コーダ あいのうた [DVD]

監督 : シアン・ヘダー 
出演 : エミリア・ジョーンズ  トロイ・コッツァー  マーリー・マトリン  ダニエル・デュラント  フェルディア・ウォルシュ=ピーロ  エウヘニオ・デルベス 
  • ギャガ
4.12
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感想 : 76
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Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4589921415224

感想・レビュー・書評

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  • 主演のエミリア・ジョーンズの歌が伸びやかで耳に心地よい。作品の中に登場する名曲の数々も楽しく素敵で音楽のチョイスが最高!
    フランス版の『エール』も以前に鑑賞して、環境や置かれてる立場の違いはあるものの、とても良かったけど、リメイク版のこちらの作品は聴き覚えがあるような…他の映画にも流れていた曲だったり、すんなり心に入ってゆくような感覚でした。

    マイルズ役のフェルディア・ウォルシュ=ピーロは、登場した時に「あれ?どこかで見たことあるぞ!」ってピン!( ・∇・)ときた。少しひ弱そうなイケメン君!私の好きな
    「シング・ストリート未来へのうた」で主演だった子だって気付いた(*^^*)あの映画も音楽の楽しさを伝えてくれるハッピーな青春ストーリーだったと思う。たしか?ビートルズに憧れてバンドなんか組んじゃって…彼自身もっと若くてもっと可愛くて凛々しさ残る表情が思い出深い(◔ε ◔ ❀

    音楽が醸しだす…心に響く感動を素直に明るくレビューしたのだけれど…
    健聴者の私にとって、音楽は耳に聴こえる心地よいリズムが心を震わすもの
    だけど、ろう者に届かぬ音楽を想像出来るだろうか?聴こえない世界のことを、どんなに想像を働かせて思い浮かべようとしても、それを想像することも感じることも出来ない。
    家族でさえも…。ろう者が可哀想で気の毒だとかの問題ではない、想像出来ないから寄り添って感じることすら難しいし、出来ないと思う。
    それを感じようと躍起になるから余計、問題が大きくなるのかもしれない。
    歌に才能を持つ娘がコンサート会場で仲間と歌う姿は見えるけど、歌を褒めようにも、
    その声は届かない。
    音をシャットアウトした映像に…
    そこに置かれている状況を垣間見ても、その立場になって感じることは出来ないのだ!
    音楽や声が反映しないから…持て余す時間に「今日の夕飯は何にしたらいいかしら?」
    と声にならない呟きの違和感が痛い。
    分かりあえない壁があることを突きつけられた感じがしました(。-_-。)
    誰も悪い人間のいない優しさに満ち溢れたベタな家族愛を描いていても…実情の厳しさに目を背けてみていることに気づく
    それでも、オーディションのシーンで歌われる曲、ジョニ・ミッチェルの
    ”青春の光と影”『Both Sides Now』
    試験のラストシーンで自らの体験に沿うように伸びやかに歌うルビーに涙が溢れた。
    家族に向けて。家族に伝わるように手話を交えて…その場面には涙を抑えることは出来なかった。
    自然に溢れる涙の意味を問う必要もないくらい、号泣してしまった(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
    届かぬ声にも伝わるメッセージと通じ合う思いがあることを知った。
    何気に優しい家族の愛を振り返る。
    聴こえることに心に障害を抱えもつ悲しみ、夢みるまだ若い彼女の気持ち。

    原題「Both Sides, Now」
    今、2つの立場から

    I’ve looked at love from both sides now
    From give and take and still somehow
    It’s love’s illusions that I recall
    I really don’t know love
    I really don’t know life at all
    ……
    私は何も分かっちゃいないんだと感じた。
    この歌には作品が伝えようとしているものが詰め込まれている気がしました。

    ネタバレ注意の概要…
    家族の中でただひとり耳の聞こえる少女の勇気が、家族やさまざまな問題を力に変えていく姿を描いたヒューマンドラマ。
    2014年製作のフランス映画「エール!」のリメイク。海の町でやさしい両親と兄と暮らす高校生のルビー。彼女は家族の中で1人だけ耳が聞こえる。幼い頃から家族の耳となったルビーは家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。新学期、合唱クラブに入部したルビーの歌の才能に気づいた顧問の先生は、都会の名門音楽大学の受験を強く勧めるが、 ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられずにいた。家業の方が大事だと大反対する両親に、ルビーは自分の夢よりも家族の助けを続けることを決意するが……。

    テレビシリーズ「ロック&キー」などで注目の集まるエミリア・ジョーンズがルビー役を演じ、「愛は静けさの中に」のオスカー女優マーリー・マトリンら、実際に聴覚障害のある俳優たちがルビーの家族を演じた。監督は「タルーラ 彼女たちの事情」のシアン・ヘダー。タイトルの「CODA(コーダ)」は、「Children of Deaf Adults=“耳の聴こえない両親に育てられた子ども”」のこと。
    2022年・第94回アカデミー賞で作品賞、助演男優賞(トロイ・コッツァー)、脚色賞の3部門にノミネートされ、同3部門を受賞。ルビーの父親フランク役を務めたトロイ・コッツァーは、男性のろう者の俳優で初のオスカー受賞者になった。

    • 松子さん
      はひぃ、伝わって良かったぁ(´∀`=)
      思いを伝えるって難しいねっ(^^;;

      ひろみ、手話サークル入ってたんだね
      ろう者の方の思いを聞いた...
      はひぃ、伝わって良かったぁ(´∀`=)
      思いを伝えるって難しいねっ(^^;;

      ひろみ、手話サークル入ってたんだね
      ろう者の方の思いを聞いたり、
      手話を勉強して接する機会が多かったからこそ
      きっとコーダは、ひろみの中に色々な感動や思いが伝わって特別な映画なんだね

      ろう者の方の率直なおはなし
      一緒に笑いあっても、その距離の深さを感じるって切ないけれど本当に貴重な体験だね。
      私も聞いてみたかったなぁ
      ひろみは、色々な経験してるんだなぁ

      コーダ見てから、プレイリストにずっとBoth Size NowとBeyond the shoreとYou are all I need to get by入れてるよ♪

      また、色々な映画見て一緒に感動しようねっ
      2022/09/18
    • 松子さん
      ひろみ、お疲れ様!
      ひろみの本棚に方舟があるっ!
      読むなら送ってあげたかったぁー!
      めずらしく購入した本だよぉ
      読み終わって満足して売ってし...
      ひろみ、お疲れ様!
      ひろみの本棚に方舟があるっ!
      読むなら送ってあげたかったぁー!
      めずらしく購入した本だよぉ
      読み終わって満足して売ってしまったぁ(涙)
      2022/09/30
    • hiromida2さん
      まっちゃん!は〜いઈ(◕ั◡◕ั)ノ
      まっちゃん、優しいね〜(;o;)ありがとう♪
      気持ちだけで嬉しい(^O^☆♪
      積読本整理してから読む気...
      まっちゃん!は〜いઈ(◕ั◡◕ั)ノ
      まっちゃん、優しいね〜(;o;)ありがとう♪
      気持ちだけで嬉しい(^O^☆♪
      積読本整理してから読む気満々(^_−)−☆
      2022/09/30
  • 2022年日本公開作品。どうも知ってるなあと思いながら鑑賞しました。「エール」が原作なんですね。「エール」に比べるとアメリカ的になってるような。でも、感動しました。両親・兄が聾者、一人で3人の通訳をつとめながら、歌うことが好きな主人公。音楽教師との出会いから自分の可能性を感じて、音楽の道を志そうとしますが彼女に依存する両親の為に夢を断念しようとします。鑑賞後には爽やかな気分にさせてくれます。音楽って、いいですね。全くの蛇足ですが、父親役の方が、ラモス瑠偉さんに似てるような。音楽教師がフィギュアスケートの高橋大輔さんに似てるような。

  • Amazonプライム視聴

    視覚障害の家族のなかで、唯一、障害を持たない少女。いつも通訳として生活してきた彼女の大好きなことは歌うこと。
    彼女の選んだ道とは。
    過保護過ぎるお母さんは少しもやもやとしたが、お父さんやお兄さんの潔さがいい。
    歌が心地よい映画。
    ヤングケアラーとか、今なら言われるんだろうな。

  • タイトルの“コーダ(CODA)”は、Children of Deaf Adults=“⽿の聴こえない両親に育てられた⼦ども”という意味で、⾳楽⽤語では楽曲や楽章の締めを表す=新たな章の始まりという意味も持つ。
    ルビーが育ったのはたまたま聾唖障碍者家族でそこから巣立っていく少女の成長物語だったと思う。ルビーは両親と兄の4人家族の中でひとりだけ耳が聞こえるため家族の通訳係として家業である漁業を毎日欠かさず手伝っている。聾唖障がい者家族が背景となるとつい身構えてしまうのだが、何ともこの家族は奇を衒い過ぎではと思われるほど性に大らかだし明るくあけっぴろげな家族に描かれている。(「CODA」はオリジナルであるフランス映画の「エール!」のリメイク版で、エールで描かれている家族のキャラクターも引き継がれている要素が多い)。妙に障がいを律儀に仕立てていないところに好感を持てたし成功したと思う。観客は個性豊かな家族の面々に戸惑いながら、ろう者や聴者の壁を取り払って純粋にルビーの歌声を堪能し応援できたのだから。
    ルビーを演じたエミリア・ジョーンズの歌声は素晴らしかった。大学受験の際に彼女が歌ったジョニー・ミッチェルの「青春の光と影」は手話付きで、今更ながら歌詞をかみしめることができ良かった。

    気になったところがある。ルビーが「生まれた自分が「聞こえる」と分かった時にどう思った?」と、母ジャッキーに訊ねるシーンがあった。ジャッキーは「分かり合えないと思い悲しくなった」と告白する。理由は、ジャッキーの母親は聴者だったからジャッキーとわかりあえなかったと感じていたからなのだが、ずしんと堪えた。母親だったら、子供は聴こえて欲しいと切に願うものではないだろうか。腑に落ちないのは、私が聴者で彼らの置かれた立場を理解できないからかな?

    • あおいそらさん

      しずくさんの指摘したお母さんの視点、考えさせられました。もしかしたら、母親としては、聴こえて欲しいと思ったけれど、人間同士として、女同士...

      しずくさんの指摘したお母さんの視点、考えさせられました。もしかしたら、母親としては、聴こえて欲しいと思ったけれど、人間同士として、女同士として理解しあえたら、という願いがすこしだけ、でも強くあつて、それを伝えたのかもしれませんね。
      明るくて元気なお母さん、見事に乗り越えていましたよね。
      2022/12/03
    • しずくさん
      あおいそらさん、コメントをありがとうございます!

      >母親としては、聴こえて欲しいと思ったけれど、人間同士として、女同士として理解しあえ...
      あおいそらさん、コメントをありがとうございます!

      >母親としては、聴こえて欲しいと思ったけれど、人間同士として、女同士として理解しあえたら、という願いがすこしだけ、でも強くあつて、それを伝えたのかもしれませんね。

      おっしゃる通りかもしれません!
      あのお母さんだからこそルビーはたくましい女の子に成長したのでしょうね。

      温泉へ行かれましたか? 寒くなり冬らしくなってきたこの頃、温かいお湯が恋しくなってきました。私は今日も紅葉を観ながら山歩きを満喫しましたよ。
      2022/12/03
    • あおいそらさん
      温泉、行きたい!なかなか山歩きはできませんが、気持ちのよい空気を吸うことで、気分転換できますね。読書や映画は、すぐに非日常に飛び出して、心の...
      温泉、行きたい!なかなか山歩きはできませんが、気持ちのよい空気を吸うことで、気分転換できますね。読書や映画は、すぐに非日常に飛び出して、心のリフレッシュすることのできる素敵なツールだと思います。
      2022/12/05
  • 主人公ルビーのエネルギーに元気をもらう。

    両親兄ともろうあ者の家族でルビーのみが耳が聞こえる。生まれた時から家族と社会の耳になってきたルビー。毎朝学校に行く前に父と兄の漁船に乗って手伝う。3人とも聾啞者だからといって閉じこもってはいなくて、父はひょうひょう、兄は頼りになる。母はその昔美人コンテストで優勝したのが自慢。だが見ているうちに母も自分ひとりでは健常者だけの社会で意思疎通できないという自信の無さから閉じた世界にいるのがわかってくる。

    だが、学校のクラブで合唱部に入り、先生の選抜でマイルズとデュエットを組むことからルビーと家族が変化する。この音楽の先生がとてもいい。生徒をまるごと受け入れしかし前に押し出してくれる。こんな先生に実際に出会えていたら学校生活も楽しかっただろうなあと見ていて思う。ルビーも先生の指導にきちんと応えているから、学校生活が上手くいくってその相互作用なんだろうなあ。

    善意のある環境で、しかし自身も前向きに生きる、という理想を描いた。

    なんといってもルビー役のエミリア・ジョーンズが素晴らしいのだが、マイルズ役のフェルディア・ウォルシュ=ピーロも初々しい高校生役でよかったなあ。

    2021アメリカ
    2024.1.27BS1

  • 人生の目的など考えたことなく夢など持たなかった女子校生が友や先生に恵まれて、夢を追いかけようと家を出て大学に進学する物語、だけだと初恋と成長の物語に感動できたかもしれませんが、ここにヤングケアラーという枷を課したことからヒューマンドラマになります。そうすると事がすんなり行きすぎて釈然としません。操業を止められて多額の罰金を課せられるという、この難題はどのように解決したのでしょう。(見逃したのでしょうか?)健常者とコミュニケートできない家族が立ち上げた漁業組合はどうして軌道に乗ったのでしょう。解けないような難題をいかに突破したか、ここを見せてくれないと感動に到りません。拍子抜けするばかりです。

  • フランス映画『エール!』のリメイク。
    ルビーの両親と兄は耳が聞こえず、彼女は漁師である父と兄の漁や通訳を手伝いながら、ハイスクールに通っている。
    彼女は歌が好きで、音楽教師のすすめでバークリーに進みたいと思うようになる。

    でも、歌がそもそも家族にとってはなきにひとしい存在であるため、また、自分がいなくなったら家族が生活していけなくなることを心配し、ルビーは進学をするべきかどうか、葛藤の日々を過ごす。

    カメラは比較的透明で、物語をかたることが主眼になっている。家族とルビーの、ちょっと下ネタありのコミカルなやりとりに噴き出した。

    音が聞こえない側からの世界があまり描かれていないなと思いつつ観ていたら肝心のところで効果的に視点が切り替わり、あれこれ書いてるけれど、けっきょくボロ泣きした。とくに、両親と兄が、観客の反応を見てルビーの歌の力を実感する場面。

    ストーリーもほとんど予測がついたにもかかわらず、がまんができなかった。
    山田洋次の映画にうっかりほろっときてしまった時ぐらいに悔しい。やめてほしい。

    ちょっと冷静になって泣き所を分析してみると、人間、人間以外の動物問わず、他者の世界観に触れると弱いらしい。この人、あるいはこの動物には世界がこんなふうに認識されているんだとわかった瞬間が。

  • 2023年12月30日
    20:29

    米国マサチューセッツ州、聾の家庭に生まれた聴者のルビーが主人公。家業の漁業を手伝うため父、兄、と同じ船に乗り、交渉や連絡を通訳として助けながら、高校に通う。歌を愛し、ハンサムなマイルズに惹かれ合唱サークルに入り、Mr.Vことヴィラボラス先生と出会い、自らの美しい声の可能性を知る。

    家業の変化もうけ通訳としての責任が重くなる中で、自分のやりたいこと・楽しむことを知り、同世代のように青春を楽しめない環境に葛藤を抱えるビリー。名門大学・バークリーへの進学の道に、必ずしも家族の理解を得られない中、自分を殺して生きる覚悟を固めたのち、彼女は学校のコンサートの日を迎え、聴覚を持たない家族もそこに集まる。
    表情豊かにサイン・ランゲージで意思疎通を図るロッシ家の面々。聴覚があろうがなかろうが、生きるための情熱は一緒だし、家族への思いも変わらない。力強い一個人である。
    ルビーがマイルズとデュエットをするシーン、音の聞こえない両親が、周囲で心打たれる人々の姿を知る。音が消えるその目線は、聴覚を失ったベートーヴェンが交響曲第九番を成功させた際の有名な逸話のよう。

    音がないからといって皆が皆”大人しく”生きる必要はない。自分らしく、強く生きるロッシ家の面々。幼くして大人であることを強いられたビリーは、それでも逞しく世界を拓いていく。高い崖から飛び降りるように。愛情にあふれた素敵な映画でした。

  • 豊かな自然に恵まれた海の町で、両親フランク(トロイ・コッツァー)とジャッキー(マーリー・マトリン)と兄レオ(ダニエル・デュラント)と暮らす高校生ルビー(エミリア・ジョーンズ)は、家族の中で一人だけ耳が聞こえる。
    ルビーは幼いころから、陽気で優しい家族のために通訳となり、家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。
    新学期、ルビーは秘かに憧れるクラスメイトのマイルズ(フェルディア・ウォルシュ=ピーロ)と同じ合唱クラブに入部する。
    顧問のベルナルド先生から歌の才能を見出されたルビーは、都会の名門バークレー音楽大学の受験を強く勧められる。
    しかし、ルビーの歌声を聴くことができず、娘の才能を信じられない両親は、家業の方が大事だと大反対する。
    ルビーは悩んだ末、夢よりも家族の助けを続けることを選ぶが、父は思いがけない方法で娘の才能に気づき、意外な決断をする……。
    サンダンス映画祭4冠に輝き、映画祭史上最高額の約26億円で落札されたヒューマンドラマ。仏映画「エール!」のハリウッドリメイク版。
    《第94回アカデミー賞®<作品賞>含む、主要3部門受賞!【作品賞・助演男優賞:トロイ・コッツァー・脚色賞】》《サンダンス映画祭史上最多4冠!【グランプリ・観客賞・監督賞・アンサンブルキャスト賞】》

    この映画のテーマは、聾唖の両親とヤングケアラーの娘との関係が、大きな音で鳴る音楽を振動で聴くのが好きなフランクと周りの人のズレなど聾唖と健常者の僅かなズレを日常生活の中を描きつつ、聾唖の両親を大切に思っていているけどやりたいことが出来ないし家族から離れることを恐れていてモヤモヤを抱えているルビーと耳が聞こえるルビーを頼りにしながらも自分たちがルビーを家族に縛っている罪悪感を抱える両親の心情を丁寧に描いている。
    家族の世話をすることが重荷や鎖になっていながらも、自分の気持ちや才能を上手く解き放てないルビーが、合唱クラブの顧問ジェラルドことV先生が型破りな指導をルビーにすることで、知らず知らずのうちに抑え込んでいた歌の才能だけでなく年頃の女の子たちのように恋したりしたい好きな音楽の道を選ぶ成長譚になっている。
    音楽が、聾唖の両親と娘のルビーに溝を生むものだが、両親とルビーの家族として理解し合う重要なアイテムとなっているのが、全体的に音楽に頼らない抑制的な演出、中盤のルビーが参加する学園祭での発表会で突然無音になる演出や父フランクが彼なりの方法でルビーの歌を聴くシーンが、より両親とルビーの心情が痛切に描かれていてストレートに響いて泣ける。
    音楽を通して心通わせていくマイルズとルビーの恋、おせっかい過ぎてウザがられながらも娘ルビーが大好きな両親とおせっかいな両親をウザく思いながらも大好きなルビーのほっこりする親子愛、劇中でキャラクターの心情を表現するジョニ・ミッチェルなどの名曲が心を打つ、ユーモラスで心温まるヒューマンドラマ映画。

  • 耳の聴こえない両親と兄を持つ、女子高生ルビー。家族の中でただ一人、耳が聴こえるため、幼い頃から音のない家族と音のある世界をつなぐ役割を担っていた。家業と学業の両方をこなす多忙なルビーは、自分の歌の才能に気づく。

    音を知らない家族はルビーの才能を理解できないし、「耳」を担うルビーを必要とする。が、ルビーは自分の才能で自分の人生を切り拓きたい。今の社会では、障害者を介護する側とされる側の葛藤は珍しいことじゃない。

    それよりも、衝撃を受けたのは母がルビーに語ったこと。娘を生んだとき、自分と同じ聴覚障害者であってほしいと願った、と。親子であっても、同じ障害を持たなければ、わかり合えないというのは単純で残酷で、仕方のないことなのか。

    障害と家族愛をテーマにし、ルビーの才能と明るさに救われる、アカデミー受賞の見本的作品。介護のために犠牲になる家族という視点で鑑賞すると、社会的な重みも感じる。

  • 最初の船上の漁のシーンから一気に引き込まれて、あっという間にエンディング。良かった。

    ろうあ者が、ただの社会的弱者として描かれるのではなく、自立し、人生をエンジョイしている様子なのがとても良かった。

    でも、主人公は今の流行り言葉で言うなら、いわゆる「ヤング・ケアラー」で、この物語のラストは一応ハッピーエンドなんだけれど、現実世界に数多いるであろう人生の袋小路にいる子供たちを思って激しく胸が痛んだ。

    社会はこうした子供たちに対して何ができるんでしょうね?
    考えこまずにはいられなかった。

  • フランス映画「エール!」を忠実にリメイクしていて(違うのは父親の職業くらいか)、同じ映画を2回見たような感覚で、客観的な感想を書くことは難しいです。

    とは言え、障害をもつ家族に献身的に過ごしてきた娘が、ついに夢に向かって自立の道を歩み出す、感動的な話です。クライマックスの歌のシーンで音声を消す演出はやはりすごい。

  • 「エール!」のハリウッド版リメイク作品。
    「CODA」ってChildren of deaf adults の事なんですね。
    「聴覚障害(聴こえない)の親に育てられた健聴者(聴こえる)の子供を指す」となっていました。

    自分以外の家族が皆耳が不自由で話すこともできない、となると自分が彼らの通訳の役目を果たさなければならない「運命」を背負ってしまうのかもしれないが、それでもやっぱり自分の人生は自分の思う通りにやってみたい、というのは当然ながら苦悩するだろう。

  • 聴覚障害者家族とCODAを描きながらも、本質は普遍的な家族愛を高らかに歌い上げる感動的なヒューマンドラマ。ろう者で初のオスカー俳優となった父親役のトロイ・コッツァーはじめ、母親役はあの懐かしいマーリー・マトリン、音楽教師役のエウヘニオ・デルベスら脇も十二分なのだが、何と言ってもエミリア・ジョーンズの等身大の演技の魅力と歌声に最後まで魅了された。聴覚障害者から見える健常者の世界を上手く融合させた演出の妙も際立つ。

  • 映画館で観るタイミングを逃したのでレンタル解禁を待ち望んでいた作品。
    歌うことが大好きな17歳のルビー。父も母も兄もろう者でルビーだけが聴者なので、幼い頃から家族の為に手話で通訳をして支えてきた。ルビーの歌に可能性を見出し大学受験の道を進めてくれるV先生や、ルビーが密かに想いを寄せているマイルズなど脇を固めるキャストもとても良かった。
    そして最後の方のデュエットのシーンはやられた。まさかああいう見せ方をしてくるとは。涙なしでは観られない、家族の愛の物語。

  • 自分以外が聾者なために、小さい頃から通訳をしてきたことから、ルビーがどれだけ苦労してきたかが分かる。
    必死に手話を覚えたんだろうなぁ。

    耳が聞こえないことがどれだけ生きるのに大変なことか。「家族を馬鹿にされる気持ちがどんなか分からないでしょ!」とルビーがマイルズに放った言葉がとても心に刺さった…。

    家族の理解のおかげで、結果的に音楽大学に進学できたけど、一時は家族のために夢を諦めたルビーのやるせなさは計り知れない。

  • 金曜ロードショー 2022年
    アカデミー作品賞
    コーダとは、聞こえない親を持つ聞こえる子供のこと
    父母兄が聞こえない
    高校生ルビーはいつも家族の通訳係、困難を乗り越え親元を離れる内容

    辛口コメント…
    悪くはないが響くものが薄い
    歌の選曲も弱い
    譲歩したりもっとやり方あるでしょう、と突っ込み所満載だった

    合唱発表会での無音のシーンはよかった
    ろうあの家族は、娘の晴れ舞台を見に行くも、はじけものにされた感覚、感動できないことを「無音」で表現していた
    今までも似たようなことはあっただろうが、これには考えさせられた
    そして母親は、生まれてくる子がろうあであってほしかったと話す
    それは娘とわかり合えないと思ったから
    自分と母との関係を明かした
    切ない告白だった
    最後は親離れ子離れにも通ずる話だった
    感動的でしょという感じがして、ん~となる
    好き嫌いが分かれると思う

  • 星3.5
    主人公以外の家族が好きになれず、ヤングケアラーの主人公がかわいそうでならなかった。
    ただし、最後はこんなにうまくことが運ぶのだろうか。

  • 琴線に触れる良作。役者さんたちの演技はもちろん、上手いなーと思う演出がたくさん。特に素晴らしいのはやはりコンサートのシーンだろう。街の風景もきれいだ。
    欠落があるのが人間というものだし、ろうというのはその分かりやすい例であるが、誰しもにそういうのはあって、それを補うことが愛であり、補い合うことでひとつの調和が生まれる。それは決して自己犠牲ではない。自分本位な主義主張が目立つ昨今にあって、豊かな世界線を思い出させてくれる良い映画でした。

  • アカデミー作品賞受賞作。ツッコミどころ満載のストーリーだが、家族の絆を素直に描いた秀作となっている。みどころは、やはり聴覚障碍者目線でみたコンサート(音楽発表会)。まったく無音の状態で他の観客のしぐさや息吹だけで感じ取る演出は素晴らしく感動的。
    とはいえ、扱われているテーマは複雑で、家族の中で唯一の健常者である娘が、耳の聞こえない家族と一緒にいて助けるのはある意味、必然であろう。これを「奉仕」ととるか「犠牲」ととるかで意味合いが違ってくる。ポイントは、やりたいことを見出した娘にいつまでも家族の都合(手話通訳)を押し付けていいのかという点。
    それが間違っていると最初に気づいたのが兄で、そして両親も理解を示したことで、家族の絆はより強固となった。

    『コーダ あいのうた』(CODA)は、2021年のアメリカ合衆国・フランス・カナダのカミング・オブ・エイジ・コメディドラマ映画。監督・脚本はシアン・ヘダー。聴覚障害者の両親をもつ子供(コーダ)である10代の少女を描いており、主人公である彼女をエミリア・ジョーンズ、聴覚障害者の両親をマーリー・マトリンとトロイ・コッツァー、聴覚障害者の兄をダニエル・デュラントが演じた。他にエウヘニオ・デルベスとフェルディア・ウォルシュ=ピーロが出演している。

    ヘダーが最初にキャスティングしたのはマーリー・マトリンである。企画中に映画の出資者たちは他の聴覚障害者の役に聴覚障害者の俳優を起用することに抵抗した。マトリンは聴覚障害の俳優を起用しなければ降板すると言い、最終的に出資者らはこれを受け入れた。
    ヘダーはこのキャスティングがマトリンにとって、これまでの作品での彼女の役柄が「『整った』上品なキャラクター」であったことから、型に反して演じる機会であったと説明した。ヘダーは「実生活でのマーリーはもっと面白いし、ユーモアのセンスも下品だ。今回(の役柄)は労働者階級の漁師の妻で、彼女の個性的な要素が多く、このキャラクターにとても合っていた」と述べた。マトリンはロサンゼルスのデフ・ウェスト・シアターとのコネクションを利用し、ヘダーのろう者の俳優探しに協力した。ヘダーはデフ・ウェストの作品に出演していたトロイ・コッツァーを見つけ、彼を漁師の父親役に起用した。またオーディションで見つけたダニエル・デュラントを起用した。マトリン、コッツァー、デュラントはデフ・ウェストのミュージカル『春のめざめ』で共演して見知った関係であった。
    第94回アカデミー賞では作品賞、脚色賞、助演男優賞の3部門でノミネートされ、すべてで受賞を果たした。アカデミー賞の作品部門において、動画配信サービスの映画が受賞するのは本作が初めてとなった。

    2014年のフランス映画『エール!』の英語リメイクであるこの映画はアメリカ、フランス、カナダの共同製作であり、アメリカ合衆国マサチューセッツ州グロスターでロケーション撮影が行われた。

    プロット;
    マサチューセッツ州、グロスター。父のフランク、母のジャッキー、そして兄のレオの4人家族の中で唯一耳が聞こえる高校生のルビー・ロッシは、家族のために通訳となり、家業の漁業を手伝う日々を送っていた。新学期のある日。所属する合唱クラブの顧問のベルナルドは彼女の歌の才能に気づき、都会の名門音楽大学への受験を強く勧めるが、両親は家業の方が大事だと反対する。ルビーは悩んだ末に家族の助けを続けることを選択するも、ある日、娘の才能に気づいた父は決意するのだった。(ウィキペディア)

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