教室が、ひとりになるまで (角川文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • 前半はなんで?どうやって?て謎が面白かったけど
    後半、犯人当てからの動機のとこで、ん?なんかやり取りがすごいな、、、って思いちょっと動機にいまいち共感できず、尻すぼみ。
    途中まで面白かったんだけどなぁ。

    • マメムさん
      初コメです。
      私も似た印象を受けました(^_^;)
      『俺ではない炎上』でお口直しして下さいませ♪
      初コメです。
      私も似た印象を受けました(^_^;)
      『俺ではない炎上』でお口直しして下さいませ♪
      2023/08/11
  • 俺ではない炎上、六人の嘘つきな大学生に続き、著者の作品は三作目となる「教室が、ひとりになるまで」今回は電子書籍で購入。
    ある学校の2クラスで起きる連続自殺。首吊り自殺に飛び降り自殺、目撃者もいる状況の中、それぞれの自殺現場に共通されて残される「私は教室で大きな声を出しすぎました。調律される必要があります」と書かれた遺書。これは果たして本当に自殺なのか?この謎を解き明かすため、この学校に代々伝わるある特殊能力を授けられた生徒が立ち上がる…とまぁこんな感じのあらすじ。
    特殊能力を使った殺人となると、テイストとしてはドラマのSPECあたりがイメージしやすいだろうか。殺人を起こす側もそれを解決する側も特殊能力を持っているという点でも共通している。
    そのトリックだけではなく、この時代の高校生が抱くそれぞれの葛藤的な部分も描かれていてそこもまた面白い。高校生だけでなく大人でも共感できる部分は多くそういった側面でも面白い作品と言えるだろう。
    「この世界、近くに人がいるのは叫びだしたくなるくらい煩わしくて、でもー」
    「一人でいるのは耐えられないくらいさみしい」
    すごくわかりますね。基本一人にしてほしい、でもずっと一人で生きるほどの覚悟はないし強くもない。でもやっぱり一人にしてほしい…私もいつもそんな感じで毎日を過ごしています。
    著者の作品は起きる事件、出来事のトリックもさることながら、こうした微妙な心情描写が私には共感できる部分も多く非常に面白い。
    今後も著者の他の作品をいろいろと読んでいきたいと思う。

  • 六人の嘘つきな大学生でさらに有名になった浅倉秋成さんの代表作とも言える作品です。この本は、あまり本を読まない人でも読みやすく、最高の深夜本です。

  • Kindle Unlimitedで読了。

    途中から特殊能力系かぁ〜、なんだ。と思ったけれど、楽しめて読めた。

    トリックとかは特殊能力なので、その能力をどのように使って人を殺めたかがポイントになっている。
    そのトリックを暴く部分も、ちょっとややこしかったけれど、色々と考えてあるなと。
    読み終わったから『フラッガーの方程式』の人か!と気付いて、なるほどと、こういう展開というか設定を、考え付くもの分かるなと。

    問題は動機。
    これは、本当に良くわかる。
    しかし、それで人を殺めていい理由になんかはならない。優里の意見も分かるけれども、八重樫たちの言う事も分かる。
    僕は「中の下」くらいの位置に属して、それなりに上手くやっていたようにも思うけれど、充実なんかしてなくて「上」の人達とも関わりがあったけれど、そこに属する程ではない。
    もし、もっとそこのコミュニティにいたら今の人生も変わっていたのかな?とも思う。

    みんなで何か!という人達に合わせたく無くて、ひとりを選ぶために、みんなを嫌う。鬱陶しいと思う。
    しかしでは、じゃあなぜひとりで居させてというわがままだけを聞いて、みんなで何か!というわがままを聞き入れないのか。
    それはそれでおかしいことかもなと、思えた。

    この数年を乗り越えればと垣内は言うけれど、社会に出たってそれほど変わらない。
    ひとりでも生きられるけれど、それだと生きる事しか出来ない。のような言葉を言ったのは誰だったか。
    心を許せる誰かがいればきっと変わるのだろうな。

  • 学園ミステリー。
    そして、「特殊設定ミステリー」という分類もあるんだってことを解説で知りました。

    とある高校。クラスを超えて仲の良いA組とB組。けれど、その2クラスの中から三人の自殺者がでてしまった。

    幼馴染で同じクラスの美月の謎めいた言葉もあり、これは自殺なのではなく、殺人なのではないかと考えた主人公・垣内が真相を突き止めようと捜査・推理する。

    普通のミステリーとは違うのは、主人公が特殊能力を持っていること。そして、殺人を行っている人物も特殊能力を持っていると思われること。

    犯人と主人公(たち)の頭脳戦が始まる!

    って感じのストーリー。ここだけ読むと、最近のラノベやアニメでありがちな、特殊能力バトルみたいな、なんでもありの展開っぽく聞こえるけれど、この小説での「特殊能力」というのは、バトルをするとか、そういう能力ではなく、そんなに突拍子もない展開にはならない。

    基本的には頭脳戦。相手の出方を考えながら推理と調査を進めていく。少しずつばら撒かれている伏線から、主人公と一緒に推理していく感じが面白かった。


    主人公の周りの生徒たちの心情も描かれていて、クラスの中の見えない権力構造なども描かれていて、いろいろ考えさせてくれる物語でした。


    この作者さんの作品、もっと読んでみよう。

  • 伏線の狙撃手、浅倉秋成さんのミステリー。「私は教室で大きな声を出しすぎました。調律される必要があります」という同じ文言の遺書をのこし、3人の生徒が自殺した。なぜ自殺は起きたのか?本当に自殺だったのか?垣内は真相を探る。終盤のシーンが良い!

  • 先が気になって読み進めたけど、あの落ちならもう少し人間関係の掘り下げが欲しかった。特に美月さんと主人公の関係性。彼女だけがOKである説得力が弱くて、モヤッとした。

  • あらすじ読んでも特殊設定ミステリーだとは気付かずに読みました……笑

    私も犯人サイドの人間なので、序盤からずっと「うわぁぁ、こんなクラス絶対にいや。絶対にいや(大事なことだから二回)」状態で、のり子さんの話から「うん、やっぱりそういうテーマの話だよねぇ」と納得。
    ラストの落とし方にも納得。結局人ってひとりでは生きられないんだよね、強く生きようぜ、こちら側の同士たち……。

  • 本当に最後までわからなかった。たしかに高校生ってこんなんだったよなーって思った。超能力系で面白い!

  • 「6人の嘘つきな大学生」が非常に刺さり、高い期待値の中で読んだが、本書もかなり面白かった。個人的には4.5/5点。特に良いと感じたポイントは2点。1つ目は、お互いの能力の探り合いのワクワク感やスピード感にあふれるで中盤までの展開。また、主人公の能力が読んでいると直に伝わってきて、ハラハラする。
    2つ目は、帯にもあるように最後に一定のどんでん返しも味わえた。
    -0.5点の要素としては、最後の種明かしの部分が視覚的にイメージしづらく、スピード感も失われたように感じてしまったこと。また、この作品のメインテーマは「みんなで仲良くいることが素晴らしいという吐き気のするような同調圧力の中でどう生きるか」にあるが、それ自体が、個人的にはあまり刺さるものではなかった。
    とはいえ、全体を通じて限りなく5に近いものだったので、読んでよかった。

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著者プロフィール

1989年生まれ、小説家。関東在住。第十三回講談社BOX新人賞Powersを『ノワール・レヴナント』で受賞しデビュー。『教室が、ひとりになるまで』で推理作家協会賞の長編部門と本格ミステリ大賞の候補作に選出。その他の著書に『フラッガーの方程式』『失恋覚悟のラウンドアバウト』『六人の嘘つきな大学生』など。

「2023年 『六人の嘘つきな大学生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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