「お金の流れ」がたった1つの図法でぜんぶわかる 会計の地図 [Kindle]

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    1.本を読む理由
     →会計の勉強はしてるし、業務上で頻繁にかかわっている割にいまいちよくわからない。BSとか全然わからない。貸方/借方って何?(笑)。
      この本の作者はビジネスモデル図鑑の人なので、ビジュアルで分かりやすく説明してくれそう。
    2.読むことでもたらされるメリット
     →はじめにを読んだけど、確かにPLとBSとCF(特にPLとBS)って密接につながてるんだよな。そこがいまいちピンときていないかも。今回の会計の地図はPLとBSを一体化したものらしいので、PL→BSの流れをうまくとらえられそう。
    3.読んだ後、どんな姿になっていたいか
     →数字とかお金とか「俺には向いてないのに任せないで~。BSとか拒絶反応~。」って思いながらやってるけど、会計の知識って一生役に立つだろうし、苦手意識は払しょくしたいな。


    【パート1 自分は、会社にどう貢献しているか?】

    9つの流れで説明する「会社のお金」
    ①様々な要素が絡む売上N215
    ・売り上げは分解すれば具体的なKPI・アクションプランに落とし込めるN215
     売上はまず「客単価」×「客数」に分解できる。
     ただ売上を上げることを目指すのではなく、分解すれば、客単を上げるために「商品単価を上げる」or「顧客の購入量を上げる」客数を増やすために「認知度を上げる」or「リピートしてもらう」という具体的なKPIが出来上がる。
     「客数」=「通行者数」×「入店率」×「購入率」にさらに分けられる。「通行者数」はビジネス的には「商圏」と言われ、立地や宅配オンライン販売などで変えられる。「入店率」はお店の前にポップを出したり、季節性の商品のアピールをすることで増やせる。「購入率」は商品の魅力以外にも、「導線がスムーズか」や「清掃が行き届いているか」も関わってくる。
     客単価も「平均単価」と「買取点数」に分けられる。陳列の工夫や、レジ横についつい手に取ってしまうような商品を置くことも効果的。

    ②どんな資産を価値としているのかわかる費用N264
    ・費用は固定費と変動費に分解N263
     「費用」=「変動費(売上によって変わる)」+「固定費(売上によって変わらない)」に分けられる。
     大きな設備を必要とするビジネスは、固定費が大きい。逆に投資が少ないビジネスは、変動費が大きくなる場合が多い。
     固定費として残すのは、その企業の独自性や優位性の源泉となるものに厳選する。
     ←人件費を雇うことで固定費とするか、繁忙期のみの業務委託都市変動費に入れるかで、人材戦略に差がある。固定費として残すのは、会社が正社員を競争の源泉として考えていることの現れ。

    ・航空会社N288
     固定費が半分になることも
     ←航空機と人件費が多いため
     変動費は燃料費と航空使用料がある
    ←これは売り上げに応じて変わる費用なのか否かだけでも見ておくと言い

    ③リスク/リターンが分かる利益N309
    ・損益分岐点から利益が出やすいかわかる
    ・変動費が大きいビジネスは早く利益が出る
     ↓↑
     売上に応じて費用がかかるため、商品やサービスを売るたびに得られる利益は小さい
     ↓
     たくさん売ることで利益を大きくする必要がある
     ローリスクローリターンなビジネス
    ・固定費が大きいビジネスは固定費回収まで利益が出ない
     ↓↑
     変動費が少なく、商品やサービスを売るたびに得られる利益は大きい
     損益分岐点を超えれば、利益を大きく増やせる
     ハイリスクハイリターンなビジネス

    ④PL N353
    ・売上から費用を引いて利益を計算する書類
    ・費用は「売上原価(仕入れ先に払う)」「販管費(社員、取引先に払う)」「営業外損益(支払利息など、銀行等に払う)」「特別損益(その他)」「法人税(国に払う)」の5つに分かれる

    ・2013年の任天堂の決算N413
     営業利益▲364億円に対し、経常は104億円
     ←営業外損益にカギ。為替により400億円近くプラス

    ⑤集めたお金の使い道が分かる資産N435
    ・会社が集めたお金を何に変えたのかがわかる
    ・「現金をある程度持っておかないと、緊急事態や不測の事態に対応できない」という気持ち
     VS
     「現金を持っているだけでは何の価値にもならないから、他の資産にして付加価値を生まねば」
     という気持ちが拮抗するのが常
     ↓
     「どれだけ現金にしやすいか」の観点で、流動資産と固定資産に分ける
    ・流動資産:1年以内に現金化できる(例:商品や売掛金)
    ・固定資産:現金化に1年より長くかかる(例:店舗や工場)
    ←会社が倒産しない程度に現金を使い
     ↓
     適切な資産を経て
     ↓
     顧客に価値を届け
     ↓
     売上にする
     という流れが、会社の運営の大まかな流れ
     資産は多く抱えればいいというわけではない。在庫を抱えすぎて売れなくなることもある。適切な量の商品を作り、在庫を抱えすぎないことも重要。
     →健康的。BSが企業の健康状態を表すとは言ったものだ

    ・資産を考えると、「ビジネスによって何を資産とするか」が変わり、面白い
     動物園ではライオンが固定資産
     →ペットショップなら流動資産かな
     航空会社では、航空機が固定資産

    ・オリエンタルランドの資産N482
     固定資産の割合が大きい
     固定資産は「有形固定資産」「無形固定資産」「投資その他の資産」の3つに分けられ、特に有形固定資産が多い
     有形固定資産では「建物および構築物(ホテルやパーク内の建物)」「機械装置及び運搬具(アトラクションやバス)」「土地」「建設仮勘定(建設中のアトラクション)」「その他」の5つに分解
     ↓
     企業が何にお金を使っているかわかる。
     さらに消費者として触れるビジネスの中身と会計上の数字が繋がって見える。
     →この感覚大事ね。

    (補足)減価償却
     長く使える資産を、使える年数に応じて費用にしていく方法
     売上に対して、本来どれだけ費用が掛かっているのかを分かりやすくするため

    ⑥会社の挑戦スタンスが分かる負債N519
    ・有利子負債:いわゆる借金
    ・無利子負債:商品を作るための代金を後払いする「売掛金」など
     ←なぜ銀行からお金を借りるのか
     ←まとまったお金を使って、さらに事業を成長させる目的で投資を行うため。必ずしも悪いものではない。

    ・携帯3社の負債
     ドコモの有利子負債は極端に少なく、ソフトバンクは圧倒的に多い
     ソフトバンクは積極的にお金を借りて資産に投資し、事業を成長させるスタイル。ヤフーやLINEなど、企業買収を通じ多角的に成長した歴史。
     ドコモはもともと電電公社と呼ばれる国営特殊法人からスタートしているため、安定した経営を求められる企業文化。
    ←負債の中身を見ることで、「会社の性格」のようなものが透けて見える

    (補足)運転資金
     運転資金=売掛金+在庫ー買掛金
     買掛金と在庫は一続きの流動資産。商品を作り、在庫から販売されて買掛金になるまで15日、買掛金が実際に入金されるまで60日かかるとすると、商品を作ってから75日もお金が入らないことになる。
     ↓↑
     買掛金は、売掛金の反対で、将来支払わなければならないお金
     30日後に支払いとすると、75日目に入金されるまで45日のタイムラグが生まれる。
     ↓
     このタイムラグを埋める分のお金が運転資金
    ・実は運転資金を確保するために銀行からお金を借りることが多い。企業の短期借入金はほとんどそう。
     →そうなんだ!
      農家が苗を買うために農金に借金するのもそうか

    ⑦倒産危険性が分かる純資産N591
     純資産=会社が純粋に自分たちで持つお金の総額
     「毎年たまっていく利益」と「株主が出す資本金」に分けられる
     純資産を増やすのは、株主からの期待に応えるため。本来純資産は株主のものなので、利益余剰金は株主に配分するべきという考え方もある。
     ↓↑
     その会社が純資産の一部を事業に投資することで更なるリターンが増えることを期待しているから、配当せずに利益をためる選択肢ができる。

    ・純資産を見ると、会社の安全性が分かる
     負債頼らずに資金を調達できているかわかるから
     ←自己資本率(資産に占める純資産の割合)

    (補足)石橋を叩いて渡る無借金経営N618
     有利子負債がない状態
     ↓↑
     いい会社とは限らない。
     株主は自分たちの利益を増やしてくれると思っているから投資しているのであって、株主のリターンを増やすためにリスクをとることを怠っているとも捉えられてしまう。
    ←安全に会社を経営することにとらわれ、成長の機会を逃していないか問われている。

    ⑧経営者が見るBS N641
     資産、負債、純資産の3つを一覧できる書類
     どのようにお金を調達し、どう使ったのかの結果を見られる
     経営者が意思決定に使う書類

    ・流動負債が流動資産より大きい(この比率を流動比率という)と、支払いが滞ってしまう可能性が高い
    ・資産がどれだけ利益に繋がっているか(これは総資産利益率:ROAという)も大切
    ←業界特有の値がある。また、同業他社と比べることでスタンスの違いも見えてくる。

    ・小売りと金融を組み合わせている丸井グループN667
     流動資産の中に営業債権(取引先からまだ回収していない債権)という項目があり、その割合が大きい
     ここでの営業債権には「割賦売掛金(リボ払いや分割払い)」と「営業貸付金(キャッシング、つまり現金の貸し出し)」の2つがある。
     ←丸井は金融業もやっていて、営業債権からの利子を収益源にしているユニークなビジネスモデル

     負債を見ると、有利子負債が大きい。これは営業債権によってすぐに現金が入ってこないため、運転資金として借りている。
     ←有利子負債の額は営業債権の9割を目安にしている。
     →返せる範囲で借りるってことね

    ←もともと丸井は高価な家具を販売するビジネスから始まったため、ローンを組むなど、金融と小売りを組み合わせる側面が当時からあった。
     →もともとどんなビジネスをやっていたのかも、今のビジネスモデルに大きくかかわってくるよな。
     ↓
    商業施設のOIOIで集客し、エポスカードの会員を増やしつつ、エポスカードで安定的な収益を得ながら、さらに魅力的な店舗を作って集客するという好循環を生み出している。

    ⑨リスク絵の備えが分かる現金N691
     資産に変えたり、負債を返したり、いろんな使い道
     ↓↑
     必ずしも現金が多ければいいわけではない。
     せっかく現金があるのに投資しないで遊ばせておくのは機会損失でもある。株主の期待に反している。
     →俺だってNISAやっているしな

    ・現金を持つ目安
     事業の不確実性=不測の事態にどれだけ備える必要があるのか、による。

    ・任天堂の巨額の貯金N715
     コンシューマーゲーム業界は現金の割合が高い業界
     任天堂も資産のうちの7割が流動資産。数千億円の現金(資産の約半分)を持っている
     ←満を持して販売した新作ゲーム機が売れないと、業績が著しく悪化するから
     ←トレンドに大きく影響される企業の特徴
    ←現金をどれだけ備えとして持っておくかのバランス感覚が重要
     →バランス感覚ねぇ。株式投資はリスク許容度を見たり、最低限残しておく金の計算もするから、その感覚かな。

    ⑩会社の方針・意思が分かるCF N742
     現金の使い道を、営業(本業で稼げているか)・投資(しっかり投資をしているか)・財務(負債を返しているのか)の3つに分ける
    ・会社の活動方針が見えてくる
     例えば、積極的に投資(投資CFはー)する代わりに財務活動で銀行にお金を借りている(財務CFは+)場合「今が責め時だともって事業を拡大している」と読み取れる。

    ・携帯各社のCF N767
     3社とも営業CFは+:本業で稼げている
     投資CFと財務CFはー:投資と負債の返済をしている
     ドコモは投資が少なめで財務が大きくマイナス
     ←投資
     ↓↑
     ソフトバンクは投資CFが大きくマイナス、財務が少しだけマイナス
     ←ソフトバンクは有利子負債が多いので、負債で調達したお金を投資に回している(この年はZOZOを子会社化した)。
      営業活動で得た現金と借入金を元手に、他社を買収し、成長していく姿勢が読み取れる。
     &
     NTTドコモは財務が大きくマイナス
     ←投資CFを見るとマイナスで大きいのは資産の取得
     ↓
     営業活動で得た利益を、本業に必要な資産に投資している
     ←その大きな支出を補う要因として、2005年から資本提携を行っていた三井住友カード株式会社との資本関係を解消。三井住友フィナンシャルグループによる三井住友カード株式会社の全株式買い取りが2019年4月1日に実施。
     ←その株式譲渡分の収入を得て、マイナスが小さくなった。
     ↓
     NTTドコモはソフトバンクと対極的に、営業CFで得た利益を投資CFに投じることで、本業をしっかり伸ばしていく。
     一方で、財務活動を通じて、借金を返済したり、財務の健全化を進めている姿勢が見て取れる。

    ⑪社会とのコミュニケーションツール 財務3表N792
    ・BS
     ←ある一時点の財産の状態を表す
      右半分がお金の出どころ、左半分がお金の使い道
     ↓
     現金と利益という2つの大事な要素
     ←企業は基本的に集めたお金を試算に変えて、顧客に価値を提供
      その対価としてお金をもらい、稼いだ利益は純資産に毎年たまっていく

    ・PLとCF
     ←BSの利益と現金がどう動いたのかを表す
     →分かりやすい言い方

    ・財務3表は会社のステークホルダーに対して、会社の財務の状況を説明するためにある
     ←会社に出資してくれて人に、「皆さんが投票してくれたお金をこう使ってこうなりました」と説明する必要があり、その説明をする資料が財務3表
      BSを見て「資金をどう運用したのか」、PLをみて「どのように利益を生み出しているのか」、CFを見て「その会社にどれだけ体力があるのか」を判断する。
     ↓
     会社の全体像を把握しつつ、会社とのより良い関係を築き信頼を得るためにどうしたらいいかを考えることは、経営者だけでなく社員ひとりひとりが考えるべきこと。

    ・財務3表はお見通し。ワールドコムの不正会計N834
     米国の大手通信会社、ワールドコムが2000年前後に起こした有名な不正会計事件
     =90億ドル以上のお金を不正に操作(特に費用を下げた)し、利益を多く見せようとした
     ←不正に操作したお金の8割は回線使用料(普段から費用の半分を占めるほど大きなもの)。本来費用に計上するべき他社からの通信インフラによるリースの一部を、固定資産に計上。つまり、計上される費用を減らして、利益を増やした。
     ←1999年から2000年にかけて活発にインフラ設備とネットワーク設備の長期リースを行ったことで、過剰設備が問題となり、未使用のネットワーク設備費用を「将来収益を生み出すために設備を使用するまで、その設備費用を計上するべきではない」と、固定資産に計上した。
     ↓
     不正会計は財務3表のつながりを見ると隠し通せないもの。それだけ会計の仕組みは完成されている。

    【パート2 社会の視点から見る会計】
     今、社会からどんなことが求められているかを知ることで、「自分がやろうとしている仕事の価値がどれだけ社会に受け入れられるのか」を考えられる

    ○企業価値とのれんN880
    ・株主と銀行にとっての価値を合わせたものが企業価値
    ↓↑
    ・顧客や取引先や地球環境など、それらすべての気持ちが「のれん」に行きつく
     反対に、会社が信用を無くすような行為をすれば、のれんはなくなり、結果企業価値も下がる

    ⑫時価総額N902
    =株価と株数をかけたもの

    ・人は、「本当はこの会社にもっと価値がある」と思うから、その会社の株式を買う
     その会社の評価が上がると、株は買われる。つまり、世の中の人の期待が集まっているということ。逆にその会社が不正をすると、会社の評価が下がり株が売られ、時価総額はすぐに下がる

    ○時価総額-簿価=のれんN918
     BS上の純資産の部分を時価総額に変える
     ←純資産はあくまでBSを作る時の価格(簿価)を示す
      時価総額はリアルタイムに価値が変わるもの。純資産を上回ることも、下回ることもある
     ↓
     純資産と時価総額の差がのれんと呼ばれる無形資産
     →なるほどね。簿価以上の価値がのれんという無形資産の正体ということか

    ○トヨタの時価総額を上回ったテスラ
     ←2019年の販売台数は約36万台(トヨタの4%弱)にもかかわらず、時価総額でトヨタを上回った
     ↑
     電気自動車の市場とイーロン・マスクという著名な連続起業家への期待によるもの
     ↓
     テスラは利益の半分を温室効果ガスの排出権の販売で稼いでいる
     ←テスラは電気自動車メーカーであり、そもそも電気自動車が温室効果ガス排出の綿で従来の自動車メーカーより優位。罰則を受けることなく新たな収益源を生み出せている。
     ↓
     世界共通の課題である、「環境問題」にうまく適用し、かつ利益を生み出している点も、株主にとっての期待の材料になっているのかもしれない。
    ↓↑
    ・時価総額は、あくまでも株を買う投資家の期待値を受けたものであり、必ずしもその会社の価値を表しているわけではない。
    →まぁね。株買って変動あるしね。でも無形資産で安定した価値を発揮していきたいよね。

    ⑬本作のメイン!のれん!!N952
    ・もともと、暖簾には会社のブランドやロゴが描かれており、会社を象徴するもの
     ←会社には資産には表せない、その会社の評価に含まれるものもある
      優れた経営者がいたり、長年消費者に愛されるブランドであったり、目に見えない資産がのれんと呼ばれ、企業の価値を作る。

    ・のれんは英語でGoodwill(日本語で信用)と訳される
     →この言い方の方が分かりやすいかも

    ・コカ・コーラ のれんはクリエイティブな活動から生まれるN964
     ←ブランドそのものは通常BSに記載されない
     ↓↑
     コカ・コーラが知られていること自体が信用を生み、コカ・コーラだから買う人が世界中にいる。これは、会社の付加価値そのもの。
     ↓
     のれんに当てはまるような、目に見えない価値を生み出していくことこそが、会社を永く存続させ、社会にインパクトを生むために重要
     →マジこれだよね。ここを大事にするのがこれからの経済だよね
     ↓
     のれんを生み出すためには、クリエイティブな発想が必要
     ←ブランドやアイデアや戦略など、人の工夫が求められることこそ、のれんを生み出す源泉になる
     ↓
     会社の経営者ではなくとも、アイデアや創意工夫次第で生み出せる
     企業価値の最も重要なところにこそ、クリエイターの力が求められている

    ・買収によって自己創設ののれんが取得のれんに顕在化N990
     買収して会社がひとつになるということは、両社のBSが合体するイメージに近い
     ↓
     のれんには「自己創設のれん(客観的な資料であるBSには載せられない)」と「取得のれん(買収されることを通じて表舞台に出てくる)」の2種類がある
     ←取得のれんがBSに表れるのは、買収の際に「のれんを含めていくらで会社を買うか」を双方合意の上で決めるから
     ←買収価格はその会社の純資産以上の価値(のれん)を認めて買収する為
     ↓
     買収の過程で時価総額が買収額に置き換わっており、BSに反映される(N988の図)

    ⑭PBR(株価純資産倍率)N1015
     =時価総額/純資産
      純資産に対して、どれだけの時価総額があるかを表す
     ←のれんがどれだけあるかを間接的に表しているという意味で、会社の価値を図る最も重要な指標ともいわれている
     →確かに
     ↓
     PBRは「PER」と「ROE」に分解できる
     ROE=時価総額/利益(純資産からどれだけ利益を出しているか。短期的な視点で会社の価値を図る)
     PER=利益/純資産(将来の成長性とリスクはどうか。長期的な視点で会社の価値を図る)
     &
     PBRが1未満の時、その会社は「本来の価値よりも株価が低い割安な状態」と言われることがある
     一方で、それが妥当な評価の場合もある

    ・PBRを上げるためのエーザイの調査N1048
     PBRは抽象度が高く、一社員がPBRにいい影響を及ぼすために行動することは難しい
     ↓↑
     しかし、PBRも分解でき、分解することで要因と施策が具体的になる
     →分解って大事だよね。この本でよく分かった。

     ROEはPBRを上げるための概念
     ←利益を上げることで改善できる
     &
     PERは将来への期待を高める必要がある
     ←長期的な施策がより重要

     PBRは長期的な施策が利益に直結するデータがなく、具体的に推進されにくい状況だった
     ↓↑
     大手製薬会社のエーザイが独自調査
     ↓
     投資を1割増やすと5年後のPBRが13.8%向上
     研究開発投資を1割増やすと10年超でPERが8.2%拡大
     女性管理職比率が1割改善すると7年後のPBRが2.4%上がる
     育児時短勤務制度利用者を1割増やすと9年後のPBRが3.3%向上
     →これ面白いねぇ。社会にとっていい仕組みが、間違いなく企業価値の向上に貢献していることが分かる。
     ↓
     本来は財務諸表には載らないけれど、社会全体にとってはいい影響をもたらすと言われることが、会社の価値に直結するかわかるようになるかもしれない
     会社が社会にいいことを推進しやすい環境になる様、こうした取り組みを応援したい
     →自薦活動やボランティアにしか思えないことも、将来的には企業価値の向上に繋がると分かっていれば、みんな進んでやるようになるかもね

    ⑮ROE(=時価総額/利益)N1070
     ←純資産に対して、どれだけ利益を稼げたのかを表す
     ↑
     2014年に経産省から出た伊藤レポートをきっかけに国内で注目されるように
     ←なぜ日本企業が国際的に競争力が弱いのかを分析したもの
     ↓
     企業は最低限ROE8%以上を目指すことを提言している

     ROEは三つに分解できる
     ←ROE(利益/純資産)
      =利益/売上 × 売上/資産 × 資産/純資産
     ←パート1で学んだ用語(財務3表上のデータ)でできている指標
     ↓
     利益/売上=売上高当期純利益率(売上に対してどれだけ利益を出せているか)=収益性
     売上/資産=純資産回転率(資産をどれだけ売り上げに変えられているか)=効率性
     資産/純資産=財務レバレッジ(純資産でどれだけ資産を持てているか)=安全性
     ↓
     ソフトバンクは、ROEが非常に高い企業として有名
     ←積極的に借金してリスクをとることで、財務レバレッジを押し上げているから

    ・携帯各社のROEと、難しいけど正確なRIOC N1096
     ソフトバンクは47.3%、NTTドコモは11.3%、KDDIは14.6%。ソフトバンクが圧倒的に高い。
     ←ソフトバンクは財務レバレッジがとても高い(負債が圧倒的に高い)
     ↓
     ROEという指標は負債を増やすことで意図的に操作が可能
     ↓↑
     ROICという別の指標が注目されている
     ROIC=利益/(有利子負債+自己資本)
     ←企業が事業活動のために調達した資金を使って、どれだけ利益を生み出したかを示す指標。無利子負債は買掛金のように、事業をしていると自然に発生するものであるため、ここでは考慮していない
     ↑
     負債を増やして財務レバレッジを操作できないため、指標として有用(難しいけどね)

    【パート3 自分は会社に何ができるのか】

    ○ESG投資で長期的にのれんを増やすN1130
     ESG=環境・会社・ガバナンス(企業統治)のこと。「地球環境や人類が生きる社会を大事にしよう。それらを大事にできる体制を作ることができる会社い投資しよう」という考え方
     ↓
     GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がESG投資をしている
     ←年金という世代を跨ぐ超長期の投資を行っているため、長期的な利益を得る必要があるから。1社1社の株価の上下よりも、経済全体のリスクを下げる必要がある。
     ↓
     売上を過度に上げようと環境や社員に負荷をかければ、いずれは企業価値が下がる
     ↓↑
     ESGを気にしすぎて経済性が保てなくなれば会社が立ち行かなくなる
     ↓
     要はバランスが重要

    ・相反する経済性と社会性を繋げるには創造性が大事
     →創造性が無形資産を作る要素
     ↓
     BSに載らないブランド・信用・リソースといった資産は創意工夫や思いを込めた接客、会社の社会的スタンスのアピールや技術的な新規性が必要。これには創造性が求められる

    ○無形資産がこれからの価値観をつくるN1175
     世界的に無形資産への投資は増え続けており、世界時価総額ランキングの上位は、ほとんど無形資産の塊
     ←アメリカのS&P500を見ても、年々無形資産が評価され、価値の大転換が進んでいる
     ↓
     これからは経済合理性以上に創造性や社会性が求められる
     →Amazonもびっくりするぐらい屋根に太陽光載せていたしな

    ○日本企業の大半はPBR1以下だって?N1185
     2017年に再度発行された伊藤レポート2.0
     ←PBRを1以上にすることが大事だと言っている
     ↓
     日本企業は半分以上のPBRが1未満
     ←日本企業の大半が、本来持っている純資産よりも市場から評価されていないということ
     ↑
     大きな要因の1つは、のれんを生み出す力が不足しているから
     ↓↑
     PBRが低いということは、創造性を活かす余地がまだあるということ
     →本腰入れてやろうとしてないからできないってこともあるよな。今の会社もPLしか見てないもんな。価値観の転換が必要だから時間がかかるけどね。
     ↓
     目に見えない価値を作り出し、のれんの価値を生み出し、会社が社会に貢献できるかを考えていきたい

    ○創造性をもって時代を乗り切れN1199
     急な変化が迫られる現代こそ、創造性が鍵になる
     ↓
     ESGだけでなく、DXやSX(サステナビリティトランスフォーメーション)など、急激な時代の変化の波が来ている
     新たなビジネスモデルを模索している会社も多い
     ↓
     素早く試して、チャレンジして失敗して、素早く調整することを繰り返し、アジャイル(素早く、回転早く)に物事を進めなくてはいけない場面がある
     →素早く試して、調整する。時代の変化を乗りこなすにはこの姿勢が大事よね

    ○「#会計の地図」というハッシュタグをつけて登校してもらえたら、できる限り全部、見る。本は双方向なメディアじゃない。読者が本をどんな風に感じたか、著者が知る機会はほとんどない。だからSNSでシェアしてもらうことで、読者も著者も含めたみんなで、どうすれば会計が分かりやすくなるか、面白くなるかを一緒に考え、それを共有知にしていきたい。N1266
     →最後に本を書いた趣旨を丁寧に説明していて(簿記を勉強したり、用語を覚えろとは言わない。会社を見るレンズとして使ってほしい)、よかった。本は双方向のメディアじゃないから、SNSを使ってほしいよね。宣伝にもなるしね。

  • 会計について、
    自分及び他者のためにより分かりやすい書籍を求めて購読。

    結果
    →分かりやすい。
    会計の初学者は1冊目にこれを読むべきだ。

    詳細な科目ごとの処理や指標、分析は、
    この本を読んだ後でよい。

    やはり、まず物事の全体像を直感的に把握することが
    どの分野の理解においても大事だと思う。

  • 若く、かつ会計の専門家ではない人だからこそ書けた会計の入門書。従来の会計の考え方に縛られず「どうしたら伝わるか」を第一に考え、書いてくれているのが良くわかる。

    特に素晴らしいと感じたのは下記の3点。

    ・図解の専門家の名前に違わず、ノイズになりがちな細かい会計知識の説明を潔く捨てて、本質を理解できるように図解してくれているところ。
    会計について説明するとき悩ましいのが、細かく正確な知識を伝えようとすればするほど、用語や例外等の注釈が多くなってしまい、かえって分かりにくくなってしまうというジレンマだが、会計の専門家ならつい書き過ぎてしまうところを潔くとどめたバランスが素晴らしい。

    ・会計の地図という視点もある意味コロンブスの卵かもしれない。著者が会計の地図と呼んでいる概念自体は、簿記3級検定でも登場する残高試算表とそれほど変わらないものだが、それをきちんと図解して単純化することで、PLとBSを一緒に理解できる道具にしてしまった。

    ・また、最も素晴らしいと感じたのは「のれん」を最重要なコンセプトに持ってきたこと。通常の会計の教科書では、「のれん」は後ろの方に出てくる脇役だが、この本ではむしろ「のれん」を主役に据えている。
    ファイナンスの教科書であれば、PBRやのれんをメインに据えることは時々あるが、会計の入門書ではのれん自体説明しないことが多い。
    それにもかかわらず、敢えてのれんをメインに据えたのは、「決算書に姿を現さない価値(≒のれん)であるクリエイターの創造力こそが、会社にとって最も重要な価値である。」というメッセージを著者が伝えたかったからだと思う。

  • ■読んだ動機
    SNSで評判も良く、中身を見ても簡単そうだったので、会計の理解に少しでも足しになったらいいなという気持ちで手に取った

    ■感想
    単語は聞いたことあるけど、意味をはっきりとは知らない単語について知る機会になってよかった。

    ■以下気になったとこのまとめ

    ### 売上
    客単価 * 客数

    ### 費用
    変動費 + 固定費

    ### 利益
    売上 - 費用

    利益には5種類ある
    - 売上総利益
    - 売上 - 原価
    - 営業利益
    - 売上総利益 - 販管費
    - 経常利益
    - 営業利益 - 営業外損益
    - 税引き前当期純利益
    - 経常利益 - 特別損益
    - 当期純利益
    - 税引き前当期純利益 - 税金

    変動費が費用の主な場合は、利益を早く出すことができるが、売上に比例して費用も発生するのでローリスク・ローリターンになりやすい

    固定費が費用の主な場合は、利益を出しにくいが、固定費を上回る売上を出せたら利益は大きいハイリスク・ハイリターンになりやすい

    ## 損益計算書(PL: Profit And Loss)
    - 売上から費用を引いて利益を計算する書類
    - 何にどれだけの費用がかかったかを見るのに使う

    #### 費用の種類
    原価
    - 商品を作るのに係る値段

    販管費
    - 販売日および一般管理費
    - 商品を販売するための活動や、企業全体の管理活動に係る費用
    - 給与や研究開発費、広告宣伝費など

    営業外損益
    - 試針利息など

    特別損益
    - 災害によって発生した被害でかかった費用など
    - その年に特別にかかったお金(毎年かかるわけではない)

    ### 資産
    - 会社が集めたお金をどう使っているか、お金の使い道を示したもの

    流動資産
    - 現金に帰るのに時間がかからない(1年以内)

    固定資産
    - 1年以上現金化できない

    ### 負債
    - 会社が銀行から借りているお金や未払いのお金など返済の義務があるもの
    - 有利子資産、無利子資産がある
    - 有利子資産がゼロな会社を、武者金経営という
    - 他人資本とも呼ばれる

    ## 純資産
    - 溜まった利益をどう使うか、を考える株主のためのお金
    - 会社の資産に対する純資産を見れば、どれだけ負債に頼らずに資金を調達できているかがわかる
    - 自己資本とも呼ばれる

    資本金
    - 株主が出資した返済する必要のないお金

    利益余剰金
    - 毎年積み上がった当期純利益を累計したものが利益余剰金

    ## 賃借対照表(BS: Balance Sheet)
    - これまでの歴史が詰まった「会社の性格」がわかる書類
    - 資産・負債・純資産の3つを一覧できる。会社がお金をどう運用してきたかがわかる書類

    ### 現金
    - 現金はどの資産にも変換でき、負債を返すこともできる万能な資産
    - 現金が多いと安全性は高いが、投資が減る分顧客への価値提供は少なくなる
    - 現金が少なければ、新たな投資がしづらく負債青返せないなどのリスクもあるのでバランスは大事
    - 任天堂は現金の保有率が高い。トレンドに左右されたり、満を辞して販売したゲームが売れない場合に業績が著しく悪くなるから。ゲーム業界は現金保有率が高い

    ## キャッシュフロー計算書
    - 現金が1年の間にどれだけ変化したか?何に現金が使われていたかをまとめたもの

    ## 時価総額
    - 株の数 * 株価
    - 1株100円で1万枚あれば企業価値は100万円
    - より多くの人が株を欲しがるならば、株価は上がり、企業価値も上がる
    - 純資産と時価総額の差が「のれん」と呼ばれる無形の資産になる

    ### のれん
    - 信用やブランド力、ノウハウなど目に見えない資産
    - 時価総額(買われた株の総額) - 純資産(会社の純粋な資産)

    ## ROE(自己資本利益率)
    - 純資産(自己資本)を使ってどれだけ稼げたかを表す指標
    - ROE = 利益 / 純資産

  • 超良書。
    会計の基本の基本を学ぼうと思い読んだが、図解を通じて、当初の目的通り、会計の基本の基本のイメージがバッチリ捉えられた。

    会計の基本がわかるだけでなく、それを通じて伝えたかった終盤のメッセージ(創造性が大事)への持って行き方が、もう素晴らしすぎた。名著。

  • わかりやすい

  • 【22万円を産む方法】
    本をヒントに、そんな事を考えてみた。

    ①BS(貸借対照表)
    お金をどう「使う」か
    (例)50万円で車を買う

    ②PL(損益計算書)
    お金をどう「創る」か
    (例)車を月2万円で貸す

    ③CF(現金計算書)
    お金がどう「残る」か
    (例)3年後22万円残る
    (22=2×3×12-50)

    ---------------------------------------------------------------------------

    「お金に強くなりたい」
    そう思って読んだのに、"会計の本ではない"と記載が...。
    「え?!」
    と戸惑い、読み直したら「創造して社会貢献しよう」という著者の想いが伝わった。

    そう言えば、好きなYouTubeチャンネルも創造的。
    (緩い雰囲気,交流)

    なんか、私も社会貢献したくなる!

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著者プロフィール

ビジュアルシンクタンク「図解総研」代表理事。1987年生まれ。東京理科大学工学部建築学科卒業。千葉大学大学院工学研究科建築・都市科学専攻修士課程修了。面白法人カヤックでディレクターを務め、2014年株式会社そろそろ創業。「ビジネスモデル図解」で2019年度GOOD DESIGN AWARD受賞。2020年「共通言語の発明」をコンセプトに「図解総研」を設立。共同研究により「パーパスモデル」を考案。主な著書に『ビジネスモデル2.0図鑑』(KADOKAWA)、『会計の地図』(ダイヤモンド社)など。

「2022年 『パーパスモデル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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