脳を司る「脳」 最新研究で見えてきた、驚くべき脳のはたらき (ブルーバックス) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • Audibleで読了(聴了?)。

    かなり難しかったけれど非常に面白い本でした。

    人間の知能と知性を司っている脳。脳の中では何が起こっているのか? 一般的には、「ニューロンから伸びたシナプスで情報が伝達されている」というのが脳の働きの全てだと思われていますよね?(実際、私はそう思ってました)

    けれど、この本では、シナプスを取り巻く添え物だと思われていた間質液や、脳の細胞の半分以上を占めているグリア細胞が、シナプスに作用して脳を動かしているという研究を説明してくれていました。

    そして、むしろ、人間の「知性」や「こころ」は、シナプス「以外」の部分が大きく関わっている可能性があるとのこと。

    脳の構造や細胞の動き、化学的な反応や、電気的な反応など、かなり詳しい説明がされていて、難しくはあったのだけど、私が知っている「脳の話」を、グッと深く広くしてくれました。


    ブクログには「電子書籍」として登録しましたが、実際にはAudibleで「聴き」ました。

    図表もたくさんあるし、新しい言葉や難しい説明もたくさんあったので、「聴く」だけでは細かいところが理解できない部分も多くありました。

    文字と図表として「読ん」だ方が、断然理解しやすい本だと思いました。

    とはいえ、朝のウォーキング中の「活字を読むことができない時間」を使って、有効に「新しい知識」を得られたのはとても良いことだったと思います。


    ただ、文字としてブラウズできないと、後からざっと振り返ることができないのが残念。多分、電子書籍で買い直すことになるだろうなぁ〜。Audibleで「聴いた」人に対する、電子書籍の割引き制度とか、あるといいのにな〜。



    別の書籍を引き合いに出しますが、少し前に読んだ「DNAの98%は謎」という本を思い出しました。DNAの中で重要なのは実際の「遺伝情報が書かれている部分(遺伝子)」だと思われていたけれど、タンパク質を作ることがない遺伝子「以外」の98%の部分の役割も重要である、ということが書かれていた本。

    この本では、脳の中で重要なのは「ニューロン」であると思われているけれど、実はその周りにある間質液やグリア細胞が脳の働きに重要な役割を果たしているとわかってきたとのこと。

    新しいことが発見され、その部分が集中的に研究されているのと並行して、それ以外の部分、最初は「単なるまわりにあるジャンク」だと思われた部分の研究も行われていて、のちにそれが重要な役割を持っているとわかる。研究者さん達の目の付け所やあくなき探究心って素晴らしいな、と思いました。


    【メモ】

    目次
    ・プロローグ 「生きている」とはどういうことか
    ・第1章 情報伝達の基本、ニューロンのはたらき
     ―コンピュータのように速くて精密なメカニズム
    ・第2章 「見えない脳のはたらき」を"視る"方法
     ―脳研究はどのように発展してきたか
    ・第3章 脳の「すきま」が気分を決める?
     ―細胞外スペースは脳の"モード"の調整役
    ・第4章 脳の中を流れる「水」が掃除をしている?
     ―脳脊髄液と認知症の意外な関係
    ・第5章 脳はシナプス以外でも“会話"している?
     ―ワイヤレスな情報伝達「細胞外電場」
    ・第6章 頭が良いとはどういうことか?
     ―「知性」の進化の鍵を握るアストロサイト
    ・エピローグ 「こころのはたらき」を解き明かす鍵
     ―変化し続ける脳内環境が生み出すもの
    ・おわりに

  • 基本的な脳の働きから、筆者の研究分野についての話まで。基礎分野の内容が多かったのは、普段接しないのでありがたかったです。
    脳の中で具体的な働きにはまだ遠いという率直な印象を持ちましたが、治験を着実に積み重ねているのが伝わってきました。

  • 脳の研究史を俯瞰できる一冊。

  • 今までの脳の認識をさらに進歩させてくれる本。

    学生時代に勉強した本では「ニューロン同士は電話線的なやり取りをしています!」とあったが、そこからどうして意識とかが生まれるのかな?と言う疑問の答えは得られなかった。

    この本で意識の正体や機能原理はわかりませんが、脳(アストロサイト、グリア細胞、細胞の隙間)にはそんな機能があったんですか!って事が色々書かれており、それらの機能の相互作用として意識が生まれるのカモ!となればまぁ、あり得なくはないのかな。程度には思える。

    脳をもっと知りたいから、脳科学はまだまだ発展途上だから長生きしなきゃ。

  • 脳についての基礎知識を学ぶために読む。わかりやすい。特にニューロン以外のところに光を当てている点が新しい。

  • - 科学的、丁寧に書かれた本。
    - 「脳のはたらきそのもの」だと思ってきたニューロンのはたらきを司る、「別の脳のはたらき」があったということを教えてくれる。
    - 実用を追い求めるというより、新しい事を知る目的で読む本かな。

  • 途中まで。次の本できてしまった。旅行の後でまた。

  • 人生を生きるということは「自己を知ること」であるかも知れない。自分を知ることに於いて不可欠な様相は生き物であるヒトを知ること、その根源には脳を知ることが一つの根幹であるのだろうと思う。(ひどく難しい部分だけど)
    この本では、我々が脳と言えばニューロンだと焼き付けられてきた思いを変更余儀なくする内容となっている。脳の細胞外スペース、脳脊髄液、細胞間室液、細胞外電場、アストロサイトなどを知ることが出来た。
    脳の研究はまだまだ先は長いのだけど、分かってきたこともたくさんある。少しだけ表面的だけになるけど、しかしながら知らないと人生を間違えるかも知れない...

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著者プロフィール

毛内 拡(もうない・ひろむ):お茶の水女子大学基幹研究院自然科学系助教。1984年、北海道函館市生まれ。2008年、東京薬科大学生命科学部卒業。2013年、東京工業大学大学院総合理工学研究科 博士課程修了。博士(理学)。日本学術振興会特別研究員、理化学研究所脳科学総合研究センター研究員を経て、2018年よりお茶の水女子大学基幹研究院自然科学系助教。生体組織機能学研究室を主宰。脳をこよなく愛する有志が集まり脳に関する本を輪読する会「いんすぴ!ゼミ」代表。「脳が生きているとはどういうことか」をスローガンに、マウスの脳活動にヒントを得て、基礎研究と医学研究の橋渡しを担う研究を目指している。著書:『「気の持ちよう」の脳科学』(ちくまプリマ―新書)、『脳を司る「脳」――最新研究で見えてきた、驚くべき脳の働き』(講談社ブルーバックス)で講談社科学出版賞受賞、『すべては脳で実現している。』(総合法令出版)、『面白くて眠れなくなる脳科学』(PHP研究所)、分担執筆に『ここまでわかった!脳とこころ』(日本評論社)などがある。

「2024年 『「頭がいい」とはどういうことか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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