事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践 [Kindle]

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  • すばる舎
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感想・レビュー・書評

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  • これまで読んできたB2Bマーケ系、コンテンツマーケ系、マーケティング・オートメーション系、ウェブ・マーケ系などを読んでて「自己啓発系」に近い印象を持ってた。つまりどれも正論で、”まぁ、それできれば確かに成功するよねぇ~。1~2%くらいの人はねぇ~”というヒトゴト感というか、内容と生身の自分との距離を縮められる気がしてこなかった。

    その感覚が本書のあとがきにドンピシャな例え話として記されていた。
    ーーマラソン世界記録を見ると、人類はこの100年で1時間も短縮できた
    という世界観。これに興奮できる人は読むべし、そして走り出せば良い。

  • くだらない

  • BtoBマーケの「正しい型(=メソッド)」が網羅されていて、事例もたっぷりなので読みやすい。
    目新しい情報は特になくて、ここにも銀の弾丸は無いのだなと再認識させられる。

    単価の高い製品はリード獲得から受注までに年単位の時間がかかる、それ故潜在層・準潜在層の獲得も大事。だけど社内でマーケに予算と人材を割いてもらうためにはプロジェクトの初期に数字で効果を出さないといけないから、まずは受注に近いところを攻めないといけない。

  • BtoBマーケティングの構造がよく分かる本です。
    BtoBの世界では、実際に顧客と会うまでに商談の50%は終わっているとの事です。今後は問い合わせがあった時点で80%程度終わる状況になるだろうとも記載されています。
    裏を返せば、適切な施策をすることで弱小企業でも顧客にアプローチできる可能性があると感じました。

  • もう少し勉強してから読み直そう。。。

  • マーケティングに関する書籍としてBtoCのものは比較的良く見かけますが、BtoBを取り扱っているものは意外と少ないのではないでしょうか。

    本書では、BtoBマーケティングの特徴、BtoBマーケティングにおいて重視すべき指標、BtoBマーケティングプロジェクトの進め方など、マーケティングの前提知識がなくても理解しやすい内容です。
    何より、全体的にコンパクトで要点が頭に入りやすかった印象です。

    後半部分は具体的なケーススタディの紹介となっており、ありがちなケースごとにどのようなアクションを取るべきか?を考えるのに役に立ちそうです。

    ケーススタディの例)
    ・リード数が足りない
    ・リード数や商談数が増えているのに受注につながらない
    ・競合の参入でCPAが高等し受注率も低下
    ・競合がたくさん存在する成熟業界で成長する
    ・モノはよいが、知られていない

  • 前著の虎の巻よりも内容が豊富となり、とても参考になった。


    BtoBマーケティングの戦略と実践
     
    ■なぜ、BtoBマーケティングが重要になっているのか
    ●インターネットの登場以降、顧客行動は大きく変わった。
    ・資料によると、「BtoBでは顧客の購買プロセスの57%が、営業担当者に会う前にすでに終わっている」という事実が明らかにされている。
    ・顧客が自ら行うベンダー選定の段階で選ばれなければ、営業パーソンは声をかけてすらもらえないということ。
    ・課題解決の方法は、いまや営業パーソンではなく、顧客自らが決めている。文字通り、「ソリューション営業は終わった」のであり、顧客の変化に合わせ、私たちは新しい時代の営業・マーケティング活動へと移行していかなければならない、ということになる。
     
    ●顧客とのタッチポイントは増え続けている。
    ・BtoBマーケティングを手がけているマーケターにとっては、「顧客とのタッチポイントが以前より増えている」という観点から、むしろ喜ばしい動きと言える。
    ・マーケターが会社の売上・利益に貢献しやすくなっている。マーケターの腕いかんで、顧客とのコミュニケーションの質を大きく変えられるチャンスが増えている。
     
    ■テレワークでBtoBマーケティングのデジタル化が加速
    ●テレワーク時代に予想される課題と対策
    #影響1:新規リードの減少
    ・担当者が在席していないので、テレアポが繋がらない。
    ・郵送DMやFAX DMが開封されない。
    ・展示会やオフラインのセミナーが開催できない/中止になった。
    #影響2:商談化率の低下
    ・リード(見込み客)に対して架電しても、在席していないので繋がらない。
    ・そのため電話でのヒアリングができない。
    ・商談設定ができない(感染防止のための訪問拒否)
    ・メールを送っても返信がない。
    #影響3:受注までのリードタイムの長期化
    ・訪問によるプレゼンテーション、クロージングができなくなり、受注までのリードタイムが長期化している。
    #影響4:営業部門のマネジメント難易度の上昇
    ・営業部門内での見込み案件の情報共有や、営業メンバーの育成(研修やロープレ、商談へのフィードバック)をリモート環境で行わなければならず、戸惑う企業が続出。
    ●影響への対策(例)
    ・対面しなくてもすむオンラインセミナーの開催。
    ・広告宣伝費をオンライン中心にシフト。
    ・営業パーソンが説明していた内容を、記事コンテンツや動画化する。
    ・SFAツールや動画共有ツールを導入し、オンラインで営業部門をマネジメントする。
     
    ●BtoB営業・マーケティングプロセスのオンライン化に必要なこと。
    #論点と対策1:オンライン中心にして、リアルな展示会やセミナーに匹敵するほどリード(見込み客)を獲得できるのか?
    ・この点に関しては、施策にきちんと予算や社内のリソースをシフトすれば、十分に代替することが可能。
    ・このうちデジタル広告の施策に関しては、近年特にホワイトペーパーを作成してFacebook広告などのインフィード広告を出稿する施策が、リアルな展示会やセミナーと質の近いリードを獲得できる可能性が高くおすすすめ。
    #論点と対策2:デジタル広告やオンラインセミナーで獲得したリードの商談化率は高いのか?(=十分な商談数が確保できるのか?)
    ・おすすめは2点。1.従来よりも多めに新規リードを獲得する。2.商談化を急がず、まずはオンラインセミナーやオンライン相談会等で接点を作ることに注力する。
    ・オンライン施策の特性上、予算と手間をかければ、新規リードの量を増やすこと自体はさほど難しくない。
    ・また、いきなり商談を設定するのではなく、まずはオンラインセミナーやオンライン相談会等で顧客接点を作る段階を踏み、その後に個別に商談の打診をするのは有力な選択肢となる。特にオンラインセミナーで集客した見込み客は、多くの場合、商品を探している段階ではなく、情報収集の段階にいるため、いきなり商談を設定しても断られてしまう。
    ・つまり、「リード獲得→商談打診」という単純なプロセスから、「リード獲得→オンラインセミナーやオンライン相談会→商談打診」と1段階、従来より多くのステップを挟むことで、顧客接点の強化を行うのがおすすめ。
    #論点と対策3:オンライン営業でクロージングできるのか?
    ・Web上に営業を補助するコンテンツを事前に公開しておくことで、リードタイムを短縮する。
    ・オンライン営業のスキルを磨く。
    ・オンライン営業では、リアルな営業よりも伝えられる情報量はどうしても減少する。そこで顧客の意思決定を助けるために、Web上に営業を補助するコンテンツ(記事、動画、資料など)をあらかじめ公開しておく。
    ・公開しておくコンテンツの具体的な内容については、顧客が自社の商品を認知してから実際の発注まで感じるとされる「4つの不」、すなわり「不要」「不急」「不信」「不適」をそれぞれ解消できるコンテンツが考えられる。
    ・「受注までの商談ストーリーの入念な設計」「営業パーソンやサービス提供者の人となりを伝える工夫」などが求められる。
    #論点と対策4:リモート環境になり、営業部門のマネジメントの難易度が上がったが、どうすればいいのか?
    ・「ハイパフォーマーの営業トークを録画して、チーム内で共有」「SFAツールを導入し、商談履歴をオンラインで共有」「商談の様子を記録してリモートで上司がフィードバック」など、営業活動をデータで判断する「データドリブン」なスタイルに変えていく契機にしていけるとベスト。
     
    ■BtoB営業・マーケティングプロセスのオンライン化のためのToDoリスト
    ●リード獲得プロセスのオンライン化・デジタル化に必要なToDoリスト
    ・SEO
    ・検索広告の出稿
    ・ディスプレイ広告の出稿
    ・SNS広告の出稿
    ・SNSの活用
    ・記事や動画コンテンツの作成
    ・ホワイトペーパーの作成
    ・オンラインセミナーやオンラインカンファレンスの開催
    ・Webサイト改善
    ・ランディングページの制作/改善
    ・外部メディアへの出稿
    ・フォームDM(各社サイトの「問い合わせフォーム」を利用して送る、メール形式のDM)の送付
    ・プレスリリースの発信
    ●リード育成プロセスのオンライン化・デジタル化に必要なToDoリスト
    ・メールマーケティングの強化
    ・オンラインセミナー/勉強会の開催
    ・MAによるスコアリングの活用
    ・MAによるシナリオメール(ステップメール)の活用
    ・リード育成用コンテンツの作成
    ●営業・受注プロセスのオンライン化・デジタル化に必要なToDoリスト
    ・Web商談ツールの導入
    ・営業資料/パンフレットの見直し
    ・サービス説明/プレゼンテーション動画の作成
    ・SFAツールの導入/活用強化
    ・電子契約サービスの導入
    ・ロープレ動画、営業ノウハウ動画の共有
    ・営業トークの見直し
     
    ■BtoBマーケティングの特徴
    ●BtoCとBtoBマーケティングの違い
    ・BtoCマーケティングとBtoBマーケティングの一番の違いは、購買プロセスの中に営業が介在すること。
    ・そのため、BtoBマーケティングの戦略設計では、どう営業パーソンが商談しやすい状態で案件をパスするかを、きちんと意識しながら設計することが、売上や利益を上げるうえでの肝になってくる。
    ・さらに売上を構成する「商談数」「受注率」「商材単価」のうち、「受注率」は10〜30%に落ち着くことが多く、この数字が2倍や3倍になることは滅多にない。「商材単価」も10倍、100倍に上がることは稀。
    ●商談数が最も増やしやすい
    ・しかし、「商談数」だけはマーケターの努力で10倍、100倍に増やすことが可能。BtoBマーケターが影響を及ぼしやすいという観点から、営業パーソンにパスする「商談数」を見ていくことが大切になる。
    ●購買関与者の数
    ・ごく少数の会社で、社長が自ら意思決定をする場合を除けば、BtoBマーケティングでは顧客社内の確認・調整・稟議があることを前提にして、発信するメッセージやコンテンツ、全体のコミュニケーションシナリオを設計する必要がある。
    ●購買目的
    ・BtoBの場合は「楽しい体験がしたい」「ステータスとして所有したい」などといった理由で購買行動に繋がるケースはほとんどなく、「売上や利益を上げる」「コストを下げる」など、業務上の課題解決を目的とした購買行動が主流。
    ・その製品やサービスを導入することで、会社の売上・利益がどれくらい上がるのか、コストが下がるのかを決裁者は気にする。
    ・当然、Webサイトや営業資料、広告のクリエイティブ(制作物)で打ち出すメッセージやコンテンツは、企業の課題解決にいかに寄与するかを訴求することが重要になる。
    ・BtoBマーケティングの戦略設計では、顧客側の検討期間の特徴を、最初から考慮に入れておく必要がある。
    ●情報の非対称性
    ・購入企業側は事前の情報が少ない中で意思決定をする必要があるため、BtoBでの購買行動はまだまだ情報の非対称性が大きい領域であると言える。
    ・そのため、Web上にコンテンツを大量に提携し、検討・意思決定にあたっての顧客の不安を少しでも取り除くことができれば、顧客の意思決定におけるハードルを下げることができる。
     
    ■マーケティング投資の前にLTVを強化する
    ●LTVの強さがマーケティング戦略の自由度を決める。
    ・元々強いビジネスであればあるほど、戦略立案の自由度が上がる。
    ・新規事業開発やスタートアップの世界では、健全なユニットエコノミクスになっていれば、つまり、あるビジネスにおけるユニット単位での取引の経済性・収益性がプラスになっていれば、安心して拡大に向けた投資に踏み込めるという議論がある。
    ・マーケターも、自分が担当するビジネスのユニットエコノミクスがプラスになっているか、マイナスになっているかを常に考える習慣を持つことが大切。
     
    ●LTVが高いとCACやCPAを無視できる。
    ・実際にBtoB企業で「マーケティングがうまい」と言われるような企業(例えばビズリーチ、Sansan、SmartHR、サイボウズ、マッキンゼーなど)は、ことごとくLTVの高いビジネスを運営している。彼らは高いLTVを誇るがゆえに、積極的なマーケティング投資ができる。LTVの高さはマーケティングの戦略や施策に影響を及ぼす。
     
    ●LTVを高める方法は3つに分けて考える。
    ・LTVは一般に「平均購買単価 × 継続購入期間or平均購買頻度」で算出される。そのため、これを伸ばすには平均購買単価を上げるか、継続購買期間を延ばすか、平均購買頻度を増やすかの3つの選択肢しか存在しない。
     
    ■BtoBマーケティングプロジェクトの進め方
    ・【STEP1】経営課題・戦略に沿ってマーケティング活動の目的・目標を設定する。
    ・【STEP2】顧客への解像度が高いメンバーをチームに入れる。
    ・【STEP3】代表的な顧客をリストアップし、購買プロセスを把握する。
    ・【STEP4】自社が顧客に選ばれている理由を把握する。
    ・【STEP5】短期施策と中長期施策に並行して取り組む。
    ・【STEP6】定例会議で進捗を確認し、追加施策を検討する。

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