くるまの娘 [Kindle]

著者 :
  • 河出書房新社
3.16
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本棚登録 : 208
感想 : 22
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感想・レビュー・書評

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  • これは濃い口!!濃いぃ文章が体になだれ込んでくる!これから心に残りそうな家族小説!

    前作「推し、燃ゆ」や「かか」を超える濃いぃ文章でめちゃくちゃ身体の中に物語が入ってくるし心を揺さぶられる!!ページ数にしたら数ページやのに長編読んだくらいの心のブルンブルンっぷり!!やっぱり読書っていいものやなぁ〜!!

    心に響く家族小説         ★★★★★
    文学の凄さを実感         ★★★★★

  • 自分の重荷になるものは全て捨てて自分の為の生き方を選択できる者もいれば、自分以外の人との繋がりに縛られて生きる者もいます。特に自分を縛るものが家族であれば捨てるという選択は簡単に出来るものではないと思います。脳梗塞で半身に後遺症を残し酒におぼれる母や、教育熱心ではあるけどキレやすく暴力をふるう父という平穏とは言い難い家族環境。兄はそのような家族を捨てて自分の人生を歩みますが、うつ病になりながらも両親を捨てて家を飛び出すことはできない妹は対照的です。祖母の葬式を機に母が提案した車中泊を通して、家族と向き合いながら今までとこれからを考える旅。様々な事を思い出す中には父に暴力を振るわれたこともあるものの、果たしてそこまで不幸だったのか。思い出による美化もあるかもしれませんが、確かに愛されていた記憶もありました。そして「私の親でもあり子でもある」と両親もまた子供から愛されることを必要としていたと認識し抱え込む生き方を決意する。それは家から出た兄の生き方とどちらが正しいかというものでもなく、それぞれの選び方が違うだけだったということだと思います。車中泊旅行の最後の大喧嘩の後には、妹は奇妙な車中泊を続けることになってしまいましたが、意外と今までとは違った平穏が訪れた家族。それは家に居続けるでも、家を飛び出すでもない、ほんの少しの距離感の変化でしたが、何かが変わっていくような希望を感じられたと思います。

  • (受け取ったメッセージ)
    「地獄の本質は、続くこと」
    祖母、父、子供達へと負の連鎖が断ち切れない。

    (あらすじ)
    DVの父、それに耐える家族。兄は出て行った。主人公のかんこは高校へ通えなくなっている。母も幼児のように振る舞うときがある。
    かんこは、兄が自分たち家族を捨てたと感じている。

    祖母が亡くなり、父の実家へ。
    は母は思い出の遊園地で
    みんなで写真を撮りたいという.
    かんこはその期待に、健気に応えてあげる。

    かんこは、車で住むことにした。
    母が食べ物を運んでくれる。
    母が運転して学校へも通えるようになった。

    最後の場面で、父が兄弟姉妹そろって実家を片付けに行ったら、自分のアルバムだけがなかったと、かんこに話す。父は幼少期、1人だけ冷遇されていたのだ。


    (感想)
    重いテーマで、読後感も良くない。
    胸に迫る。
    父の昔の教育DVや、母への態度には辟易したが
    、そこに負の連鎖がある。
    きっぱり出ていった兄、情が厚く出ていけないかんこ。兄だけでなく、かんこもやはり自分のやりたいようにやっているともいえるのだ。なぜなら父母を置いていく自分のほうが出ていく自分よりいいと思っているのだから。ただそれは、かんこの本来の幸せとは違うだろう。とても難しい。

    ある時期、かんこのようなちちでなくとも、誰しも親が小さく見えるときがくる。その悲しさは多かれ少なかれ寂しく、わかる。

  • ただの天才か…
    親であり子ども、その通りだなと思った

  • 文が歳の人にはちょっと読みにくいです。

  • Audibleにて。
    車中泊の旅行、という設定に憧れがあり、手に取った。
    読んだら嫌な気持ちになるミステリのことをイヤミスというらしいが、これは読んだら嫌な気持ちになる純文学、イヤジュンとでもいうのだろうか?
    自分の思いどおりにならないと激昂・DV
    する父、病で半身麻痺・記憶障害・アルコール中毒をもつようになった母、そんな家族に見切りをつけ家を出た兄、鬱で学校に行けなくなった娘(主人公)、いじめを受ける弟。。。
    多かれ少なかれ似たような欠点はみんなあると思うが、それらを煮詰めたような家族の話。
    例えば父の言動は極端ではあるものの、頭をよぎるぐらいはあるのではないかと思う。
    周りからすればそれを外に出す人間かどうかがすべて。
    外に出さずにいられないか、心の内にとどめておけるか、何が境目なんだろう?

  • ふむ

  • 共感しかなかった。
    あまりに自分の体験に酷似しているので辛さを超えて逆に笑ってしまった。
    辛かった事を辛かったと真正面から受け止めると既に壊れている家族が成り立たなくなるので全員で何も無かったかのようにしてしまう事を罪と言える言語能力がとても素晴らしい。

    主人公の加害性もそうだけど、こういった小さな輪の中での同調圧力の描写に作家の誠実さと芯の通った部分を感じる。好きだ。

    以前こういう状況だった身としては、今が最高に幸せだって噛み締められる一冊でした。

  • うーん、、苦しい話
    弟以外どの登場人物にも共感できなかった。
    ずっと展開が緩い。

  • 正直期待をしすぎた。
    淡白な内容で時間が進むのがゆったりしているから私には刺激が足りなかった。

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著者プロフィール

1999年生まれ。2019年、『かか』で文藝賞を受賞しデビュー。同作は史上最年少で三島由紀夫賞受賞。第二作『推し、燃ゆ』は21年1月、芥川賞を受賞。同作は現在、世界14か国/地域で翻訳が決定している。

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