黛家の兄弟 [Kindle]

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  • 講談社
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感想・レビュー・書評

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  • 藩の重臣が主人公というのも面白い。

    友情あり恋愛あり、謀略あり、チャンバラもあり、と。
    時代小説の楽しみ要素がたくさん詰まっているように思う。

    これからも読むのが楽しみな作家さん。

  • 2023.12.23
    三男坊だから許される未熟さと受け止められる場面が多い。それをどう評価するかが別れる作品。家を守る大変さを感じる。
    天候、動物、樹木などの美しい描写には感服。

  • 黛家は神山藩筆頭家老の家柄、新三郎は名の通りの三男坊。嫡男以外には様々な鬱屈があるのが、武家の宿命。新三郎は大目付の家に婿に入るり、長男は藩主の姫を娶り、お家騒動に巻き込まれる中でのそれおぞれの兄弟の兄弟への想いを描いている。歌舞伎の時代物でみるような、癖のあるもん同士のやり取りがあったり、それぞれの兄弟の置かれた立場でやむなく背負わされた宿命の中であがく、人としての機微が細かく、丁寧に描かれている。謎解きの要素もあって十分に楽しめる。

  • じわっと来る。兄弟っていいなとか。なんて辛抱強い家系なんだ、とか。善と悪ってなんだろうとか。日本酒飲みたいなとか。堤を直すのに3万両もかかるのか。などなど
    家を保つことの難しさも描かれていて、身体が丈夫な事が本当に大切なんだ、とわかる。どんな悪人でも自分の子どもは大切だし、期待するし、ガッカリする気持ちもわかるし。新三郎は友を失い残念だったけど、読んでよかった!
    神山藩シリーズ、まだ続くみたいなので、楽しみ(^-^)

  •  「高瀬庄左エ門御留書」が直が木賞・山本周五郎賞候補となり、一躍、時代小説の旗手となった砂原浩太朗。
     新作の舞台も、前作に引き継ぎ架空の藩である神山藩。代々筆頭家老に生まれた三兄弟の物語。お家騒動、身分社会のなかで、権力闘争繰り広げられる世界に、家族の情愛がからむ。デビュー作の「いのちがけ 加賀百万石の礎」を含め、「砂原世界」が確実に構築され、時代小説のメインの書き手となった。
     前作より、ストーリーの展開がより多面的・ドラマティックとなり、小説のおもしろさがより磨かれた。今後の作品に一層期待。

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著者プロフィール

1969年生まれ、兵庫県神戸市出身。早稲田大学第一文学部卒業。出版社勤務を経て、フリーのライター・編集・校正者に。2016年「いのちがけ」で第2回「決戦!小説大賞」を受賞。2021年『高瀬庄左衛門御留書』で第34回山本周五郎賞・第165回直木賞候補。また同作にて第9回野村胡堂文学賞・第15回舟橋聖一文学賞・第11回本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞、「本の雑誌」2021年上半期ベスト10第1位に選出。他の著書に『いのちがけ 加賀百万石の礎』、共著に『決戦!桶狭間』『決戦!設楽原』『Story for you』(いずれも講談社)、また歴史コラム集『逆転の戦国史』(小学館)がある。

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