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感想・レビュー・書評
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パルシィで第9巻まで読了。継続中。
第一巻のみ登録。
今期アニメになって放映中。そのおかげでパルシィでまとめて読めた。
「恋が浜ハイランド」という新興住宅地で一緒に育った男の子4人と女子1人の幼馴染たちの、恋と友情のお話。TVでコミックスのCMを見ていた時から
「ああ、良いタイトルだな。印象的だな。」
と思っていたのだが、予想通り、とてもいい。王道の心理劇といった感じ。
主人公の水帆は、漫画家志望。一生懸命な女の子だが、自分の日常はつまらないと思っている。母が亡くなったあと、父は可愛がってくれているが、水帆の誕生日も忘れているし、憧れの先輩には振られてしまう。4人のイケメン幼馴染たちは、何かと水帆を気にかけてくれるが、その中の1人、輝月が「水帆の彼氏になれますように」と意味深な宣言をした。子犬がじゃれあうように、恋や愛を挟まず、みんなで笑って過ごしたい水帆は、その告白を否定するが、4人の心は、既に子供時代からは動き始めていて、それぞれの思いを秘めている。水帆も、一度は否定したものの、どんどん輝月に惹かれて…。
こんなに、全員から想われていて、水帆に恋している3人の思いが、水帆に気づかれないはずがないだろ!なにが「恋とか難しいことはわからない」だよっ!自覚しろ!
という読者としてのツッコミと若干の苛立ちを除けば、まさに青春というストーリー。コロナ禍中(と思われる感染症)の時期に高校生であった彼らが、時を経て社会人になっている現在と、高校時代をクロスオーバーさせながら描かれる。
水帆の無自覚さを除けば、本当に読んでいて、キラキラと眩しいお話。
高校時代も、新卒直後の社会人時代も、既に通り過ぎてきたこちらからすると、どの時期の彼ら彼女らも愛おしい。このお話、男子4人が、何があっても根っこには互いへの友情や信頼を、しっかり持っていて、それは水帆といえども壊せない。ヒロインに振り回されるだけの男たちだったら、見ちゃいられないのだが、ヒットの秘密はそこにある気がする。水帆も、お話が進むと大きな傷を負うし、都合よく、いい思いだけをしているわけではない。むしろ9巻のあたりだと、輝月の行動が、
「それは、そんなに都合よくいくか?んー…。」
と思ったりもする。ネタバレ出来ないので、非常にもどかしいのだが。現実なら、こうはならないなという部分も多いけれど、このお話は、青春時代の、あの蒼くて透明な空気感を読むためのものだから、そこはいいのだ。
これ、「なかよし」で連載されているようで、こういう、少女漫画はこうじゃなくちゃなあ…と思うような爽やかなお話が「なかよし」に載って、広い世代に大ヒットしているというのが、少女漫画好きとしては、とても嬉しい。同じ作家さんの「放課後、恋した。」も読んでいるのだけど、そちらも大好きだ。今、一番輝いている作品たちだと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
イケメン幼馴染ってありがちな少女漫画かい?と思いきや、視点が変わるのが面白い。
著者プロフィール
満井春香の作品





