一発屋芸人列伝(新潮文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ちょっと前の本なので、この後イギリスのコメディーショーであの方が大ブレイクすることや、あの同世代が子ども向けのコンテンツで地位を得ていることがこの後に起こると思って、その時点での悲喜交々を読み進めたが、本当に人生何があるのかわからないものなんだよな、というのが眼前に迫ってくる感じだった。

    芸人にしろ、作家にしろ、何かを人に表現するということは現代に於いては秘匿性を貫くのは特に難しく、故に表現されたもの=その人という図式が最短距離で認識されてしまうから、特に顔を晒して「馬鹿馬鹿しい芸」や「瞬発力しかない(と他人には思える)芸」というものを発現する人物は『=ばか』だ、と短絡的に外野は思うのだろう。
    しかしながら、その馬鹿馬鹿しさや勢いだけで誰かを、そんな気が無い誰かですら笑わせられたのなら、それはもう「すごいこと」なのではと思う。

    だからもう、一発でも当てたならその芸人は「すごい人」だ。
    文章は半ば自虐的な語り口だが、己の道を進んでもらいたいと「圧倒的無責任な外野」として思う。

  • 本書は「一発屋芸人が、一発屋芸人を語る本」なのだが、ただ面白おかしく一発あてたその後を紹介する本ではない。

    一発屋芸人・本人へインタビューし、売れたときのネタはどうやって生まれたのか、売れる前後の人間模様と生活環境を、実に芸人らしく聴取・分析しているのが面白い。

    さらに、一発屋同士で話題となっている、売れた度合いの評価(正確には一発じゃない、0.5発だ!)なんかも微笑ましく読んでしまう。

    著者である山田ルイ53世の文才が光り、どの章もすいすい読めたし、もう一度、彼らの芸を見てみたいなと思った本。

  • レイザーラモンHG、スギちゃんといったいわゆる「一発屋」芸人の売れた後を描く一冊。まず驚かされるのは芸人の芸を褒める筆致だ。ジョイマンのラップについては「安易に見えるが全く脈絡もない言葉を組み合わせて駄洒落にならないようにしているのは高度」と褒めているし、スギちゃんのワイルド話芸は実は上質なスダンダップコメディなのだと解題する。芸人目線で芸の高度さを解説しつつも、自らはコスプレキャラ芸でウケている、という悲哀もある。

    2021年のM-1グランプリで塙宣之がオズワルドを褒めるのに使った「畳一枚でできる話芸」への憧憬を出しつつも、一発屋芸人の「畳一枚では成立しない芸」の矜恃も描く。凄いのに、ベースは自虐。このバランス感覚と、著者の持つユーモアが合わさって非常に面白い。かつて一時代を築いた彼らへの好感度はより増すことだろう。クリープハイプ・尾崎世界観による解説も素晴らしい。

  • 一発屋芸人たちを掘り下げた紹介、レイザーラモンHGはいい人らしい。

  • 文才と観察眼のある一発屋の、さまざまは人のドキュメント。面白く、いい人だなと思った。

  • いわゆる一発屋と呼ばれる芸人を何組かピックアップして掘り下げる。何より軽妙な文章が実に読みやすい。また取り上げられた芸人に注がれる眼差しの優しさ。読み進むうちに一発屋とは何かというイメージが変わり、多層的な人間味が浮き上がってくる。

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著者プロフィール

山田/ルイ53世本名・山田順三(やまだ・じゅんぞう)。お笑いコンビ・髭男爵のツッコミ担当。兵庫県出身。地元の名門・六甲学院中学に進学するも、中学2年に引きこもりになり中退。大検合格を経て、愛媛大学法文学部に入学も、その後中退し上京、芸人の道へ。「新潮45」で連載した「一発屋芸人列伝」が、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」作品賞を受賞し話題となる。

「2018年 『ヒキコモリ漂流記  完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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