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感想・レビュー・書評
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ブク友が書いたレビューを読んで興味が沸き、無料で試し読み。
ダーウィンは1859年に『種の起源』を出版し進化論の学説を発表しキリスト教の聖職者たちから非難されたが、本書の舞台はそれよりもずっと前にさかのぼる。地動説が唱えられ始めた15世紀だった。教会に睨まれ異端思想を持つ者はガンガン火あぶりに処せられていた。主人公の神童・ラファウは飛び級で入学する予定の大学で、当時一番重要とされていた神学の専攻を皆に期待されていた。合理性を最も重んじるラファウにとってもそれは当然の選択であり、合理性に従っている限り世界は“チョロい”はずだった。しかし、ある日ラファウの元に現れた謎の男が研究していたのは、異端思想ド真ン中の「ある真理」だった。人を食ったようなラファウが、どのように変わっていくのかに関心を持った。しかし、その後のラファウを追っていくのではなく、地動説をめぐるそれぞれの主人公達に引き継がれていく展開になっているようだ。
『マンガ大賞2022』にノミネートされている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なんですか、これは!
色んな人たちが絶賛しているけれど、
その割に一様にして皆多くを語らず。
表紙だけなら謎すぎて絶対手にしないタイプの作品だけど
気になりすぎて読んじゃいましたよ。
テーマは一貫しているんだけれど主人公や場面がコロコロ変わったり繋がったり
なんというか、不正解を恐れずに言うなら
『火の鳥』を彷彿させるようなスケールとか哲学とか不条理を感じてしまう
漫画の枠を超えた漫画だった。
読み終えましたが敢えて言わせてください。
なんですか、これは!!!
おまけ
===チ。辞苑===
【神学】……
全ての学問の頂点。
僕らが生きているのも神のおかげ。そのコトバを論理的に読み解き信仰を深める学問。
【合理的に生きる】……
“愛”とかに代表される無意な感情や無駄な欲望に惑わされず合理的な選択をすればこの世は快適に過ごせる。合理的なものは常に美しい。
【地動説】……
地球は2種類もの運動をしている。
毎朝朝が来るのは地球自らの軸を回る、“自転”をしているからだ。
さらに季節が変わるのは地球が太陽を軸として廻る、“公転”をしているからだ。
そこでは太陽は静止し、バラバラだった惑星は連鎖して動き、宇宙は一つの秩序に統合され、常識は覆り、C教は激昂し、“美しさ”と“理屈”が落ち合う。 -
15世紀前半のポーランドと思われる国を舞台に、地動説という真理に魅せられた人々の姿と、受け継がれる意志を描く。人生なんてチョロいと思っていた若者がこういう選択をするとはなあ。
感想は3巻にてリンクを張ります。 -
心が震えて泣けちゃったよ…
歴史で数行で終わるような事柄に
こんなドラマティックなことが隠されていたのかもしれない。
その当時は本当にセンセーショナルだったのかもしれない。
文字で語られてきた歴史に血が通ってみえる感じ。
自分が大事にしてきた価値観や動機を遥か昔の人々が持って行動に移してきて、それを今描き伝えようとしてる人がいてそれを受けとめ絶賛する人たちがいる。
その事実にも喜びがわきました。 -
まじか、こうくるのか。めちゃくちゃ面白い。いやどうすんのこの先???という混乱。
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グロいんだけど、とにかく静かにアツイ。
地動説を支持する知識層が異端者として火炙りにされていた時代、それでも信じた真理を解明しようとした人たちの話。
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「人は皆、現世は醜く、貪欲でけがれていて、天国は清く美しいと言う。だが、私はそんなの認めない。神が作ったこの世界は、きっと何より美しい。」
異端と責められ、次に発覚したら火あぶりにされるフベルトの言葉が、とても印象に残った。この世界で異端を責める教会よりも、信仰を感じさせるものだと思ったね。『利己的な遺伝子』を書いたドーキンスは、その後の多くの著作の中で進化論を否定し、神の存在を否定しているというけれど、その彼の言動そのものが、日本人よりもはるかに神を意識していることを感じさせる、ってどこかで読んだなぁ。C教の文化圏で知識人であることは、そういうものなのかもしれない。
面白かった。続きが気になるところだ。 -
ラファウ主人公編。
義父ボトツキ
(弟子?)フベルト
美しさと理屈が落ち合う。
地動説の学問的美しさに殉じる二人すごいなー