家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった (コルクスタジオ) [Kindle]
- コルク (2020年9月23日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (153ページ)
感想・レビュー・書評
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エッセイです。泣きながら笑いながら読みました。
父親は中学生の頃に病死、母親は車いす、弟はダウン症。
厳しい出来事を乗り越えてきたはずですが、その文章に悲壮感は微塵もなく、カラッと明るく、ユーモアたっぷりです。関西人のノリと笑いが詰まってます。
実際はもっともっと大変なことや辛くてどうしようもないこともあったと思いますが、捉え方というか受け止め方が本当に素敵で見習うところだらけです。
家族の話が多いですが、それ以外の話も面白かったです。ブラジャーとか櫻井翔さんとか2匹のクマをつるしたりとか。
読んで元気をもらえました。
電子書籍ではなく、紙の本で読みました。弟さんの書いたページ番号も味があって素敵でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
家族バラバラの自分のような人間にとっての教科書。
岸田さんのように、しんどい出来事を面白く記録して伝えたいと思った。
岸田奈美さんと同じように、私も辛すぎる家族の出来事があってからそれまでの楽しい記憶もほとんど記憶から消去してしまった。
忘れられたから今があるのは同じだ。
でもこのエッセイを読むと覚えておくことも素敵だなと思える。
回転寿司やで良太くんがお茶とわさびを間違えるエピソード、パスタを食べながらお母さんを2億%大丈夫と励ました言葉、車椅子の母と行く沖縄ツアーを探してくれた旅行代理店の人。運転手さんとのエピソード。
覚えておきたいことは、メモしよう。覚えておこうと思えた。
この本にでてきた特に大きな名言もおぼえておきたい。
大切にされてきた人が人を大切にできる
たくさん傷ついてきたから、やさしい文章が書ける -
父親を心筋梗塞で亡くし、母親が病気で車椅子生活になり、4歳下の弟さんがダウン症。なのに、めっちゃ明るいnoteの記事を書かれている岸田さん。
Twitterで知って、noteの記事をつまみ読みしていました。ちゃんと認識したのはボルボを買った話だったかな?
noteの記事もそこそこ読んでるし、書籍としてまとめて読む必要もないかな〜とずっと読まずにいたんですが、
読んでよかった!
noteの記事やTwitterを斜め読みしているだけではちゃんと読みきれていなかった話が読めました。彼女が通ってきた道を把握できて、さらに彼女の書くもの表現してくれているものを受け取りやすくなったと思います。 -
岸田奈美さんの文章は、面白い。
めちゃくちゃ面白いんだけど、テーマの重さがそのまま残っているのが不思議だ。
これまでに起きたさまざまな大変なできごとを面白おかしく笑い飛ばしながらも、大事なことがしっかり伝わってくる。
素敵な家族に囲まれて過ごされてきたのだろうな。
どんなに大変なことがあっても常に前を向いて進んでいこうとする強さ、そして良いことも悪いことも率直に、ざっくばらんに文章にできる力と感性をもった岸田奈美さんはとっても素敵な人だ。
岸田奈美さんの文章を、いつまでも読んでいたいと思った。 -
noteで話題になり、定期的に拝読している。その内容が本に。早速購入。父親が中学生の時に亡くなり、母親は大病で車椅子生活・・・とハードな人生を送っているにもかかわらず、文体はユーモアに溢れ、なおかつ暖かい。「人を助けることはどういうことか」をわかりやすく書き表している。読了感が爽やかな一冊。
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本は知っていたけれど、あまりエッセイを読まないので手にとっていなかった。
好きなnote作家さんが紹介していて試しに読んでみたら、これまたすごい面白い。現状を打破したくてがむしゃらに頑張る大学受験からスタートアップでの活躍あたりが個人的にはヒットした。
エナジーチャージしたい人におすすめ。 -
岸田奈美さんの本は、「もうあかんわ日記」につづいて2作目だ。
でも、出版はこちらのは方が早くて、自分としてはエピソードゼロのような楽しみ方が出来た。
著者紹介のところでは、「人生に一度しかおこらないようなことが、何度も起きる」というようなことが書いてあったが、本を読む限りでは本当にそうなのだろうと思う。
でも、彼女に起こる出来事も、彼女にかかわる人たちも、かなりの部分が、彼女自身にひきつけられて、彼女の人生に入ってきているように思った。
自分の弱さに自覚的で、おろおろしながらも、どうすれば楽しく生きられるのかを考えられるのその意思の強さがそうさせるのではないだろうか。
そして、呼び込んできた出来事によって、さらに人間的に深い洞察ができるようになる、そんなことの繰り返しのようにも思える。
弟の良太君のエピソードがどれも素敵だ。
彼は自分ができないことや失敗することなど全然気にせず、いろんなことをみようみまねで挑戦する。私達は得てして自分の失敗や、他人に迷惑をかけることで自分を咎めるが、それは誰でもなく自分が勝手にやっていることなのだ。
できなくたって、楽しめる。楽しい方が、得に決まっているのだ。