満月珈琲店の星詠み (文春文庫) [Kindle]

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  • 本 ・電子書籍 (212ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 夢のような場所で満月珈琲店は今日もお客様をお迎えする。お客様から注文は受けず、一人ひとりのお客にあったスイーツやフード、ドリンクを提供する、それが満月珈琲店のスタイル。

    本作『満月珈琲店の星詠み』の感想になります。
    Kindleの読み放題で見つけてサクッと読み切ってしまいましたが、のほほんとした気持ちにさせてくれる満月珈琲店の数々のエピソードは今後も追いかけたくなりました。

    青山美智子さんの『お探しものは図書室まで』にも似ているけど、小川糸さんのように美味しそうなドリンクやフードの描写が飯テロすぎたり、心が優しさで満たされていく流れは村山早紀さんに近く、要は良いとこ取りな作品でした。

  • ブクログの書評で賞賛されているシリーズ作品であることを知り、試しにシリーズ一作目を読み始めました。望月麻衣さんの作品を読んだのは本作が初めてでしたが、読み終えて心がほかほかと温かくなりました。
    西洋占星術をモチーフにした連続短編作品であり、全く西洋占星術に知識のない私にとっては、正直なところその点が読み進めるにあたっての難点でした。
    その点を除けば読みやすく、それぞれの短編の登場人物たちの関係性、何故『満月珈琲店』に選ばれたのかが読み進めていくうちに明確になり、楽しく読み終えることができました。
    早速、本シリーズの二作目を読み始めようと思っています。

  • とても綺麗で優しい話でした。
    占星術で自分自身を知り、素敵なメニューでそっと背中をおしてくれる。
    説明してくれる猫達がまた個性的で可愛い。
    満月珈琲店は一生懸命生きている中で、立ち止まってしまった人の心の澱をスッと取り除いてくれる。そしてまた人は歩き出せる。そんな話だと思いました。
    私も行きたい。猫達に会いたいです。

  • 「『満月珈琲店』には、決まった場所はございません。時に馴染みの商店街の中、駅の終着点、静かな河原と場所を変えて、気まぐれに現われます。そして、当店は、お客様にご注文をうかがうことはございません」

    幻のように現れる小洒落たトレーラーカフェ。人の言葉をしゃべる店員の猫たち。「満月珈琲店」に引き寄せられる人々。そして「星詠み」マスター(猫)が、出生図を基に彼ら(彼女ら)のレコードを詠み解いていく、幻想的な癒し系ファンタジー。連作短編。

    人生の転機を迎えたシナリオライターの芹沢瑞希、テレビ局ディレクターの中山明里、女優の鮎川沙月、美容師の早川恵美,ITエンジニアの水本隆。「星詠み」に後押しされて、それぞれの人生が繋がりつつ好転していく。

    スイーツのイラストが鮮やかな色合いで綺麗だった。

  • オーディブルで聴いた。
    表紙の絵がきれいだったので聴いてみた。
    猫の恩返しを思い出した。
    小学生の時に助けた猫たち自身ではなく、その上の立場の猫?からの恩返しというのが、なんで本人(猫)たちや亡くなった老紳士からじゃないの?
    しかもなぜ今になって?女優に関しては、道を踏み外す前にもっと早くアドバイスくれれば良かったのでは?と思ってしまった。
    素直に良いと思えず、いちゃもんをつけてるようで申し訳なく思ってしまうけど…。
    でもスイーツのイラストはとてもきれいで美味しそうで食べてみたくなった!

  • まるで猫の恩返しを見ているかのような、ふしぎで幻想的な物語でした!短編集のようで全てが繋がっているので、最後は本当に全員が幸せに救われる、素敵な本です!
    この小説を読むと
    ・猫に会いたくなる(写真で補給)
    ・占星術が気になる(即調べた)
    ・コーヒーが飲みたくなる(のんだ)

    ただ猫がコーヒー出してる可愛いファンタジー小説かなとか思ってましたが、全然違った〜〜〜!
    読む人の背中を程よく押してくれる!!!

    占いって立ち位置が難しいな〜といつも思っていたんですが、占いを盲信してしまう人も、どこまでを参考にすればいいのか迷ってる人も、読んでみてもいいかもしれないです。

    私が1番心に残ったのは、
    土はミルクティーにはなれない。笑
    (ニュアンス違うかも)

    自分は自分であり、自分以外にはなれなくて
    自分は一生自分で。
    すぐ人と比べて、自分以外の誰かに憧れる私に向けた言葉だな〜〜〜なんて響いちゃいました。
    自分がなんなのか、占星術を調べてから読むともっとおもしろいかもです!

  • 小説家・望月麻衣さんとイラストレーターの桜田千尋さんとのコラボレーションの作品です。
    桜田千尋さんの美しく美味しそうな満月珈琲店のメニューのイラストと望月麻衣さんの心温まるストーリーがマッチしています。

    昔はよく雑誌に星占いコーナーがあって、星座ごとの『今月の運勢』を読んでいたような気がします。なんとなく興味があった分野です。当時は結城モイラ先生、ルネ・ヴァンダール・渡辺先生、
    鏡リュウジ先生らがご活躍だったような(名前が間違っていたらごめんなさい)。
    今はあまり星占いコーナーは読まないのですが、星占いは結構奥が深くて、自分の生まれた時点のホロスコープを作成しなくてはならないなどの知識はありました。星占いというよりは占星術ですね。

    この本を読んで、すごくわかりやすく解説しているなあ、と感心しました。

    あとがきで
    『二〇一三年の時点では、受賞が嬉しく、『星ってすごい。しっかり占星術の勉強をしよう』と、まずは独学で勉強を始めました。ですが、独学では分からないことも多く、二〇一五年から占星術講師の元で学ぶようになりました。  勉強をスタートして三年くらい経った二〇一六年頃に、一度、占星術をモチーフに作品を書いてみたいと思ったのです』
    とあります。望月麻衣さんは、星の流れを意識したことで、どんどん開運していったとのこと。
    だから、物語に説得力があるんだと思いました。

    最後はじんわりとした温かさに包まれました。
    ピアノ、猫、老ピアニスト。
    猫とピアノが一緒に出てくる動画をよく見ますが、猫とピアノって素敵な取り合わせだと思います。

  • 恋に仕事に、悩める人達の前に現れる、満月珈琲店。メニューは、自分では選べず、猫のマスターが、その人に相応しい食べ物、飲み物を提供してくれる。

    猫のマスターや、その仲間の猫達は、悩める人達に、占星術でアドバイスをくれます。でも星は見守るだけ。自分を見つめ直し、次の一歩を進むかどうか決めるのは自分自身。でも、勇気を出して一歩踏み出せば、新しい扉が開いて、素敵な世界を見せてくれる。そういえば、ミスチルの歌にも、「いいことばかりではないさ。でも次の扉をノックしよう」という歌詞があったのを思い出しました。ちょっと共通点を感じました。歌の方が、この本より力強さを感じますが、私の好きな歌です。

    この本は、春の京都が舞台です。とても優しい語り口なので、言葉が自然にスーッと入ってきます。また、お店で提供されるスイーツが、とてもおいしそうで、甘いもの好きな私にはたまらないです。中でも、おすすめは、「水星のクリームソーダ」。今の暑い時期にピッタリで、涼しさを感じられ、色が水色なので、大人のクリームソーダという感じがしました。空色ビール「星空」という飲み物もあるので、こちらもいいなぁと思いました。

  • Amazon primeで無料Kindle。

    桜田千尋さんのイラストがとても素敵で、何度も見入った♡

    人生に迷った人に現れる「満月珈琲店」三毛猫のマスターがその人に合ったメニューを提供する。
    悩んだ人が前を向いて進んでいく連作短篇集…ちょっと既視感。

    特筆すべきは、占星術・ホロスコープ・猫がたくさん・ファンタジー・スイーツ・ピアノ曲。

    特に占星術「星詠み」に基づいて指南されるわけだが、占いに興味が無い私には全く響かず。。。
    これだけシリーズが続いているのだから、支持者が多数いることも認めますです。

  • 不貞をしてしまう女性やスランプ中のライター、恋するIT企業家

    優しくもてなされる不思議な猫のお店。

    「大きな心を持つには、時に自分をうんと甘やかしてあげることも大事なの」

    そうだよね、優しい本でした

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著者プロフィール

北海道出身、現在は京都在住。2013年にエブリスタ主催第二回電子書籍大賞を受賞し、デビュー。2016年「京都寺町三条のホームズ」で第4回京都本大賞を受賞。「京都寺町三条のホームズ」「京洛の森のアリス」「わが家は祇園の拝み屋さん」「満月珈琲店の星詠み」「京都船岡山アストロロジー」シリーズなど著書多数。

「2023年 『京都 梅咲菖蒲の嫁ぎ先』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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