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感想・レビュー・書評
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日々のお料理に苦戦する身としては「そこまで頑張らなくていいんやで」と言ってもらえてるようで、ホッとしました。
現実的には、私ひとりならともかく、いつまでも食べ盛りの夫と3歳息子のおなかを満たすには一汁一菜では難しいかもしれないけど、こういう考え方もアリと知れただけでも、読んで良かったです。
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土井善晴さんの本を何冊か読んで、やっと辿り着きました、「一汁一菜でよいという提案」。
ここから読み始めるんでしょうね、普通は(笑)
「料理と利他」「くらしのための料理学」と読んできての、原典にあたる感じで読んだ「一汁一菜でよいという提案」。すでに、前に読んだ本でエッセンスは吸収していた感じでしたが、それをさらに肉付けすることができました。
うまいまとめ方はできないけれど、私が受け取ったのは、こんな感じ。
日本の食事は「ハレ」と「ケ」があり、日常である「ケ」の料理が「家庭料理」。
家庭料理は、旬のものを、素材のまま受け取れるような形で食すればいいのだ、と。
油や強い香辛料を使った料理はわかりやすい「おいしさ」だが、旬の食材を食べることこそが体にとっての「ゆっくり吸収される栄養」であり「ゆっくり浸透するおいしさ」なのだ。
西洋料理に上書きされた「肉か魚」と「野菜」ではなく、野菜もタンパク質(肉、魚、豆腐)も、いっしょくたに「汁物」にしてしまえばいいのだ。
(とはいえ、形として汁物にこだわる必要はない)
味噌は、栄養面でも、食品の安全を担保するためにも大切な食材。
ということなのかな、と。
我が家では、夕食が「お酒のアテ」になっているので、「ご飯とお味噌汁」という、この本で提案されている形をそのまま当てはめることはできないけれど、旬の食材を、気負うことなく取り入れて食すればいいのだ、と。
時には肉か魚、ではなく、豆腐とかお揚げとかでいいのだ、と。
なんとなく、そんな感じに受け取りました。
数年前から、マンションの近くに毎週開催される農家直産の朝市を利用していて、「旬」という感覚はわかってきているし、野菜は直産の季節のものを中心にして、それにタンパク質系を考える、という食卓にしてきたけれど、まぁ、それでいいんだろうなー、と。
この本に書いてあることを事細かく実践する必要はないけれど(というのか、そう考えたら、それがすでにストレスになってしまいますよねw)、一汁三菜という呪いをかけられて、食事作りにストレスを感じている人が
ストレスなく食事を作るための考え方の一つ
として読んでみるのがいいのだと思う。
ストレスに悩んでいる、食事を作る皆さんへ。 -
最近、ダイエットを始め、食生活をどうにかうまく改善できないかなと思っています。
しばらく仕事が第一の生活で、お昼はファーストフード、夜は飲み会といった、食生活的には自堕落マイナス200点の生活をずっと過ごしていました。
仕事が落ち着いてきたので、食事にも気をつけられるようになり、家で簡単な自炊を始めました。
料理をするときは、いろんな具材や調味料を揃えて、張り切ってたくさんの品物をつくるという気持ちとバトルします。
最初のころはこの料理人思考が勝って、凝った料理を頑張ってつくり、いっぱい食べて、眠くなる。というのを繰り返していました。
それでは続かないので、最近は自然と、玄米をチンして、キムチや納豆を混ぜ、鶏肉や卵があるときは、炒めたり焼いたりしてささっと食べるようになりました。そしてなんとなく、それが一番楽ちんで美味しいので、この玄米を中心にしたごった混ぜひるごはんを繰り返しています。
この本は、たまたま手にとって、なんとなく読んでいたのですが、著者の土井さんは普段のご飯は好きなものや旬のものをたっぷりいれたお味噌とご飯、お漬物があれば、それだけで立派なごはんだという考え方で、どうしてそれが大事なのかを一冊にまとめています。
そして、土井さんのつくった一汁一菜の写真があるのですが、最初は、『え?これだけだとお腹すいちゃう!』ってくらいシンプルで簡素に感じました。笑
でも、自分自身が本を読まなくても、同じようなごはんになっていったことや、たまたま同じ時期にこの本を読んだことで、ああ、これでいいんだなぁ。だってプロもそう言ってるんだもん。という気持ちに自然となりました。
とはいえ、私は飲み会の日はたっぷり食べたり飲んだりしますし、おかずは大好き!なので、そこまでストイックな暮らしはしていません。笑
シンプルに、何もない日は、一汁一菜で、満足できるようになれば、他の日に食べ過ぎたり飲み過ぎても、きっと1年後には体重も落ち着き、健康も良くなる…はず!
長い目で、食べるものを身体に合わせていきたいな。と思っています。がんばろっと笑笑 -
毎日料理を頑張りすぎることをやめて、一汁一菜を基本にしてその中に四季の楽しみを見つけるという、気持ちが楽になる本だということは読む前から想像していた通りなのですが、それだけの本ではありませんでした。
日本文化の素晴らしさと、それを守ること。それが本書のテーマだと思いました。共働きや仕事優先の生活の中にあって、いかに日本文化を守るか、の一つの方法として一汁一菜が提案されています。
それを語る著者の言葉はとても優しさに満ちていて、いっさいの押し付けがましさがありません。例えば、角のある真四角で美しい豆腐がパック化で消えていくように、日本らしさは日々失われている。でも日本に四季があることは今も変わらず、それによる情緒や自然への共感は、失われることなく日本人の心に残る。という風に、メッセージが肯定的です。
こういう話を聞くと懐古的でなんだかなと思うことが多いのですが、本書を読むと、古き良き日本って確かにあったんだな、と納得して、かつ自分の子供時代を思い出して感傷に浸ってしまいました。
忙しいから一汁一菜でよいが、余裕があるときな家族を思って少しだけ豪華なものを用意する、家族はそれに気づいてあげることでこたえる。それで良いし、それが大事だなとしみじみ思いました。 -
食というよりも料理について、
料理を媒介にした日本文化についての本でもあり、大変興味深く読むことができた。
もともと料理はさほど好きではないが、コンビニで済ますばかりの生活を変えたいという思いもあった。
そんなとき、本書の考え方を知り、読んでみたい…と思ったのだ。
わたしには養うべき家族はいないが、そんな人にも向けられた優しく穏やかな言葉がとても胸に響く。
あなた自身の生活を大切に…とやんわり言われているような気持ちになる。
もともとの日本の家庭料理のあり方として一汁一菜があり、それは決して手抜きなどではない。
むしろ、一汁三菜は贅沢なのだという考えは目から鱗であった。
料理が負担になる、もっと美味しそうで栄養満点のものを作らなくてはいけない、そんな呪縛が自分自身にもあったようだ。
もともとハレとケの区別があり、料理番組や料理本で紹介されているのは、大変贅沢なものであるというのにはかなり驚いた。
一汁一菜は基本であり、それを強要するものではない。
一汁一菜に、日によっては料理を足す…。
楽をさせようというよりも、本来は料理を誰かや自分のために提供することそのものに意味があるという考えに感銘を受けた。
土井氏の思い出話や、料理についての考え、日本料理という文化、日本人の風習など、少々古風にも思える考えも多く散見される。
日本人がどんどん国際化する中、忙しいのに、生活そのものは緩くなっている。
そのことを批判すれば説教めいて受け取られてしまう。
しかし、心の持ちようははっきりと変化していることは確かで、料理の見た目や礼儀作法等、失ってしまったもので、日本人のきりっとした慎ましい生活も支えられていたのかもしれない。 -
家での食事はお米と具沢山のお味噌汁で十分。
お料理は無理せず肩ひじ張らず、出来る範囲でやればいいと「提案」してくれる本でした。
"きちんとご飯を作らないといけない"という思い込みに縛られていたことに気づきました。
ご飯は美味しく食べたいし、家族が喜ぶものを食べさせたい。体に良い物をとりたいし、見た目にも華やかだと楽しい。
そんな思いから毎日お料理をしているけれども、時間が無くて作れない時は自己嫌悪に陥り、疲れて辛い時は重荷に感じていました。
お米とお味噌汁だけでは食卓が寂しく感じるけれど、インスタントラーメンやギトギトのお惣菜を並べるよりも素朴で良いと思う。
日々様々なお料理を作っている料理人の方の言葉に肩の荷が下りた気がします。
季節の食材のお話もあり、四季を感じながら読めたのも楽しかったです。 -
淡々と暮らす。暮らしとは、毎日同じことの繰り返しです。
あぁ、明日も仕事か……掃除、めんどくさい……
華やかな世界で生きる芸能人や、美味しそうな手料理を載せてるインスタグラマーさんて、どんな生活してるんだろう……
こんなことを考えていた私の目に飛び込んできたこの一文に、救われた気がしました。
調子のいい時も悪い時もあるけれど、その時できることを、淡々と、一生懸命やる。
料理本ではなくて、生き方論。
私には、読んでよかったと思えた本です。 -
料理研究家・土井善晴さんからの「一汁一菜」の提案の書。それは単なる「和食献立のすすめ」ではなく、システムであり、思想であり、美学であり。単なるレシピ本にとどまりません。共感しました。
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心も体も健康でいるために「食事」はとても重要だとわかっていながらも、毎日料理を作るのはしんどいな〜という時もありました。そんな時にわたしの気持ちを軽くしてくれたのが土井先生の本でした。「一汁一菜」はがんばりすぎず作れるのでおすすめです。忙しい方や疲れている方は、ぜひ読んでみて欲しいです。
著者プロフィール
土井善晴の作品





