資産をつなげる
       5-1 有限資産をなめらかにつなげる――ブロックチェーンとクラウドファンディング
       5-2 有限資産を小分けにしてみんなで使う――シェアリングエコノミー

    Part 6 B to B:仕事をつなげる
       6-1 仕事とデータをつなげる――クラウド、ビッグデータ、SaaS、AI
    ===
    ウィズコロナの時代これから急速に変化していくだろう。
    DX(デジタルトランスメーション)の促進が一気に進む今、チェックしておきたい一冊でした。
    厚めの本だがシンクタンクが作っている小難しい本に比べると誰でも読みやすくできています。

  • ネットビジネスの進化の構造や流行の要因が、カテゴリごとの技術の発展や消費者心理の変遷とともに解説されている。
    主要なサービスは最新情報とともに網羅されており、この一冊でデジタル世界の潮流が理解できるようになっている。

    情報自体に目新しさがないことから星5ではなく4にしたが、単なる事例の羅列ではなく、消費者のインサイトに基づいた考察がなされており、その鋭さは一読の価値あり。

    世にある似たような本(ITロードマップとか)に比べて圧倒的に読みやすく、ヒット作を多く出しているだけあると感じた。
    ネットビジネス(現代ビジネスは全てネットビジネスと言っても過言ではないと思うが)担当者のみならず全てのビジネスマンに進めたい。

    以下、メモ
    ・大前提として、機能価値かが感情価値の世の中へに変化。マズローの5段会欲求説でいう自尊とか自己実現など高次の欲求が重要。
    →これはエアビーの役員も前田裕二もみんな言っていること

    ・フリクションレス:「やりたいことがすぐにできる」ことそのものに価値がある。

    ・イネーブラー:何かができるように助けること。例えばキャッシュレス化は自分の好きなことを商売にしたいという個人の思いを叶えるきっかけとなった。
    →「やりたいことができるようになる」ことは、消費者の行動をどんどん積極的に変化させると感じる。単なる技術の進化だけでなく、こうした消費者の感性の変化をとらえながら自社サービスも設計する必要がある。

    ・ツメの開発:検索機能に新しい選択軸を作ること。ビッグデータを活用することで「宅配ボックスがあるマンション」「制服がかわいいバイト」など、従来なかった&ユーザーにとっては大事な選択軸を満たしてあげる良い検索機能になっていく。

    ・リクルートのトリプルループ:ネットワーク効果は、売り手と買い手が増幅していくシングルループではなく、「ユーザーシェアの増加とともに周辺サービスに投資して独自の利便性が高まっていくループ」と「データを活かしてリコメンドや爪の開発によるコンテンツを質を向上させるループ」のトリプルループによって説明できる。

    ・情報過多の時代では、その道のプロが言うことや自分の信頼している人が言っていることに大きな価値があり、それを体現しているのがCGM。見知らぬ同士のつながりのハードルが低くなったので、書き手は努力次第で人気者になることが可能で、そのワクワク感が良い記事を生み出している
    →情報をシェアするほど人気者になれる世界

    ・金持ち企業はお金で優秀な人を集めていいコンテンツができる。金がないなら仲間意識など感情に訴えるしかない。Youtubeとニコ動の違い。
    →自社は前者だな・・・

    ・ユーザーは「情報の価値」「すぐ手に入る」「不安なく正しい」の3つを満たした情報にお金を払う

    ・どんなことにでも瞬時に決断できる「物差し」を持っている人に、たくさんの人が引き寄せられていく!

    ・大企業の意思決定は保守的。なぜなら意思決定者がリテラシーの低いおじさんだから。新たなサービスを受け入れてもらうには「主流感(みんな使ってる)」と「権威づけ(これだけ評価されている)」が大事

  • 新しいネットビジネスは、どんどん生まれている。
    そのニュースを表層的に理解しその本質を見誤らないためには、そのサービスの裏にある考え方を深く理解する必要がある。
    ・どうして、あのサービスは利用されているのか?
    ・どうして、あの会社は強いのか?

    我々は、ネットビジネスの原理・原則を知る必要があるのだ。そして、この本は、その原理・原則を教えてくれる。

    さらに、いまやネットビジネスの原理・原則を知らないでビジネスの議論することは危険すぎる。しかし、議論するための共通認識がないために、議論がかみ合わないこともある気がする。
    この本は、ネットビジネスを考えるための共通言語になる一冊だと思いました。

    研修課題として、これからフル活用させていただきます!
    いや、私自身が一番使うかも。。。

  • 技術革新が激しい現代の流れを体系的に説明していて、IT系の専門用語にあまり詳しくない自分でも理解しながらさくっと読むことができました!
    インターネットが世界中に広まり当たり前となっている今、全日本人が読むべき1冊だと思います!

  • 面白い

  • これからのビジネスに置いては必要な知識が得られる。

  • 中学高校などで、もし「ネットビジネス」という学校教科があったら、本書を教科書とすることが最適だろう。
    これはまさにインターネットをビジネス視点から描き出した教科書だ。
    それだけ読みやすくて非常に分かりやすい。
    確かにインターネットは技術的に様々な進化を遂げていた。
    その技術の進化に伴って、同様にビジネスも進化を遂げてきた訳だ。
    この技術とビジネスは当然に大きく関係するところであるが、必ずしも同じように歩みを進めている訳ではない。
    技術は時として「画期的な発明はなされても使い道が見つからない」ということが往々にしてある。
    一方でビジネスは「技術の発明」とは少し違う様相がある。
    顧客のニーズによって変化するし、他者のビジネスから大きく影響を受けることもあるからだ。
    だからこそ、ビジネスする側が意図していない形で事業が発展していくことも多々あるのだ。
    相対的な変化が余儀なくされるのが「ビジネス」という側面での特長とも言えるのではないだろうか。
    だからこそ、インターネットをビジネス視点でポイントを押さえて分かりやすく解説するのは非常に難しい。
    こうやって、時系列にして歴史を追って、技術の進化によってネットビジネスの本質がどこで転換したかを解説してくれるのは非常にありがたい。
    今はすでに変化を遂げてしまっている過去のネットビジネスも「大本はここがポイントだった」と示されているからだ。
    初期インターネットでは、情報がほぼ一方的に送られていた。
    それがやがて、双方向でやりとりされるようになる。
    さらに、いつしか情報だけでなく「モノ」の流通もネットを利用して行われるようになった。
    さらに人と人とが直接つながれるようになった。
    人と人がつながることで、モノのやりとりも直接行えるようになってきた。
    やがてお金も含めた「資産」が人々の間を滑らかに流通していくようになったというのが、大きな流れなのだろう。
    これらが実現できるようになった背景には、当然に技術的な進歩がしかも飛躍的な進化があったからだ。
    かつて自前でサーバを立てていた時代から、今ではクラウド化され、そのクラウドの中でアプリケーションも動くようになった。
    ハードウェアの進化に合わせてソフトウェアもアップデートされていったということだ。
    今では「端末」の役割が、ほぼ入力のためのセンサー化と、出力のためのディスプレイ化となっている。
    これらによって、処理はすべて高速なネットにつながったクラウド側で行うことができ、端末は益々軽くなっていく。
    もうそろそろ身体に埋め込むチップも標準になるだろうし、ディスプレイすら持ち歩かずに、コンタクトレンズ型や眼球埋め込み型も出てくるだろう。
    我々は確かにインターネットが発明されてから約30年間で、生活自体を大きく変化させていった。
    そしてこれからも益々我々の生活はネットを通じて変化していくのだろう。
    今は巨大プラットフォーマーが牛耳る世界だが、これからは分散化され非中央集権的な管理が主流になっていくのかもしれない。
    さらにすべてはメタバース化されていき、今の現実世界と別々の世界を我々は行き来することになるのだろう。
    そうなった時に我々は一体どういう風に生きているのだろうか。
    国家間の格差は解消されるかもしれない。
    性別や人種や思想などの違いもメタバース上では全く意味をなさないかもしれない。
    逆にバーチャル世界の中で、新しい格差が生まれてしまっているのかもしれない。
    いつの時代も、社会の変化についていけない人はいる。
    その一方で、それらを上手く使いこなして新しい産業を生み出したり大金持ちになったりしている人も出てくるのだろう。
    本当に我々はどうやって生きていくのだろうか。
    私たちは何者なのだろうか。
    こういう本を読むと、ついつい自問自答してしまう。
    やはり「人間とは何か?」という究極の問いが、今まさに現代を生きる我々に突き付けられている気がしてしょうがない。
    目を逸らさずに、この問いに正面から向き合っていくことが重要だと思うのだ。
    (2022/7/6)

  • ・感想
    尾原さんの書籍はいつも自分にとって深い学びと思考力を磨きます。2年前の書籍で時間経ってから読んだことを少し後悔していますがとても良い気づきが多くありました。
    日本のネットビジネスは今後どうなっていくかを世界情勢の実例と併せて考えた書籍。
    点ではなく線でのつながりを実現するビジネスが来る。

    ・Todo
    有料情報に対して、情報コスト、探すコスト、信憑性チェックコスト と見合うサービスがあるかを探してみる。
    リアル世界のAPI化を考えたサービスがあるかを考えてみる。
    サブスクモデルのサービスについていくつか企業書籍を読む。
    線の付き合いのビジネスを2〜3考えてみる。

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著者プロフィール

フューチャリスト。京都大学大学院で人工知能を研究。マッキンゼー・アンド・カンパニーやNTTドコモ、グーグル、リクルート、楽天など数多くの企業で新規事業立ち上げを担う。現在はシンガポール、インドネシアのバリ島が拠点。著書は『ITビジネスの原理』『ザ・プラットフォーム』『アフターデジタル』『ディープテック』など多数。

「2021年 『スケールフリーネットワーク ものづくり日本だからできるDX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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