- Amazon.co.jp ・電子書籍 (146ページ)
感想・レビュー・書評
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日本はもっと頑張れという本.
Felicaや備蓄可能なリチウム電池など日本は世界を変える技術を作ってきた.だけど技術だけではダメでルールメイキングによる市場牽引は失敗してきた.
日本にはシナリオ・スピード・サイエンス・セキュリティの4つのSが必要.
ルールに従うのではなくルールを作る.現実・既存の延長ではなく,理想・未知のシナリオを描く.スピード感を持ち,ファクトで難題を超え理想を安全に現実にする.
その応用先として筆者が注目する領域はマネーのデジタル化.(というか筆者の専門領域かつ,自分のビジネスも持っている.いわゆるポジトーク)
ビットコインのくだりなど,やや断定口調だったり,細かい部分は指摘したくなるところはあったが主メッセージは理解できる.
Audibleで聞いた.
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NEOM
砂漠の真ん中に近未来都市 55兆円
M2 100兆ドル
アフリカ エムケサ 現金使えない
中国の金融インフラ技術展開
人民元経済圏拡大
マネーのデジタル化
→コスト削減、ユーザビリティ、エコ
国際貿易はドル中心
アメリカではない国同士でも。
ただし近年ドル依存割合は減っている
日本やユーロはかつてドルに挑戦して失敗.
最近は人民元が台頭.
途上国にパッケージ化されたインフラの売り込み→
途上国に追わせる負債が中国企業のマネーに
SWIFT サイバー攻撃 2016年2月 不正送金
SpaceX、テスラ、ソニーのウォークマン、iPhone→ビジョン・シナリオの有無
やや断定口調。
楽天とAmazonの違い
出店者目線から、顧客目線か
comply or explain
規制を守るか、守らないならその説明責任を果たすか
4つのS
シナリオ思考
スピード
サイエンス
セキュリティ
リーダーシップ→どこに梯子をかけるのか
マネジメント→いかに梯子を早く渡るか詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
デジタルマネーの普及は、便利な社会が来るであろうという事は、分かる。
暗号とパスワードが量子コンピュータの発展により、セキュリティ問題が想像されるとの事。
せっかく、ガラケーの時にフェリカ機能を発明し、それを世界的に普及させられなかったのが日本の先見性のなさという見解。
まぁ、日本の政治家では、そんなもんなんだろね。 -
CBDCプラットフォーム開発を手掛けるGVE創業者の房さんによる「デジタルマネーにまつわる各国の攻防戦」解説。
国内スタートアップでは常にトップランクの評価額のGVE社。本書の内容がすべて本当ならば、ぜひ突き抜けて世界のプラットフォームとして勝ち残って頂きたいと思う。
ただ、正直「前途多難」と言わざるをえない。
彼の金融業界ならびにFintech業界での立ち位置を把握できていないが、本書の内容が本当ならば、これは世界覇権を巡る血みどろの戦いの最前線であるはずだ。この舞台には日本政府や日銀、財務省でも戦後はほとんど絡めたことがないだろう。世界のお金の流れを把握しようとするCBDCのプラットフォーム構想が、世界各国の中央銀行、世界銀行、人類の富を独占する国際金融の中枢の逆鱗に触れないはずがない。しかし今のところ、FacebookのLibra(現Diem)のような叩かれ方をしていないので、核心から遠く離れた場所で叫んでる状態と想像する。
少なくとも、メンタリストDaigoさんから援護されてる時点で厳しい(援護されてないにしても、こういう時間が取れてる時点で血まみれではなさそう)。
https://www.youtube.com/watch?v=t9jOZhta-js
いずれにせよ、GVEの試みが想定通りにうまくいくほど、大手メディア買収の試みの最中に逮捕された堀江貴文さんや、次世代スパコン開発中に逮捕されたPEZY齊藤さんのような晩年になる気がしてならない。 -
単純なデジタルマネーの解説に留まらず、「お金のデジタル化」によって何が変わるのか。DX、AI、ブロックチェーン、量子コンピュータなど関連技術についても解説されており、勉強になるだけではなく、それによってどのような社会的なインパクトがあるか、考えるきっかけになるとともに、知的好奇心をくすぐられる内容になっています。
特に、4つのつのSとして語られている、シナリオ思考、スピード、セキュリティ、サイエンス。
シナリオ思考は、最近では「デザイン思考」といった方が通りがよいかもしれませんが、昭和・平成の時代にはあまり顧みられてこなかった思考方法かと思います。
スピード、セキュリティ、サイエンスについても、これらを重視してこなかったために、最近になって今まで隠れていた問題が露出したり、新たな問題が噴出したりしているように思います。
セキュリティについては、中小企業や地方企業へのサイバー攻撃によって、大企業のサプライチェーンに影響の出るような事件も起きてきており、これから益々重要になるでしょう。
本書の後半で語られている「イノベーターシップ」は、まさにこれからの日本にひつようなものでしょう。
「デジタルマネー」を糸口として、日本の競争戦略にまで考えを広げられる一冊です。 -
キャッシュレスの世界が到来し、その将来がどうなるかを知りたくて、この本を読んでみた。ところがどっこい、この本はデジタルマネーだけにとどまらず、世界がどう変わっていくのか、そのために我々はどうなっていくべきなのかっていうのをその必要な能力を箇条がきにする形で提示してくれている。その実際の体現者としてのDaiGo氏の活躍も紹介し、本書で提示している変化のための能力についての裏付けもしてくれている。