AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争 (光文社新書) [Kindle]

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  • AIによる「自動色付け」と、手作業による「色補正」によってカラー化された、戦前・戦中(と若干の戦後)をテーマにした新書サイズの写真集です。AIを使っているといっても衣服・乗り物などの人工物はAIが苦手とするらしく、例えば、表紙の写真「戦前の広島・本通り」の完成には数カ月の期間を要しているそうです(一点にかかりきり、というわけでもないのでしょうが)。人工物が多いような写真の種類によって、ほぼ手作業になってしまうということでしょう。また、AIで判断できない箇所についてはSNS等で寄せられた情報を参考にしているらしく、タイトルでAIを謳っていますが、大変な手作業と多くの人びとから寄せられた記憶の結晶が生んだ仕事であるという事実も強調されるべき点だと思えます。

    撮影地の大部分は日本国内で、その他としては海外における日本の戦地やアメリカの日本人収容所が多く、なかには同盟国だったドイツの写真もある程度含んでいます。撮影された期間は、最古の1926年から1946年までで、これを時系列に編集しています。映された写真は戦争とその影響に関わる内容がほとんどですが、序盤の一部には戦争と直接的に関係がない日常的な写真も選ばれています。

    1940年以前の古い写真など一部は不自然さを残すものの、ほとんどについてはカラーで撮影されたかのように鑑賞することができました。その自然な出来栄えから、色付けによって何かが「加えられた」というよりは、白黒写真につきものの独特のニュアンスのヴェールを「取り払う」ことに成功した、という印象を受けます。本書によって、80年前の過去の出来事がより身近に、かつ、生々しさをもって届けられます。被写体が日本人であるか否かに関わらず、遥か遠い過去と思える戦前に生きた人びとが、私たちと同じ存在だったという、余りにも当たり前すぎる事実を実感することができます。

  • この本に触れることができて本当に良かったです。

    自分は戦後生まれなので、戦前や戦争など今までモノクロ写真でしか知らなかったのですが、カラーになるだけで、グッと身近に感じました。
    あわせて、戦争への恐ろしさも痛感しました。

    なお、着色は、AIで下色付けをし、その後に戦争体験者との対話や寄せられた資料を基に、手作業で補正したとのことです。

  • この幸せそうな家族はそうもうこの世にはいない。
    戦争の犠牲になった人々や風景が今、先端技術によって甦る。 パラパラとめくってみるだけで、その迫力が伝わってくる。色が付くだけで、こんなにも身近に感じられることが恐ろしくも悲しい。
    誰かが誰かを大切にしていた、ただそれだけなのだ。

    建築コース 3年

  • ふむ

  • AI技術によりカラー化した戦前から戦後までの写真を通して、戦争と平和について考える写真集。

    カラーになったからこそ、よみがえる記憶。カラーになったからこそ、当時の状況をより身近に感じることができます。

    戦争がいかに残酷なことなのか。平和がいかに尊いものなのか。本書の写真を見ると、そのことを強く思います。

  • 読了日 2021/6/14

    多分セールだった時にKindleで購入。
    終戦前から戦後の白黒写真を、AIで色付け、手作業で修正したものを収録。

    正直何よりびっくりしたのが著者紹介で、
    この人、いま大学2年生だってこと。

    若い人が、戦争に向き合って、その記憶を解凍する。
    熱意が、すごいなあと。なにがこの人をここまで駆り立てたのだろうなあ。

    至る所の空爆の写真を見て、
    本当に一回、日本は焼けて、復興したんだなあと、初めて心から思った。

  • 戦前の様子をカラー化することによって、その時代の人々が今生きているように感じ、戦争がもたらす不幸が、より生々しさを持って迫ってくる。
    本当に素晴らしい取り組み。心から敬意を表したい。

  • 戦前はまだ穏やかな気分で見られたが、戦中の色のある写真は生々しく、感情が揺さぶられるものであった

  • 過去の白黒写真をAIを使ってカラー写真にしてある。「記憶の解凍」という言葉が印象的。カラー写真を見て、おじいちゃんとかが急に記憶を思い出したりする。これまたとっても魅力的。原爆が落ちたあとの広島をデパートから眺める2人の写真を見て「これが私と妻です!」という人が出てきたという番組がNHKでやっていたそうです。

  • 写真集なので,すっと読み終えるかなと思ったら,そうでではなかった.モノクロなら見たことがある写真も多く,それが色づいたことによって,さらに印象深くなることが理由でしょうか.

    特に,終戦期の写真は,夏空から秋空へ,蒸し暑さから涼しさ,と言った季節の変化も感じ取れる.

    モノクロの昔の世界を色合いを与える手段として,小説や映画などくらいしかこれまで無かった.AIとマンパワーによる緻密な色付けと言う手段は,新たな手段として大発明では無いだろうか.

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