わが盲想 (ポプラ文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  •  高橋源一郎の「飛ぶ教室」で取り上げられていた本です。同じ著者の「日本語とにらめっこ」という本も読みましたが、こちらはもう少し日本語習得そのものについて書いてある本で、英語学習者である私にとってはこちらも面白かったです。 この「我が盲想」の方は、このアブディンさんが、スーダンから日本に来た経緯と、現在に至るまでのさまざまな出来事について、ユーモアを交えながら書かれています。 スーダンといえば、内戦があって、悲惨な国という印象しかありませんでしたが、このアブディんさんはそのスーダンの大学の法学部に在籍していた19歳の時に、日本に行って鍼灸を学ぶ留学生に応募するところからお話はスタートします。「視覚障害者に鍼灸なんていう危なっかしいことをさせる日本なら、きっと様々な面で進んでいる。」って、たしかに外国人から見れば不思議だろうと思える事に気づいたり、靴紐を結べないことが長年のコンプレックスだったのをそのままにしていたところ、その大切さを説き、丁寧に教えてくれた先生との出会いや、福井県立盲学校から筑波技術短期大学、そして東京外国語大学へと、自分のやりたい勉強へとたどり着く過程など、大変興味深く読みました。

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著者プロフィール

1978 年、スーダンの首都ハルツーム出身。生まれた時から弱視で、12歳の時に視力を失う。19 歳で来日し、福井県立盲学校で鍼灸を学んだのち、東京外国語大学へ進学。スーダンの南北紛争について考察するため、アフリカ地域研究の道へ。同大学大学院に進み、2014 年に博士号を取得。東京外国語大学世界言語社会教育センター特任助教、学習院大学法学部特別客員教授を経て、現在、参天製薬株式会社に勤務する傍ら、東洋大学国際共生社会研究センター客員研究員として研究を続ける。また、エッセイスト、特定非営利活動法人スーダン障害者教育支援の会(CAPEDS)代表理事、ブラインドサッカーの選手としても活躍している。著書:『わが盲想』(ポプラ社)

「2021年 『日本語とにらめっこ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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