メタバースとは何か~ネット上の「もう一つの世界」~ (光文社新書) [Kindle]
- 光文社 (2021年12月24日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (268ページ)
感想・レビュー・書評
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リアルの模倣世界(メタバース的)は成功するのか
技術革新が進み課題等が解決、網羅されても果たしてそこに生の人間が入り込める「自分だけの、優しい、自由のある世界」があるだろうか。「恋愛」において、自分勝手な世界を満足するオタク(自分だけの孤独な世界)の世界に誰も継続して参画したいとは思わない。 -
テクノロジーとローカル文化が交差する社会学的かつ哲学的な難解領域をわかりやすく説くだけでなく、GAFAの戦略文脈でも明解にしてくれた。岡嶋さんの地頭の良さが光る一冊。読んで良かった。
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詳細は、『あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート』をご覧ください。
→ http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1704.html -
わかりやすく、読みやすい。メタバースについて理解出来る。やはりGAFAMが強そうですね。
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結局、メタバースとは何かがわからなかった。
ただ、最近のゲームの実装の話とか、コミュニケーション系のアプリのコンテンツを取り巻くアメリカや日本の状況を知ることもできた。
あと、GAFAMの各社がどういう方向性でメタバースに関わっているのか,関わろうとしているのかということもわかった。
タイトルにあるとおり、メタバースとは、まさにもう一つの世界ということが言いたかったことだったのだろうかと想像する。 -
メタバースを理解したい人におすすめ。
【概要】
●メタバースの定義
●デジタルツイン、ミラーワールドとの関係
●VR、AR、MRとの関係
●SNSのビジネス
●メタバースに関する技術的背景と人間の変化
●GAFAMの取り組み
【感想】
●メタバース、デジタルツイン、ミラーワールドについて頭の中を整理することができた。
●結局は、すべて企業の利益を中心に考えた作り込みになっていくのだなと理解した。メタバースなどにおける需要が増えるためには、企業は顧客一人ひとりが居心地よいと思える空間を作為する必要がある。そこには、フィルターバブルによる情報の偏りが及ぼす社会への影響などは何も考慮されていないだろう。
●このような動きは、SNSが世論を動かす道具として扱われフィルターバブルによる危険性をはらんでいるとわかっていてもどうにもならない。これがメタバースという空間に拡大した場合、世の中がどのように変わっていくのか。
●例えば、反社会・反政府の集団がメタバースの中で勢力を持ち、組織を拡大させ現代の社会で行動を起こすようになったらどうするのか、このようなことを考えると法整備は重要で喫緊の課題であることがわかる。
●コトが起きてから動く日本の対処療法では予防措置をとることはできず、多少なりとも犠牲が生じてからになるのであろう。このことは過去を振り返れば、インターネットやSNSに係る犯罪でもそうであったし、最近の人工知能やChat-GPTに対する法整備の遅れからも理解できるだけに残念でしかたがない。 -
どうにも先日読んだ「テクノロジーが予測する未来」は消化不良だった。この本の方が私の日常に近いものがあり、また技術的なことから入ってくるのではなく、ユーザー側の方から書かれているので、近未来のインターネットやWEBの状況等について理解できたと思う。しかし、ゲーム関係の説明は理解不能であった。少なくとも現在のGAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)の状況と彼らがメタバースの実現に向けて現在申告形で何をしようとしているのかについてある程度理解できたと思う。しかし、ほぼ100%リアルの世界、そしてその延長上で日常生活を送っている私からするとメタバースが本当に現実化するにはかなり時間がかかると思われる。映画のマトリックスの世界が現実になるには時間がかかるのだ。
やはり、近未来では現実世界とは全く別にゲーム感覚で遊ぶものになるのではないだろうか?
あるいは遠隔操作等医療や特殊な分野で実用化はできるかもしれない(一部は実現してはいるようだが)。 -
人の価値観がどんどん変化していく、、、
私たちの中高年世代がメタバースを取り込んでいくと、これまで想像していた老後が様変わりしていくだろう。 -
本書を読んで感じたのはメタバースとは宗教のようなものだということ。偽宗教とでもいえばいいのか。現実社会に満足できず、居場所がない人が逃げ込む世界かもしれない。
本書が指摘しているようにメタバースが理想郷であるとは言えない。その世界を作っている企業の収益の歯車になることを甘んじて受けることで、現実では実現できない幸福(のようなもの)を得るというものなのだ。人間が作り出した別の世界だ。世界の創始者がいるという点では神々の世界観に似ている。
メタバースを支えるのはVRを演出するさまざまなテクノロジーであるが、もう一つ大切なのが世界の仕組みづくりだ。あるいはその中で起こるエピソードの演出だろう。すると今後のメタバース構築で活躍するのは必ずしもエンジニアだけではないのかもしれない。
筆者が自らオタクを任じ、メタバースの中で死んでもかまわないというのは、論理上の虚構だとしても少々複雑だ。現実社会にとどまっているからこそ、メタバースの何たるかが語れる。もし本当に没入してしまう事態となれば、こちら側からみると極めて異常な人間に見えるはずだ。そしてその人はもはや現実社会の言葉ではものが言えなくなる可能性があると感じた。