累々 (集英社文芸単行本) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • それぞれが別々の恋愛小説と思いきや、一人の小夜という女性の恋愛遍歴。
    一人の女性でこんなにもいくつもの顔があるかな?とも思ったけど、主観はその編によって、石川君だったり、三田さんだったり、葉さんだったらするからか?まるで別人のような印象を受けた。
    好きな編は「 ちぃ」先輩を想う気持ちがホント切ない…。
    「ユイ」のラストの三田さんとのシーン、なんか良かった。

    好きなフレーズを見つけた。
    「燃えるように色付いていた木々の葉は、燃え落ちたように姿を消した。地面に落ちた葉っぱは燃えかすのようになり、冬の刺すような風がそれらをどこかへ運んでいく。

  • 歪な恋愛感情と救われない気持ち、見え隠れする狂気に引き込まれずにはいられない。
    文字通り、累々とした短編集。

  • 最初は様々な女の子の恋愛をえがいていくものだと思っていたが、全て同一人物だと知った瞬間読む手が止まらなかった。物語の構成が読みやすく面白い。小夜の過去を知らない旦那が結婚式での小夜を5年間何度も見ているというところがなぜか怖かった。
    アイドルの可愛い女の子が書いた作品とは思えない。

  • はじめの辺ではもうちょっと毒がほしいなぁと思っていたら後々いい感じに毒が回ってきてぐいぐい引き込まれた。主人公のイメージを著者に重ねて読んでしまった。おもしろかった。

  • 作家デビューの「カモフラージュ」も衝撃的な短編集でしたが、

    今回の本も仕掛けが中々面白い!



    SKE48の頃からのファンで、

    ファンクラブにも入会してるほどなのですが、

    女優の才能ばかりか文才も優れている多彩な女性です。

    列車オタクでも知られています。



    デビュー作の「カモフラージュ」から、

    その文章の綴り方はすでに作家そのもの。

    私の好きな描き方です。



    女性作家特有のものなのかも知れませんが、

    人の心の中の表現が上手いなぁと思います。

    乃南アサ、小野不由美、宮部みゆきなど、

    女性作家は実に上手い。

    松井玲奈ちゃんも、その仲間入りしそうな上手さです。



    で、早く読みたいという思いがありながら、

    他の本も読んでいたので発売から20日も過ぎてしまった。^^;



    今回の「累々」もすっと胸に落ちてくる、

    変にこねくり回さない素直な文章。

    だけどすてきな表現。

    前回と同じく短編集なのですが、

    今回は連作ものとなっていて、準長編的な要素があります。

    長編作品への足がかりとなるような作品でした。



    ちょっとネタバレ?になりますが、

    3番目あたりで(あれ?名前が違うけど、もしかして同じ人?)

    ってなります。



    少しだけ物足りなかったのは、

    最後の「5 小夜」で、もっと弾けても良かったかな。

    女性の多面性を垣間見て、女性不信になりそうな、

    男性にはちょっと怖さも感じる物語です。



    女優としても忙しいので、

    次回作と言っても大変でしょうが、

    こんな素晴らしい文章を書けるんですから、

    長編作を待ち望んでしまうのは、ファンとして仕方のないことですよね。

  • もし自分が学生だったら、きっと5つ星だったと思う。糸を紡ぐような大人の人間関係を物語を通して体験させてくれるから。
    30代になった今は、その危なっかしさが懐かしい。

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著者プロフィール

役者。1991年7月27日生まれ。愛知県豊橋市出身。著書に小説『カモフラージュ』『累々』(ともに集英社)がある。


「2021年 『ひみつのたべもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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