- Amazon.co.jp ・電子書籍 (473ページ)
感想・レビュー・書評
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貧すれば鈍する。この小説を読みながら思った。あまりにもの貧困は、差別やひがみを生む、そんな気がした。
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図書館で借りた一冊。
主人公のミサエがただただ不憫でならなかった。
タイトルにインパクトがあったので内容が気になったのだが、昭和で田舎の悪い所を詰め込んだ作品の様に感じた。祖母やその親戚関係の家を渡り歩き、挙句に虐げられ扱き使われ、最後まで救いようのない物語だった。ミサエの実の子である雄介が別の家に養子として引き取られ、そこで農家を継ぎ、小山田を見返すエンドで終わっているがここまで救いようのない小説を読んだのは初めてかもしれない。(救われたのは雄介を引き取った母ぐらい?)登場人物が基本的に嫌な奴か虐げられる人かその他に分類されており、感情移入しずらかった。 -
物語は昭和10年、10歳の少女から始まる。最果ての地・根室を舞台とした女性ミサエの一代記、そしてその子・雄介の大学卒業までの半生。あまりにも過酷な人生で読むのが辛かったが、冒頭1ページから曳きこまれる圧倒的な筆の迫力!その中で出会った親切な人々が救いではあるが、この人たちとのその後の交流がないことが更に孤独感を強めているように感じた。ミサエの健気な若い日、そして子どもが生まれてからの強い逞しい姿が別人のようでありながら、不幸はどこまでも続く。この推理小説のような書名は、悲惨な人生を象徴する。ミサエだけではない、雄介の義母ハナもまた辛い人生。重要人物である住職の妻ユリが雄介に説明する言葉として解き明かされる。昭和48年に短い言葉を交わすだけに終わったミサエと雄介の邂逅も、またミサエの孤独の深さを感じさせられた。
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つらい
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今回の直木賞候補作品
タイトルから、ミステリー作品かと思っていたら、ものすごく濃厚な人間ドラマでした
これでもかという位、畳み掛けられる苦労の連続。そんな中でミサエは、めげることなく保健婦として地元根室に尽くし続ける
彼女に未来は来るのか、と思いながら、読み続けてしまいました -
人の一生を書いた小説が好きでこれは、好みの
内容でした。
人間の一生なんて一瞬で儚いものですね。
結局なるようにしかならない。
主人公は2人でてきます。
強くて優しい。
なかなか読み応えがあり、文章の書き方もすばらしい作家さんです。
できればもっと頻繁に新作を書いてほしい。