メタバースとは何か~ネット上の「もう一つの世界」~ (光文社新書) [Kindle]

  • 光文社 (2021年12月24日発売)
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みんなの感想まとめ

メタバースの可能性と課題について深く掘り下げた本書は、技術革新が進む中での新たな社会の形を探求しています。リアルと仮想が交錯するこの領域では、個々の自由や優しさが求められる一方で、孤独や自分勝手な世界...

感想・レビュー・書評

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  • 「現実とは少し異なる理で作られ、自分にとって都合がいい快適な世界」=゛メタバース゛。本書は、メタバースの解説書にして、仮想空間に対する著者の思いを綴った書。

    (著者によれば)とかく生きづらい、殺伐とした現代社会。一方で、フリクションとリスクを最小化した都合のよい/居心地のよい仮想空間であるソーシャルゲームやSNS。その進化型゛メタバース゛は、果たして麻薬なのか、蜜の味なのか?

    著者は、現実世界が(著者のような二次元女子愛好者?にとって)生き辛い世の中だと強調している。特にネット社会は、お互いに正義を振りかざしては誹謗中傷し合う無法地帯と化していて、穏健な多数派は避難できる場所を求めているという。

    「自由を実現しようとすれば、自由にやった結果としての格差が必ず生じる」、「リアルな社会は自由を謳歌できる少数の強い人には居心地よく、そうでない多くの人には怖くて息苦しいものになる。ひょっとしたら、自由という博打は失敗したのかもしれない」、「リアルの政治や社会が機能不全を起こし、格差が拡大・固定化され、個人主義の浸透が各種の配慮の必要性を生むことでコミュニケーションコストを高騰させ、逆に個人が生きづらい世の中が到来しているのであれば、リアルなどという最初から持てる者だけが勝つことを約束されたゲームから降りて、仮想現実で生きていくのはあり得る選択肢である」、云々。

    著者は、「SNSは友だちとつながるサービスではない。合わない人を切り捨てるサービスである」、「 大きな母集団の中から、軋轢を生まない人だけを抽出して、快適な閉じた空間を演出することにこそ、SNSの価値がある」とも言っている。このSNSの機能を進化させたものメタバースなのだというが…。SNSが気の合う仲間同士閉じたグループを形成するためのツールだったとは、知らなかった。(SNSをやってないので実態をよく分からないのだが)SNSは不特定多数の人と緩く繋がるための便利ツールだと勝手に思ってた。著者のこの見方、ちょっと意外だった。

    それにしても、「私は状況が許すならメタバースで生きて、そして死にたいと考えています。今でも自由になる時間があると人がなるたけ出てこないゲーム世界で時間を過ごしていますが、そこで糊口を凌げるならリアルには帰りません」と言い切る著者、過激だなあ。メタバース、体験したら自分もどっぷりと嵌まってしまうのだろうか。怖いもの見たさで体験してみたくなった。

  • リアルの模倣世界(メタバース的)は成功するのか
    技術革新が進み課題等が解決、網羅されても果たしてそこに生の人間が入り込める「自分だけの、優しい、自由のある世界」があるだろうか。「恋愛」において、自分勝手な世界を満足するオタク(自分だけの孤独な世界)の世界に誰も継続して参画したいとは思わない。

  • 詳細は、『あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート』をご覧ください。
    http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1704.html

    よくわからないところが、きちんと説明されていて 文章はわかりやすいです。
    メタバースの世界だけではなく、ネットの世界全般、リアルの世界、つまり今の世界すべてについて書かれています
    今のリアルの世界がどうなっているのかいるのか、
    なんとなく感じてはいること・・・ が きちんと整理され、容赦なく書かれていて腑に落ちる事が多い。

  • テクノロジーとローカル文化が交差する社会学的かつ哲学的な難解領域をわかりやすく説くだけでなく、GAFAの戦略文脈でも明解にしてくれた。岡嶋さんの地頭の良さが光る一冊。読んで良かった。

  • わかりやすく、読みやすい。メタバースについて理解出来る。やはりGAFAMが強そうですね。

  • 結局、メタバースとは何かがわからなかった。
    ただ、最近のゲームの実装の話とか、コミュニケーション系のアプリのコンテンツを取り巻くアメリカや日本の状況を知ることもできた。
    あと、GAFAMの各社がどういう方向性でメタバースに関わっているのか,関わろうとしているのかということもわかった。
    タイトルにあるとおり、メタバースとは、まさにもう一つの世界ということが言いたかったことだったのだろうかと想像する。

  • メタバースを理解したい人におすすめ。

    【概要】
    ●メタバースの定義
    ●デジタルツイン、ミラーワールドとの関係
    ●VR、AR、MRとの関係
    ●SNSのビジネス
    ●メタバースに関する技術的背景と人間の変化
    ●GAFAMの取り組み

    【感想】
    ●メタバース、デジタルツイン、ミラーワールドについて頭の中を整理することができた。
    ●結局は、すべて企業の利益を中心に考えた作り込みになっていくのだなと理解した。メタバースなどにおける需要が増えるためには、企業は顧客一人ひとりが居心地よいと思える空間を作為する必要がある。そこには、フィルターバブルによる情報の偏りが及ぼす社会への影響などは何も考慮されていないだろう。
    ●このような動きは、SNSが世論を動かす道具として扱われフィルターバブルによる危険性をはらんでいるとわかっていてもどうにもならない。これがメタバースという空間に拡大した場合、世の中がどのように変わっていくのか。
    ●例えば、反社会・反政府の集団がメタバースの中で勢力を持ち、組織を拡大させ現代の社会で行動を起こすようになったらどうするのか、このようなことを考えると法整備は重要で喫緊の課題であることがわかる。
    ●コトが起きてから動く日本の対処療法では予防措置をとることはできず、多少なりとも犠牲が生じてからになるのであろう。このことは過去を振り返れば、インターネットやSNSに係る犯罪でもそうであったし、最近の人工知能やChat-GPTに対する法整備の遅れからも理解できるだけに残念でしかたがない。

  • どうにも先日読んだ「テクノロジーが予測する未来」は消化不良だった。この本の方が私の日常に近いものがあり、また技術的なことから入ってくるのではなく、ユーザー側の方から書かれているので、近未来のインターネットやWEBの状況等について理解できたと思う。しかし、ゲーム関係の説明は理解不能であった。少なくとも現在のGAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)の状況と彼らがメタバースの実現に向けて現在申告形で何をしようとしているのかについてある程度理解できたと思う。しかし、ほぼ100%リアルの世界、そしてその延長上で日常生活を送っている私からするとメタバースが本当に現実化するにはかなり時間がかかると思われる。映画のマトリックスの世界が現実になるには時間がかかるのだ。
    やはり、近未来では現実世界とは全く別にゲーム感覚で遊ぶものになるのではないだろうか?
    あるいは遠隔操作等医療や特殊な分野で実用化はできるかもしれない(一部は実現してはいるようだが)。

  • 人の価値観がどんどん変化していく、、、
    私たちの中高年世代がメタバースを取り込んでいくと、これまで想像していた老後が様変わりしていくだろう。

  •  本書を読んで感じたのはメタバースとは宗教のようなものだということ。偽宗教とでもいえばいいのか。現実社会に満足できず、居場所がない人が逃げ込む世界かもしれない。
     本書が指摘しているようにメタバースが理想郷であるとは言えない。その世界を作っている企業の収益の歯車になることを甘んじて受けることで、現実では実現できない幸福(のようなもの)を得るというものなのだ。人間が作り出した別の世界だ。世界の創始者がいるという点では神々の世界観に似ている。
     メタバースを支えるのはVRを演出するさまざまなテクノロジーであるが、もう一つ大切なのが世界の仕組みづくりだ。あるいはその中で起こるエピソードの演出だろう。すると今後のメタバース構築で活躍するのは必ずしもエンジニアだけではないのかもしれない。
     筆者が自らオタクを任じ、メタバースの中で死んでもかまわないというのは、論理上の虚構だとしても少々複雑だ。現実社会にとどまっているからこそ、メタバースの何たるかが語れる。もし本当に没入してしまう事態となれば、こちら側からみると極めて異常な人間に見えるはずだ。そしてその人はもはや現実社会の言葉ではものが言えなくなる可能性があると感じた。

  • これからやってくるメタバース。

    メタバースがどんなものか。

    どのような背景で開発が進んできたのか。

    テックジャイアントと呼ばれる世界的企業がメタバースとどのように向き合っているか。

    メタバースが世界に与える影響。

    分かりやすい文章と様々な視点で、タイトル通り「メタバースとは何か?」を解説されている。

    「リアルでできることのほとんどが、仮想空間の中でできるようになる未来が訪れたとき、『自分』とは何なんだろう?」

    そんなことを本書を読み考えた。

    メタバース入門として、とてもお勧めできる一冊。

  • 都市型生活の模倣としてのメタバース。人類が触れてきたのは、もっと大きな世界であるが、小さい視野のものをメタバースに反映しようとしているように思う。これは、本書の著者だけではなく、ほとんどすべてのメタバース識者に共通していることだ。そこを、少し狭いな、と感じる。

  • 現実とは異なる、自分にとって都合がいい快適な世界。今、流行の兆しが見える「メタバース」の特徴、魅力、勃興しつつある背景など、その全体像を解説する書籍。

    「メタバース」は、まだ辞書には載っていない言葉だ。
    辞書的な定義をすれば、「サイバー空間における仮想世界」になる。

    情報技術の進歩は、データのコピーを容易にした。さらに仮想現実(VR)の技術によって、体験もデジタルコピーできるようになった。VRはまだ発展の過渡期の技術だが、今後は現実と変わらない疑似現実へと発展していく可能性がある。

    体験をデジタル化するもう1つの潮流が、現実とは違う別の世界を作るメタバースだ。仮想現実であるメタバースは、現実ばなれした「都合のいい世界」を作ることができる。

    メタバースが勃興しつつある背景には、次のような変化がある。
    ・技術の向上:描画機能やモニタの解像度などが大きく向上した。これにより、VRなどを使用すれば、本当にその世界に没入したような感覚が得られるようになった。
    ・社会構造の変化:個人の自由が拡大した。自由には責任が伴うため、リアルな社会は自由を謳歌できる強い人には居心地よく、そうでない多くの人は息苦しい。そのため、快適に生きられる「もう1つの世界」が求められるようになった。

    SNSは快適な閉じた空間だが、仕事をする時などはそのサービスを離れなければならない。だが、高度な技術で仕事も学校もそこで完結するようになると、少なくない人々が「もう1つの世界」に移住したいと願っても不思議ではない。

    GAFAMはメタバースの商機を逃さない。特にビジネス基盤が脆弱なフェイスブックは、これに照準を合わせている。

  • タイトル通り巷で話題の「メタバース」について、その成り立ちと現状を教えてくれるが、正の側面ばかりではなく負の側面も合わせて論じてくれているところが、本書の特徴。

    本書にあるようにメタバースが「現実とは少し異なる理で作られ、自分にとって都合がいい快適な世界」としたら、人間の本質とは何か?を問われるような気がする。

    リアルを志向する人々とバーチャルを志向する人々の分断が生じるのだろうか。

  • メタバースについて分かりやすく説明がされており理解しやすかった。
    作中でも述べているが、筆者のメタバース推しを強く感じられるような内容だった。

    自由と平等は表裏一体で両立させることは難しい、今の社会は自由を重要視して形作られていってる。
    自由になる反面、欲しくない情報が入ることにもなるため、欲しい情報・欲しい状況だけが実現されるメタバースがの需要が今後伸びるのではないか、というような記述には納得できた。

  • ・まだ、僕の中ではメタバースという言葉と、オンラインゲームの間にそんなに差を感じてない。
    ・実際、将来来るべきメタバースの入り口に近い場所にいるのは、『フォートナイト』とかだったたりするのは、わりと納得できる。
    ・一方でフェイスブックがわざわざメタに社名変更してまで、メタバースに賭けた理由は本書を読んで、腑に落ちる点はあったけど、まだピンと来てない。

  • メタバースを知れた。
    ただご自身で本書で何度も言及しているように、著者のあまりにもオタクじみた考えについていけなかった。
    テクジャイアントの目論みや世間的な潮流は理解したが、そんな未来が待ち受ける根拠に完全に共感とは至らなかったし、そもそも人々がそんな風に考え、こうも広まるのか未だに懐疑的ですらある。

  • メタバースとは何か
    抽象的な考え方で捉えにくい考え方を一冊の本にまとめてくれているのは、メタバースを理解する上で価値高い。
    メタバースとミラーワールドは異なる。
    これからはリアルに生きるか、バーチャルに生きるか、生き方の比重を選ぶ時代が来るかも。
    ただメタバース世界に移住しても格差はある。現実の地位を持って行けないから余計に技術が求められる。

    メタバースという自分だけに作られた心地の良い世界で、(フィルターバブルに守られながら)、生きていくのもこれからの時代の生き方の一つになり得る。
    本書の主張は
    「それでいいじゃない、もう一つの世界で生きて、死のうよ」

  • ファクトを知りたい自分には冗長だった。無理やり引き延ばして新書1冊にした?

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著者プロフィール

中央大学国際情報学部教授

「2021年 『デジタル/コミュニケーション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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