ほしとんで05 (ジーンLINEコミックス) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
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  • 八島大学芸術学部、通称やし芸の文芸学専攻一年の主人公・流星君が、小説家志望だけれども大学の采配で俳句ゼミ所属にさせられてしまうところから始まる、俳句青春芸大マンガ。「文芸一年の所属ゼミは大学が決める」。これがやし芸のルール。
    同じように「え、僕が/私が、はいく?」状態のゼミ一年生たち。彼らを導いていく坂本十三先生。肝の座った先輩たち。その他学生生活で出会う他専攻の学生たち、教授陣、職員さんたち。もちろんみんな良い感じにキャラが濃いわけですが、日々の出来事に一喜一憂する様に親近感がわくので、マンガ表現故にぶっ飛んで見えるほどにはぶっ飛んだ感じはしない。
    芸大ものといったら、『ハチミツとクローバー』や『のだめカンタービレ』が私の学生時代?に流行ったが、『ほしとんで』は恋愛しないからそこは全然違う。という最大の違いはおいといたとして、やっぱりなんといっても十七音の文字だけで成立する俳句がテーマなので、作中人物が作ったり直されたりしている作品を作中人物と同様に鑑賞できるところが、美術や音楽(や料理や映画や小説などなど)を題材にしている場合との大きな違いかと。最終巻でゼミ生・卒業生総出で連句を巻き上げるのですが(連句は「巻く」ものらしい)、素晴らしかった。夢に見そう。この夏、アニメ映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』も家族で楽しく鑑賞したため我が家にはいま空前の俳句ブームが来ており、『ほしとんで』もアニメ化してほしいなあ。みんなで見れるから。
    また、「一般人>文芸の道を志す(まだ名を成してない)人たち>しかも短詩系>しかも俳句」と何層にも「弱小派」のレッテルを貼られ多少なりとも苦労している感と、「ここでなら変人扱いされない、というかむしろ自分なんてまだまだだった!」という場所を見つけて生き生き伸び伸びもがもがしている感じも、ハチクロやのだめには描かれなかった味わいだなあと思う。好き。
    全五巻で完結。ここで終わるの?!ってところで終わるので、特に最終巻は覚悟して読まないとロスになりそう。(好きな世界はずっと続いてほしいけど、でも「終わる」ってのも大事だ…。)

  • もっともっと評価されていいのに!!!!(何様だよってかんじだけど)
    興味をもたせることが難しい題材をこんなにおもしろく、分かりやすく物語として書けるって天才だと思う。
    言葉の言い回しがめちゃめちゃ、上手でいつもはぁ~ってなる。
    出てくる俳句も全部素敵だし、なにより最後の連句すごい!!
    個人的にお気に入りなのは、もちろん連句のシーンと、吟行のシーン。
    お寺のシーンはお寺独特の空気感が漫画からも伝わるし、流星が山蟻の隼先輩の句を、みてはぁ~ってなっちゃうのすごいわかる!!って感じだし、
    ぽろり先生と坂本先生が話し合うシーンも先生たちが飲み会で話すシーンも素敵。
    やし芸に入りたくなる。

  • 季節ごとの行事めいたものをゼミ生で楽しむとか、単位が!試験が!とゼミ生が騒ぐとか、そう言う話をドーンとメインに据えた回無いので気付くの遅れたけど、主人公達がいつのまにか進級しててビビったぜ!


    課題としてゼミ誌を作ると言うことで、内容を『連句』にする事で、俳句の新しいカテゴリーへの学び、句を生み出す瞬発力を描いてゼミ生たちの成長が垣間見せ、初めての連句を体験するゼミ生達の知識不足を補い、かつ、ちょっとだけ姿をみせてたけど…になっていた坂本ゼミの先輩達の補完、そして提出された句を選定し、時には修正をしてブラッシュアップしてくれる坂本先生の指導者としての確かさと安定感、これらがギュギュ…と詰まっていて、見せ方、まとめ方がうめぇ〜〜!とひっくり返ってしまった。

    惜しくもこの巻で終わりだけれど、ゼミ生と講義をメインに絞ってブレず、ストーリーの寄り道も少なめで、物語が散らかる事なく、純粋に「俳句とは…」を楽しめてとても良かったです。

    彼らはこれからも穏やかに和やかに粛々と『学び』やっていくんだろな…と思わせてくれる最終話のラスタカットも最高。

  • もう少し登場人物のキャラクターについて掘り下げてほしい感じが残りましたけれど、俳句を題材にしたところが珍しいと思いますし、面白かったです。

  • もともと短歌に興味があって、俳句って難しいと思ってたけど、思いの外制約もあるし楽しみ方もあるんだなー!
    連歌のルールよくわからない…!

    春信のビジュが酷いのにめちゃくちゃいい奴で大好き。春信始め、登場人物の言い回しが面白すぎる。5巻で終わるなんてもったいない!もっと読みたい!

  • 芸大の俳句ゼミを舞台にした大学生活もの。俳句マンガとして、芸大マンガとして、創作マンガとして、先生も生徒もリアリティのある個性派ばかりでおもしろかったです。

  • 終わったのは寂しいけど、良い終わり方でした!

  • 俳句のように余韻の残る終わり方で、最後までとても良かった。おまけページも多くて嬉しい!

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著者プロフィール

本田(ほんだ)
漫画家。書店コミック売場で10年間働いた経歴がある。
書店で起きたことを漫画化してpixivで公開したことが『ジーンピクシブ』での『ガイコツ書店員本田さん』連載に繋がる。2015年単行本化され、3巻まで刊行された。2018年10月、アニメ化。
2018年7月8日読売新聞記事によれば、元・味の素常務取締役の故・若松八郎が祖父にあたる。幼少の頃アドルフ・ヒトラーをドイツで見たことがあるという祖父の存在が、作中における外国人客の巧みな描写に影響しているという。
ほか、ジーンLINEで『ほしとんで』を連載中。

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