推し、燃ゆ

著者 :
  • Audible Studios (2021年6月17日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • Amazonオーディブルで朗読を聞きました。
    まず読み手の玉城 ティナさんの抑制のきいた朗読が素晴らしかった。プロの声優かと思っていたらモデル出身の女優さんとな。

    さて内容はと言えば、推していた男性アイドルがファンを殴ったニュースから始まり、アイドル氏が卒業するまでのひとりのファンを描いた物語です。
    ファン活動以外の全てを投げ捨てて推しを推す…ほかには何も無いし、何も出来ないのだ。普通の人生を送る、ということが途方もなく難しいということもあるのだ。という…余人には理解までなかなかハードルの高いことだけど、その熱量に圧倒され、誰か彼女を救えなかったのかと悔しい思いもする、読者にパワーを要求する素晴らしい物語でした。

    生きづらさというものを描いている。という意味では誰しも抱える主題です。

    朗読というのもあったと思いますが、「推しが、」「推しは、」「推しの、」・・・と「推し」という単語に溢れていて、まるで二人称単数主語であるかのよう。推しをあなたに書き換えて読んだら面白いのではないでしょうか。

    これを聴いている時期に、ショッピングモールでローカルアイドルが歌っているところを見ました。ファンの方が応援していました。

  • 2022.09.あかりは,アイドルの上野真幸を推していた.推すことがあかりの人生の全てで高校も中退した.ある時,推しが女性を殴るという事件が起こり,推しが炎上する.あかりは,中退後も就活もできず,死んだ祖母の家で生活するようになる.すると,推しがグループを解散し芸能界を引退すると発表する.ラストコンサートの後,あかりは部屋で滅茶苦茶にしてしまいたいという気持ちになり綿棒ケースを思い切り投げつける.そのご,綿棒を拾いながら長い道のりが見えてくる.当分は,これで生きようと思った.芥川賞受賞作品はいつも面白くないと感じてしまう.

  •  同世代の方が書いているだけあって、時代や世相への反射神経の鋭さが凄い。更に文章表現も素直で読みやすい。
     ただ読みやすすぎて若干物足りない。「推し」文化に馴染み過ぎていて、「既知のことがわかりやすく書いてある文章」に感じてしまったのかもしれない。

  • これは私だ。
    自分が令和の高校生だったら、間違いなくこんな感じだ。

    青春映画など「わかる、わかるよ。そのくらいの年齢ってそんな感じだよねー。」と、いい作品だなと楽しみながらも若干上から目線というか、おばさん的立場で観てしまうのだが、これは違った。とても感情移入してしまった。

    高校生の時、推し(当時そんな言葉はなかった)が逮捕された。テスト期間だった。毎回ほぼ一夜漬けで受けていたが、ショックで一夜漬けすらしなかった結果、とんでもない点数になった。

    話が進むにつれ「いや、私はここまで酷くなかったかな」と思ったが、よく考えたら自分も高校辞めかけた。嫌な思い出だから忘れてた。当時の物凄くネガティブな感情をほじくり返された。

    …って、自分語りはしたくないに、めちゃくちゃ思い出した。えぐられた。

    SNS上の文章や立場と、私生活のテンションとの落差。描写がとてもリアル。
    私も文才があれば推し活(昔はこんな言葉なかったけど)の本書いたのに!(笑)

    一通り余韻に浸った後で思ったんだけど、刺さらない人には全く刺さらないであろう話。

    この人の他の本も読みたいし、これからどんどんいろんなテーマで書いてほしいと思った。

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著者プロフィール

1999年生まれ。2019年、『かか』で文藝賞を受賞しデビュー。同作は史上最年少で三島由紀夫賞受賞。第二作『推し、燃ゆ』は21年1月、芥川賞を受賞。同作は現在、世界14か国/地域で翻訳が決定している。

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