嘔吐 新訳 [Kindle]

  • 人文書院 (2021年7月2日発売)
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本 ・電子書籍 (373ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 大江健三郎ファンとしていずれ読もうと思っていたサルトルにチャレンジ。サルトル=実存主義という思い込みがあり、思想の具象化手段として小説があるのかなと思っていたけど、思いのほか文学にも比重があり、それなりに面白く読めた。「実存」という訳に「人間の」理想像という誤ったイメージを持っていたけど、目の前にある木の根を見て「存在」の偶然性に気付くというのはリンゴの自由落下のような話で飲み込みやすい。

    とはいえ、表面的にはモラトリアム小説に他ならなず、美術館でブルジョアジーに毒付くシーンなど、お前もブルジョアだろと突っ込まざる得なかった。これをある種聖典のように読んだ人々の読解力すごい…

  • 淡々とした流れが心地良く、薄暗い霧の中にいるような雰囲気なのに読んでいて何故か安心感がある。

    全ての表現を理解することはできないが、共感するような思想や今の自分にとって救いとなるような文章も多々あった。

    何度も読みたいと思える一冊。

  • 翻訳が非常に読みやすい。生きる目的は後付けであって、物や人間の存在自体に意味なんてなく茶番でしかない。ただそこに存在しているだけ。そんなこと考えて生きてたら鬱になりそうだが、主人公がレコードを聴く最後のシーンで将来やりたいこと(小説を書き上げること)を見つけ、新しい一歩を踏み出していくところは読後に前向きな気持ちにさせてくれるので良い。

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著者プロフィール

J‐P・サルトル(Jean-Paul Charles Aymard Sartre)
1905年6月21日 - 1980年4月15日
フランスの哲学者、小説家、劇作家。20世紀を代表する哲学者・思想家のひとりで、「実存は本質に先立つ」と語り、実存主義思想の代表的哲学者とみなされる。そして、発言と行動が注目される知識人のひとりであった。フランスのみならず、日本でも大きな流行が起こり、多大な影響を各方面に与える。代表作に、『嘔吐』、『存在と無』、『実存主義とは何か』、『自由への道』など。

J‐P・サルトルの作品

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