爆弾 [Kindle]

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  • 講談社
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感想・レビュー・書評

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  • 呉勝浩さん『爆弾』

    スズキタゴサク、49歳、170センチ、80キロ
    太った身体にクリッとした瞳。
    酒屋の店員を暴行し逮捕され取調室に連行される。

    通称タゴちゃん…、
    この人が本当に怖い(((;゚Д゚)))
    一見どこにでもいるような中年男性、
    このタゴちゃんが
    何も出来ない自分ですが警察のお役に立ちたいと、爆弾事件を次々と予知していく。

    続く爆発、増える死人ケガ人、東京に広がる恐怖とパニック、過熱していく警察に対する怒り。
    慌てる警察はタゴちゃんから、何とか次の爆破の時間と場所を聞き出そうとする。

    人の心を読み取り、心の醜い部分を引き出す天才のタゴちゃん。

    マジックミラーも録画も録音も出来ない密室の取調室で、取調官は、まるでゲームでもしているようなタゴちゃんの本性を引きずり出そうとするが、反対に取調官の本質に迫られ本人も気付いていない闇の部分暴かれそうになる…。

    タゴサクの核心に迫ろうとする3人の刑事。

    タゴサクにかかわる事で、超えてはいけない一線を超えそうになりながら、なんとか心を保とうと抗う心情と緊張感が伝わってくる。

    無差別連続爆弾を起こす理由は?
    タゴサクの心の中は?
    タゴサクを取り調べする3人の刑事は超えてはいけない一線を超えてしまうのか?

    爆弾事件の真相が知りたくて知りたくて、最後まで一気読みでした。
    おもしろかったー!

    • 土瓶さん
      まっちゃん、こんばんは~^^
      人気作ですよね。
      いいなぁ~。
      図書館で予約しようとしたら351番。
      ちょっと時間がかかるかな_| ̄|...
      まっちゃん、こんばんは~^^
      人気作ですよね。
      いいなぁ~。
      図書館で予約しようとしたら351番。
      ちょっと時間がかかるかな_| ̄|○
      2023/02/23
    • 松子さん
      どんちゃん、おはよー(^^)
      おぉっ、351番…うーん、
      だいじょぶだいじょぶ_| ̄|○\(^-^ )
      351番なんてあっという間だよ…、た...
      どんちゃん、おはよー(^^)
      おぉっ、351番…うーん、
      だいじょぶだいじょぶ_| ̄|○\(^-^ )
      351番なんてあっという間だよ…、たぶん…。

      昨夜は映画ブルージャイアント観てきました!
      音楽サイコォーだったよ(≧∀≦)
      2023/02/24
  • まずは、このミス2023年版受賞おめでとうございます!!

    読み終えた直後である今の読後感としては、スゴいモヤモヤとした気分ですが、エンターテイメント性が高いと好評され、先の受賞に繋がる作品であることは間違いないと感じました。面白さは群を抜いています!!

    スズキタゴサクと警察陣を中心に繰り広げられる爆弾探しの展開は、クイズ形式で始まりますが、後半からスズキタゴサクと互角以上の頭脳戦を披露する類家は格好良いと感じたし、なんだかんだで等々力の推理も、義に熱い倖田も、登場する警察陣一人一人が格好良い。

    一方で、そんな警察でも誰でも、人間であるからこそ抱く感情や行為、正義と悪の境界線、偽善や傲慢、生と死の価値観など、普段読む作品では中々書かれることのないリアリティな言葉に読者を共感させ、洗脳される気分になりました。スズキタゴサクは本当に悪なのか?と思うほどに……。

    私の心の形は、一体どんなモノになるのかゾワッとしました。

    付録:
    今年観始めたYouTubeチャンネル『ほんタメ』にて、呉勝浩さんのインタビューと、ヨビノリたくみさんと齋藤明里さんによる八重洲ブックセンターを舞台とした爆弾探しの企画動画がお気に入りで何度も見返しています。気になる方は一度ご視聴あれ。

    2023/5/1追記
    20年前、同級生のオススメで観た洋画『ユージュアル・サスペクツ』にとても近い印象でした。

    • ぴょこにんさん
      はじまして、コメント失礼します。
      返信する方法が分からなかったもので、、。
      先程はコメントいただきありがとうございます!

      私もすぐに映像化...
      はじまして、コメント失礼します。
      返信する方法が分からなかったもので、、。
      先程はコメントいただきありがとうございます!

      私もすぐに映像化しそうな作品だと感じました。スズキタゴサクのサイコ役を誰が演じるのやら。私は阿部サダヲさんで脳内再生されてましたね。

      重松清さんいいですね!
      「とんび」以外読んだことがなかったので、お勧めいただいた小説も読んでみようと思います。
      2023/01/11
    • マメムさん
      ぴょこにんさん、コメントありがとうございます。嬉しいです。

      阿部サダヲさんで脳内再生は、『死刑に至る病』の印象が強かったのですかね?
      でも...
      ぴょこにんさん、コメントありがとうございます。嬉しいです。

      阿部サダヲさんで脳内再生は、『死刑に至る病』の印象が強かったのですかね?
      でも良いキャスティングですね♪
      佐藤二朗さんだとギャグ映画になっちゃいますもんね(笑)

      『きみの友だち』は本棚に感想書いてますが、前情報無しで読んでみるのが良いと思います♪
      ぴょこにんさんの感想、楽しみにしてますね。
      2023/01/11
  • 一気に読んだけど、巷の評価ほどまでには私は面白いとは思わなかった。興味が引かれる登場人物が出てこないからかなあ。

  • この作品はえぐすぎる。人間の本性があぶり出される。秋葉原通り魔事件や京都アニメーションスタジオ放火事件など無差別にテロ的な行為を行う事件はこれまでも多々報道されてきているが、実際の立場になってみないとわからないことは本当にたくさんあると思う。そして、それを実際にニュースなどでしか見ない我々にとってはある種、夢物語のようであり、想像がしにくい部分がたくさんある。
     この作品は「それって結局本当のところはどうも思ってないということだよね?」ということをとことん、生々しく、おどろおどろしく突き詰めている。作家の身のさらけ出しには感服するほかない。スズキタゴサクの言葉回し、よくあんなのを思いつくなあと思う。私だったら書いていながら気が狂いそうになってしまう笑。
     所々挿入される学生の会話のシーンが警察が理性で戦っている部分と対比になっており、読む度ひたすらに辛い。知らない人からすると事件というのはそういう見方になるのかもしれないが、人の残酷さを改めて本を通じて感じた瞬間でもある。

  • 前半はスズキタゴサクと刑事のやり取りを面白く読んでいたが、後半は類家とのやりとりで一気に面白くなり、この先どうやってスズキタゴサクを追い詰めていくのか気になり、一気読みでした。スズキタゴサクの感情やそれぞれの刑事の感情が混ざり合い、複雑だが面白かった。

  • 評価3.7
    kindle 438ページ
    キャラ描写が上手く、キャラが立っている。スイスイ読める。個人的には長谷部の性癖は許容できるし、何も悪くない。少なくとも彼の正義は正当化されてほしい。清宮、類家など通常嫌われがちなキャリア組もいい味を出している。
     被害者はさほど出さないのかとも思ったが意外とタゴサクが容赦ない。徐々に被害は拡大しもはや勝者はいなくなりそう。警察関係者も等々力以外は全滅か。後味の悪い最後になりそうで怖い。
     ただの性癖で犯罪でもないのに長谷部家がここまでになるのも恐ろしい。これも救われない。タゴサクのクイズもこうなると正確性に欠けてるし、ゆかりが登場してる意味もわからない。最後も各登場人物のその後は描かれておらず消化不良。もはや最後の爆弾なんてどうでもいい。面白かったが尻すぼみ。これがこのミスを取ったとは、少し残念。

  • 読むのがつかれた。
    確かに面白いけど、スズキタゴサクの動機が不透明すぎる気がした。
    途中のノンストップな展開は面白い。
    自分はこういう展開好きなんだと思う。

  • Audibleにて。
    中々の厚みがある作品の為耳だけで不安でしたがナレーターの方々の臨場感のある台詞回しに途中で止めてもすんなりと聞けた。

    スズキタゴサクが気持ち悪くてヒント部分を聞いてる時にずっと顔が歪んだ。気持ち悪すぎて笑
    でも話の進みを止められなかった。後半は一気に読んでしまうというレビューが多かった理由がめっちゃわかりました。

  • 率直に、この人の他の作品も読んでみたいと思わせるような内容でした。

    得体のしれない爆弾魔と警察官の論戦、まるでゲームのように伝えられていく爆弾の位置を、警察は読み切ることができるのか、そして犯人の狙いは一体何なのかというようなことが大体のあらすじです。

    犯人と思われる爆弾魔の設定がとても良いです。掴みどころがなく、奥底に潜む不気味さを感じさせます。そのくせ、相手の心理を読むことに長けていて、どんどんと正義である側の警察の本性、人間が持っている本質についてあらわにしていきます。

    物語全体を通して考えさせられるのは、命の価値、平等性です。知らず知らずのうちに順位をつけてしまっているのではないかと。しかし、そういった持たざるべき感情も含めて抱えながら生きていくのが人間であると考えます。

  • 面白かった。異常な人がいるということと、それに日々、対応している警察官。大変な仕事だ。

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著者プロフィール

1981年青森県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。現在、大阪府大阪市在住。2015年、『道徳の時間』で、第61回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。18年『白い衝動』で第20回大藪春彦賞受賞、同年『ライオン・ブルー』で第31回山本周五郎賞候補、19年『雛口依子の最低な落下とやけくそキャノンボール』で第72回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)候補、20年『スワン』で第41回吉川英治文学新人賞受賞、同作は第73回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)も受賞し、第162回直木賞候補ともなった。21年『おれたちの歌をうたえ』で第165回直木賞候補。他に『ロスト』『蜃気楼の犬』『マトリョーシカ・ブラッド』などがある。

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