- 本 ・電子書籍 (198ページ)
感想・レビュー・書評
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過去に戻れるのはコーヒーが冷めきるまで。
シリーズ3作目、途中からでも難なく読めます
読後に自分なら誰に会いたいか考えるかも詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「コーヒーが冷めないうちに」の4作品め。
これまでの中で一番好きでした。
すでに読んだ3冊(特に1冊め)は前評判の高さで読んでみたもので期待値が髙かった為か思ったよりさらりと読み終わった印象がありました。
今作は、過去に誰かに会いに行ったとしても未来を変えることが出来ない、それでも会いに行きたいのか?
この点で過去に戻る理由に自分の会いたいだけでなく、相手を想う気持ちが描かれていて4作品とも好きでした。
基調は変わっていないです。
「大事なことを伝えていなかった夫の話」
「愛犬にさよならが言えなかった女の話」
「プロポーズの返事ができなかった女の話」
「父を追い返してしまった娘の話」
最初の作品は、妻の気持ちが、2作めは愛犬の優しさ、3作めはお互いを思いやる気持ちが、ラストはただただ親の愛情が、ほろりとさせられる4作品でした。 -
オーディブルより。
今回も泣けた。 -
相変わらず、どれも涙なしでは読むことの叶わないお話ばかりでした。
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「君のおかげで僕が幸せだったことを、君に知っててほしかった」という表現が心に残りました。
コーヒーが冷めきるまでの間だけ過去に戻れるという喫茶店の話で、とても感動する本です。 -
【注:本レビューは,旭川高専図書館Webサイトの「私の推薦する本」に掲載した文章を,執筆者の許可を得て転載しています】
過去に戻ることは可能なのだろうか?「あのときに戻ることができれば」、「やり直すことができるのであれば」、と誰もが一度は思い巡らせたことのあるタイムトラベル。天体物理学者ロナルド・L・マレットがタイムマシーン理論を生み出すなど、数式の上ではタイムトラベルが実現可能だとする研究も存在する。しかし、理論上、タイムトラベラーは過去を変えることができない。改変を試みても、タイムパラドックスに直面し、未来が自動修復されるからだ。結果、現実は変わらない。
それでもあのときに戻りたい。そんな願いを抱く多くの人々が、本作の舞台である喫茶店「フニクリフニクラ」を訪れる。この喫茶店には過去に戻れるという都市伝説があるからだ。ただし、制限時間、過去に戻ってどんな努力をしても現実は変わらないなど、5つのルールがある。そしてこのルールに従った全4話(1.妻が事故により遷延性意識障害(植物状態)を発症する前の時間に戻って、「ありがとう」を伝える夫の物語、2.「さよなら」を言う前に亡くなった愛犬に会うために過去に戻る物語、3.優しい嘘が原因で別れた生前の恋人に会いに行き、プロポーズを受け入れる物語、4.干渉を嫌がって追い返した数日後、震災で亡くなった父親に、時間を溯って感謝を伝える物語)が収録されている。
起きてしまったことは変えられない。それでも過去に戻ってあの人(犬)に伝えたい。その思いを遂げた人々の様子は、過去を受け入れて今の時間を大切に過ごそうと思う人や気恥ずかしくても、少しの勇気を出して相手に伝えようと思う人の背中をそっと後押ししてくれるだろう。本作は、映画化もされた『コーヒーが冷めないうちに』の続編であり、同様に過去に戻る人々の物語『この嘘がばれないうちに』、『思い出が消えないうちに』もおすすめ。
(人文理数総合科 本荘 忠大) -
過去は変えられなくとも、伝えきれなかった事を伝えられればいいと思える。そんな過去はいくつもある。
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コーヒーが冷めないうちに、シリーズ4弾。
1 大事なことを伝えていなかった夫の話
2 愛犬にさよならが言えなかった女の話
3 プロポーズの返事ができなかった女の話
4 父を追い返してしまった娘の話
後悔とは、後で悔いるものだから、現段階ではわからない。誰もがわかっていればそんな行動はとらなかっただろう。だから、今を大切に生きなければならない。それでも過去に戻って会いたい人はいる。 -
珈琲が冷めるまでの時間、過去に戻れる喫茶店。
戻れるとしたら 私は誰に会うだろう?「ごめんね」って言わなきゃいけない人や「 ありがとう」を伝えそびれた人…色々な顔が浮かぶ。ただ、フニクリフニクラは実際にはないわけで。「もう戻れないこの一瞬を大切にして過ごしなさい」というメッセージを感じた。 -
シリーズ4作目。
4人の過去へ戻る話が描かれている。
長年連れ添った妻へ、愛犬へ、恋人へ、そして父へ。それぞれ後悔を残してきた人が過去へと戻って思いを伝える。
前作までと同様、どの話も涙がこぼれてしまう。
最後の父への話は、他の作品と少し異なる気がしていたら、仙台市のラジオ局から依頼されて、書き下ろしたラジオドラマを小説にしたものらしい。
震災をテーマにしたこの話は、少し辛くて、でも、おそらく同じような体験をした人はいただろうし、残された人にとって優しく寄り添ったのではないかと思う。
著者プロフィール
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