「不屈の両殿」島津義久・義弘 関ヶ原後も生き抜いた才智と武勇 (角川新書) [Kindle]

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  • “戦国最強”と評されることも多い島津氏も、一次資料を元に一皮むけば、「そんなんでよく生き残れたなあ」と思うくらいダメダメに見えるところも少なくない。

    ただそれは、織田信長や豊臣秀吉といった、独裁色の強い、“ベンチャー型”大名の印象を戦国大名の代表として見ているせいもあるのだろう。

    中世から続く老舗の企業を運営していく上では、しがらみや慣習が多すぎて物事がスピーディーに進まないことも多々あるのだと思う。

    しかし後世から振り返ると、この時期の島津氏に義久と義弘という性格の違う兄弟が揃っていたのは、僥倖だったと言える。筆者が指摘するように、どちらかが欠けていたらおそらく、島津氏の江戸時代はなかったに違いない(だとすると、明治維新もなかったことに)。

    鹿児島人待望の島津氏メインの大河ドラマも、本書をベースに作れば、良いんじゃないかと思うし、是非観たい(ただし、それを鹿児島の視聴者が受け入れるかどうかは、また別問題)。

    新名先生の「島津氏講座」(https://note.com/tabenomuraji/)も、またチェックしなくては!

    島津氏関連で知りたい、義久の肖像画が存在しない不思議。

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著者プロフィール

1971年生まれ。現在、南九州大学非常勤講師。
主な業績に、『日向国山東河南の攻防―室町時代の伊東氏と島津氏』(鉱脈社、2014年)、『薩摩島津氏』(編著、戎光祥出版、2014年)、『室町期島津氏領国の政治構造』(戎光祥出版、2015年)、『島津貴久―戦国大名島津氏の誕生』(戎光祥出版、2017年)、『島津四兄弟の九州統一戦』(星海社、2017年)、『中世島津氏研究の最前線』(編著、洋泉社、2018年)、『現代語訳上井覚兼日記1』(編著、ヒムカ出版、2020年)、『現代語訳上井覚兼日記2』(編著、ヒムカ出版、2021年)、『「不屈の両殿」島津義久・義弘』(KADOKAWA、2021年)などがある。

「2023年 『戦国武将列伝 11 九州編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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