高橋源一郎の「飛ぶ教室」で取り上げられていた本です。同じ著者の「日本語とにらめっこ」という本も読みましたが、こちらはもう少し日本語習得そのものについて書いてある本で、英語学習者である私にとってはこちらも面白かったです。 この「我が盲想」の方は、このアブディンさんが、スーダンから日本に来た経緯と、現在に至るまでのさまざまな出来事について、ユーモアを交えながら書かれています。 スーダンといえば、内戦があって、悲惨な国という印象しかありませんでしたが、このアブディんさんはそのスーダンの大学の法学部に在籍していた19歳の時に、日本に行って鍼灸を学ぶ留学生に応募するところからお話はスタートします。「視覚障害者に鍼灸なんていう危なっかしいことをさせる日本なら、きっと様々な面で進んでいる。」って、たしかに外国人から見れば不思議だろうと思える事に気づいたり、靴紐を結べないことが長年のコンプレックスだったのをそのままにしていたところ、その大切さを説き、丁寧に教えてくれた先生との出会いや、福井県立盲学校から筑波技術短期大学、そして東京外国語大学へと、自分のやりたい勉強へとたどり着く過程など、大変興味深く読みました。