彼女が最後に見たものは (小学館文庫) [Kindle]

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  • 小学館 (2021年12月12日発売)
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みんなの感想まとめ

人間関係や家族の複雑さを深く掘り下げた物語が展開され、登場人物それぞれの視点から事件が描かれることで、読者は多様な感情や葛藤を体験します。クリスマスイヴに発見された遺体と未解決の刺殺事件が絡み合い、物...

感想・レビュー・書評

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  • 前作に続き、三ツ矢、田所という二人の刑事が登場する。

    家族が居る。そこには幸せな時間があるはずだった。

    日常はありふれて、金もない、働いていれば時間もない。
    夫、妻、子供は愛し合っているように見えた。外からは、あるべき姿に見えたはずだ。

    そんなわけないけど。
    だけど家族の未来を想像してしまう。認めるわけにはいかない。自分の家庭だけはそんなはずはない。
    登場する家族もそう信じていたに違いない。

    殺人を犯した被害者と、夫を亡くした寂しい女。
    幸せに嫉妬する女に、見栄をはる女。
    罪への罪悪感、幸せの執着、憎悪の意識が重なり幾度も交錯する。

    ただ不幸と言うべきかどうか。死者の無念は晴れたとは思えないが、本人が救われたのなら、読者としてもありがたい。

    心に空いた穴を埋めようと誰もが必死だった。
    それは優しさを含んでいるようでもあり、身勝手な行いにもなり得るということを考えさせられた。

    家族を大切にしたいな。

  • ❇︎
    『あの日、君は何をした』続編と聞いて
    読むのを楽しみにしてました。

    順番に登場する人物が皆、少しずつ事件に絡み
    緻密な伏線が張られます。

    誰を主人公にして読むかは、読む人それぞれの
    視点や共感するポイントによって変わってくると
    感じました。

    前作の、あの日の〜もそうでしたが、
    決して爽快な読後感が残るのではない。

    でも、読むことによって人との関係や、
    親子や家族の関係を改めて考えるきっかけになり、
    問題を投げかけられて、悩むけれど、
    読んでよかったと感じる小説でした。


  • 「あの日、君は何をした」の続編。

    クリスマスイヴの夜、新宿区の空きビルで発見されたホームレス(とみられる)女性の遺体。そして千葉県で刺殺された男性の未解決事件。この二つが徐々に繋がっていく様子が面白かった!

    犯人は誰なのか、先が気になりドンドン読み進めていった。

    前作同様、ただ犯人はこの人でこういう犯行理由でした、チャンチャン。ではなく、背景にある様々な人間模様が豊かな描写で描かれる。人間のエゴや醜い部分、哀しみ苦しみ葛藤、それぞれの家族の複雑な事情、色んなものが描かれていて読んでいて苦しい部分もあった。

    離婚経験のある身としては、離婚後の子育てを一人でする妻の葛藤だったり、元夫に対する様々な感情だったり笑 色々と感じる事が多かった。

    登場人物一人一人がただのAさんとか、誰かの何か、ではなく、それぞれ皆主人公になりうる人生があるっていうところが好き。描写がとても丁寧で優しい。きっと著者のまさきとしかさんが、他者をちゃんとリスペクトすることのできる優しい方なんだろうなと思った。

    やがて訪れる人生の最期の瞬間に、どんな死に方になってしまうとしても、私も「幸せだ」と思えるように今ある幸せを日々大事にしていこうと、ものすごくありきたりの感想をここに置いておきます。

    • はるパパ@ファミコンしようぜさん
      Mayさん感想に共感しました。
      うーーん、うーーーんとなって心を決めて言うのですが(すごい予防線)、女性ホームレスという存在が気になったので...
      Mayさん感想に共感しました。
      うーーん、うーーーんとなって心を決めて言うのですが(すごい予防線)、女性ホームレスという存在が気になったので読んでみます。
      2024/05/03
  • 嫌な話だったな、ではなく、知らなくてはならなかった大事な何かを手渡された感覚。

    解説にあったこの一行が、読了後の私の気持ちを全て語ってくれた。とにかくずっしり来る。こういう重い小説は好まないので、解説を先に知っていたら読んでいなかったかもしれない。だからこそ、良い出会いだったなぁと今になって思う。

    複雑な親子関係が描かれ、かつ読んでいて手強かったのが、事件に関係する全員が本作品の視点人物となったこと。ちょっと混乱。

    とはいえ、また新しい作家さんを知れてよかった!

  • 『あの日君は何をした』からの続けて読みました。
    いろいろ人間関係が錯誤して、まとまった感じです。偶然って、、すごい。

  • ホームレスの女性はなぜ殺されなければならなかったのか。
    「ネイティブアメリカンの教えに、あなたが生まれたときはまわりの人は笑って、あなたは泣いていたでしょう。だから、あなたが死ぬときはあなたが笑って、まわりの人が泣く人生を送りなさい」

    明るいところを歩くだけが人生ではない。だとしたら、幸せな人生とはなんだろう。
    イヤミスで括れない不思議な読了感。

  • 面白かった。なんだかわからないけど、まさきさんの小説はつい先が気になって読み進めてしまうなぁ。三ツ矢と田所のコンビもなかなか様になってきた気がするw
    犯人の動機にはうーんってかんじだけど、無理矢理感はなかったので物語として楽しめた。
    周りからどう思われたら幸せなのか。どういう最期を遂げれば幸せなのか。一巻よりは好きでした。

  • 「解説」は、じぶんが言葉にしていない思いを言語化してくれていて、小説を読むことの効能を感じさせるものだった。

    多くの人物が、自分本位で動きながらも、どこかではだれかを「庇う」。
    とは言え、だれかを想いながらも、それが純粋な「だいじだよ」としては伝わらず、屈折した形となる苦しみ。

    どうやったら、あなたをたいせつに思っています、が、伝わっていくのだろうか。


    今回のお話は、全体を通すと「悼む人」を想起させる雰囲気があった。

  • 満足!
    最後の最後まで犯人が分からなかった。
    この作者さん若い人かと思って読み進めていたけど調べてみてびっくりした。

  • 人が亡くなった時に泣いているのはその人の死を見ているから。生を見て笑えるようにする。
    優れた文学は世界観を変える。登場人物の奇妙なつながりが非常に面白く、人間観・死生観・幸福観が達観されている。

  • もう三ツ矢&田所シリーズの虜だわ。
    大好きだこのシリーズ!!
    三ツ矢と田所の二人のキャラがいいし、なんと言っても毎回エピローグを読んで衝撃を受け、なんて秀逸なタイトルなんだろうと心酔します。




    【あなたが殺したのは誰】も早く読みたいけど
    このシリーズ読み終えたくないしもどかしいっ。

  • 話が入り組んでて読んでてこの話なんだっけ…?ってチラホラなる。

  • 誰かから見られることを前提に、承認欲求を満たすために生きる大人たちと、犠牲になる子供
    足るを知る、ということがいかに困難なことなのかとあらためて思う。
    構成は前作同様だが、没頭して読めた。

  • 聞く読書には向いていない作品だった…
    家族構成というか、父母子という状況や夫を亡くした主婦という似通った立場の登場人物たち、そして章ごとに語る人物が変わるため、「これ誰だっけ?」と戻って確認したくなるのに、手元に本がない!(笑)
    でも、事件が解決していく過程でだんだん頭も整理されていくし、読後感はよかったです。

  • 前作が衝撃的に面白かったので、続けて続編も読了。今回は「貧困」をめぐっていくつかのエピソードが並列進行する。前作同様にそれぞれの視点は交わりそうで交わりきれず、複雑に展開していく。壮絶な過去を持つ三ツ矢刑事が相変わらずの良いキャラ。謎の解明が彼の視点に一任されているからこそ、読者としてはカオス状態の情報を安心して放置しておける。前作よりも予想できる展開ではあるが、その分、人生の価値や、自分が誰のためにどんな役割を課して生きていくかを考えさせられる。

  • 最後まで犯人かもしれない人が何人も出てきて面白かったー!!

  • シリーズ第二弾。
    ホームレス女性の遺体が空きビルで発見された。

    その女性の指紋が1年前に刺殺された男性の遺留品から出た指紋と一致した。

    二つの事件にどんな繋がりがあるのか、ホームレス女性はなぜ亡くなったのか。

    テーマは家族と見栄、虚栄心。
    今回は前作より最後の衝撃は控えめだったが救いがあって本作の方が好き。

  • 書店のポップを見て購入した本作。三ツ矢田所コンビの二作目だが読むのは今作が初めて。さまざまな人物の視点から徐々に絡み合い、全てが繋がってくるため、中盤からは一気に読んでしまった。しかし、序盤擦られ続けたフラワーアレンジメントがそこまで物語の軸にはならないこと、真犯人のポッと出感が否めず、終盤の最後のひと押しに欠けた印象で星3にしました。

  • 後書きにも、これをイヤミスとするのは違うと書いてあったが同感だ。
    悲劇ではあるかもしれないが、哀切と、人の思いに満ちた物語だと思う。
    よく出来たミステリーてあることは言うまでもない。
    複雑に絡まる人間関係かどうのとか、書くべき感想はたくさんあるとは思うが、言い尽くされていそうなので。
    確かに、殺されていい人間などない。
    だが、コイツに税金使うのどーよ?って奴はいる。
    被害者だか「さん」つけなくていいと思うよ。むしろ、コイツがすべての元凶ではなかろうか。
    この作品の場合は、インスタ狂いの市役所職員の虐待親だ。
    こんなもんに税金で給料だして、出窓飾ってキラキラライフにイイネもらうために、娘を幼少からモラハラ虐待なんて許し難い。身体的暴力だけが虐待じゃない。
    コイツの嫁も、税金で暮らしてるくせに不倫かよ。
    むろん、娘はネグレクト。今は反抗期でウザイから祖父母に預けて20歳くらいになったら話し相手にしたいとか勝手なことをぬかすバカ親。
    20歳の娘だって、お前に同意などしないだろう。
    なせなら、この娘は、人の心を持つ真っ当な子だからだ。
    この虐待夫婦に税金からたっぷり給料が支払われ、健康を崩している納税者に、そんなの甘えだ税金頼るなと罵倒するなど許し難い。
    作中、なにが1番怒りたいって、そこである。

  • 「彼女」は、果てしなく暗く、重い生の最後に何を見たのか…。変人刑事、三ツ矢と若手、田所のコンビ再び。

    前作に続き、変人刑事、三ツ矢と若手、田所のコンビ。




    事件に取り組む三ツ矢は言う。

    「知りたいと思いませんか?」と。




    「知らなくてもいい真実」というセリフがある。

    事件に関わった、巻き込まれた人にとって、

    「ワケが分からない」ことで、その後を過ごせるのか。

    あるいは、知ったからと言って、心の穴は埋まるのか。




    どちらにしろ、失ったものは二度と元には戻らない。




    別々の事件の関係者目線で物語が進むことによって、

    その別々だったものの関連性が、徐々に浮かび上がってくる。

    そして、その間に立つのが、いつも、三ツ矢。




    現実社会、特に警察のような組織で、

    三ツ矢のような人間は、不適合として扱われるだろう。




    常に、己一人の頭の中で思考、推察し、完結しようとする。




    コミ障と言われても、仕方ない。




    有能であるだけでは、やっていけない。




    そんな彼が、警察の中で成立するのは、きっと、

    周りの目が優しいからだろう。




    田所にしても、実に、我慢強い、と思う。




    彼以外に、時々、三ツ矢と繋がりがありそうな刑事仲間が

    登場するのだが、彼らの三ツ矢に向ける目は、それほど冷たくはない。




    テーマは、相変わらず、暗く、重たい。

    愛する者の死、倒産、借金、更年期障害、ホームレス…、これでもかと、

    突き付けてくる。




    そして、砂上の楼閣のようなSNSの世界。




    だが、読み終えて、イヤミスのような「置いてけぼり」感を喰らわないのは、

    被害者である女性の、想いが伝わるせいか。

    後から、ジワジワ来る作品だ。

    何度でも、読み返したい。

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著者プロフィール

1965年東京都生まれ。北海道札幌市育ち。1994年『パーティしようよ』が第28回北海道新聞文学賞佳作に選ばれる。2007年「散る咲く巡る」で第41回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)を受賞。
著書に『熊金家のひとり娘』『完璧な母親』『大人になれない』『いちばん悲しい』『ある女の証明』『祝福の子供』『あの日、君は何をした』『彼女が最後に見たものは』などがあり、近刊に『レッドクローバー』がある。

「2022年 『屑の結晶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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