- Amazon.co.jp ・電子書籍 (198ページ)
感想・レビュー・書評
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「スマホ脳」「最強脳」と基本的に同じ内容。進化のスピードはゆっくりで,文明のスピードは極早なので,ストレスを感じたり,スマホ依存になったり,怠けたり,太ったり,鬱になったりはしょうがない。しょうがないけど不適応だとしんどいから,しんどい時は医者にいけ,医者に行かなくても予防というレベルでは運動しろ,SNSを見過ぎて他者と比較するな(この比較で勝てる見込みは薄い)。
石器時代の環境に生き残るのに最適化されている人類に取って現代は生きるのがしんどいのかも。いわば,ニュータイプが出て来て,それらが繁殖して残っていくまでは同じような問題が続く。
昔の人類の致死率を考えれば40過ぎて生きているのは幸運でしかない。だいたい早く死ぬので高齢が原因の病気とは無縁。寿命が延びて高齢者がたくさんいるから出世ができなくて労働者の意欲低下が社会問題になるといった星新一のSSがあったような。いつまでも先輩達がいてくれる安心感があって若者や中年の責任感が高まらない・・・・高齢化社会は高齢者のケアも大事だが,若年層のケアも同じくらい重要といえる。その一つが少子化問題か。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
長期的なストレスに耐えきれなくなり、心療内科に通って薬を服用したり、職場環境を変えてもらったりしたけれど、そもそもストレスを感じる脳の仕組みを知りたいと思った。
『スマホ脳』を書いた著者らしく、生物学的な観点からストレスや不安を感じる仕組みを説明しており、納得感があった。
結局のところ、人類の脳は狩猟採集をしていた頃から変わっていない。不安を感じるのは身体が正常に働いている証拠であり、欠陥ではない。どこでも言われる話だが、やっぱり睡眠や運動、人と会うことは何に対しても有効なのだと再認識した。 -
人間の脳は、生き残るために設計されている。
今生きている人たちには、昔の時代から生き残ってきた人達の注意深い資質が受け継がれている。
そのため、生きていく中で、不安や鬱気味な気持ちになることは正常なことである。
運動と人とのつながりが大切 -
脳がストレスを感じる仕組みや対策を書いた本ですが、割と結論はシンプルだけど説得力があるものになってるかなと。
ストレスの仕組みを知ることで、ストレスに関しての気持ちの持ちようもまた違ってくるようにさせてくれる一冊だと思いました。 -
ストレスを感じることは健全な身体の証拠だ。
ストレスとは「違和感」のことであり、人間が生き延びるための必須スキルとなっている。
なぜなら、違和感を感じることで危機を察知し、生き延びるための手段を講じることができるからだ。
また、違和感の1つに「不安」がある。
不安とは、”事前のストレス" とも言われ、未来を予測できる能力の代償だ。
※残酷な事実だが、バカは不安を感じづらく常に楽観的であるのはこのため。
これも至極真っ当な人間に備わったデフォルト機能であるが、
これが長期化して腫瘍化したものが「うつ」と呼ばれる。
現代は、生涯に触れる情報の数が以前と比べ物にならないほど増えている。
分母が多ければ多いほど、不安の分子も自ずと増えてしまうため、
「うつ」の人口が増えているというメカニズム。
これを知っているかいないか。
そして、不安とは知性の代償ということを知っているだけでも、
今後の人生の立ち振る舞いが変わってくると思った。 -
スマホ脳がヒットした著者の本。
近代に蔓延する不安、うつ等について書かれたもので、興味深い点が多かった。
①不安症、交感神経優位は生き延びるための脳からの信号。
常に惨時に備えている方が生き延びる。それがバグって、常に危機が周りにある、という状態になってしまう。脳が自分を守ってくれるためのありがたい機能。
→外にでるとリスクがあると判断すると、閉じこもるよう脳が働きかける→鬱
②トラウマで最初は不安になっても、オオカミがこないことがわかるとアップデートされて行く。PTSDの治療に用いられる行動療法
③孤独=死。その状態は危険なので、脳は交感神経優位に保ち、不安に襲われ精神状態も悪くなる。
→田舎の親にはちょくちょく会おう、連絡しよう。
④運動=狩りのときにこそ、思考能力が求められた。
運動時が思考能力がアップする。
⑤運動、仲間がいること(孤独ではない)が精神的に健康に過ごすコツ
⑥幸せは渇望する。常に満足していては、次の原動力が生まれない。
↓メモ
不安を的確に表現すると「事前のストレス」
扁桃体には周囲の危険を察知するという任務がある。危険の 可能性 にも反応し、身体を「闘争か逃走か」の態勢に備え、 ストレスシステムのギアが入って 心拍数が上がり、呼吸が速くなる。脳はそんな身体のシグナルを誤解し、本当に危険なことが起きていると思い込んでしまう
★常に惨事に備えている人のほうが、のんびり焚火のそばに寝そべっている人よりも生き延びられる確率が高かったのだ。どっちを向いても危険を見つけてしまい、常に惨事に備える──それが現在では「不安障害」と呼ばれる
発作はむしろ脳が正常に機能している証拠
★人前で話すというのはグループから追い出される危険性、つまり命に危険が及ぶようなことだった
過去に体験したトラウマをわずかでも思い出させるものは何であれ、脳に記憶を取り出させてしまう。私たちを守るためにだ。その結果、一番忘れたい記憶こそが脳にとっては最も重要で覚えておかなくてはいけないものになる。PTSDに苦しんでいる人だけではなく、私たち全員がそうなのだ。
同じことが起きないようあなたを守ろうとしているのだ。時々再体験させることで、前回どのように対処したのかを思い出させる
森に行ってオオカミに襲われたが、なんとか助かったとしよう。あなたの脳はオオカミに襲われた時のことを簡単によみがえる鮮明な記憶として残す。同じ危険を避けさせるためにだ。それでも同じ場所に行くなら極めて慎重になり、瞬時に逃げ出せるように備えるだろう。しかし後日同じ森に行ってもオオカミは出てこなかった。次に行ってもまた出てこなかった。その次もその次も。
★そのうちに元の記憶は変化し、大きな脅威として認識されていたものへの恐怖が減っていく。つまり脳が記憶をアップデートし、現実問題どのくらい怯えていなければいけないかを調整するのだ。
★その点がPTSDの治療に利用されている。安全だと感じられる状況で恐ろしい記憶を取り出すと、時間をかけて記憶が変化していき、脅威が減っていく
オズの魔法使い』のラストシーンを思い出す。主人公ドロシーが恐ろしい魔法使いと相対するが、ドロシーの犬が魔法使いを隠していた幕をはがしてしまうと、そこにいたのは本物の魔法使いではなく、レバーやボタンを引いたり押したりしているだけの無害な詐欺師だった。しかもこの大芝居はドロシーを助けるために計画されたものだった。
★私達の不安についても同じことが言える。危険なものではなく、自分を助けるためののもの。
★脳が神経生物学的なボタンを押しているだけだと知ることで、不安が前ほど驚異には感じられない
不安というのは学ぶにつれ軽減することが多い。それに学ぶほどに自分に優しくなれる
不安とはごく自然な人生の一部で、私たちが生き延びるための前提条件であることを。不安の一切ない人生を期待していたなら、がっかりするかもしれない
あなたが女性なら、一生のうちにうつになる確率は4人に1人、男性なら7人に1人
遺伝子が弾を込め、環境が引き金を引く
強いストレスの期間が 過ぎた あとに重いうつになる、という話はたくさん聞く
私たちの身体と脳は、歴史的に子供の頃に命を奪ってきた要因から生き延びるよう進化したのだ。
長期的なストレスを受け続けると、その間ずっと怪我や感染の脅威にさらされていると勘違いしてしまう。
★そのような脅威に対抗するために、脳は家にこもりたくなるような感情をつくり、精神的に立ち止まらせようとする。つまり私たちがうつと呼ぶ状態にするのだ
生物学上、うつは肺炎や糖尿病と何ら変わらない。肺炎も糖尿病もうつも、その人の性格に問題があるせいではない。だから、うつの人に「しっかりしろ」と声をかけるのは、肺炎や糖尿病の人に「しっかりしろ」とはっぱをかけるくらい馬鹿げている
★独りでいると、脳はこれが誰にも助けてもらえない状態だと解釈し、危険に対して警戒しておかなくてはと考える。すると身体は軽度ではあるが長期的なストレスを抱えたままいつでも警報を鳴らせる状態、つまり交感神経が優位な状態で暮らし続けることになる
長く寮に暮らしてリーダー的役割を担う学生は、新入生よりもセロトニンレベルが高かった
1日に4~5時間をソーシャルメディアに費やす若者は、自分自身に不満を抱えていて、心配や気分の落ち込みを感じている
脳は「私はヒエラルキーの最下層にいる」というシグナルを受け取ってしまうかもしれない。そうすると精神状態が悪くなるリスクが高まる
★今までより頻繁に両親や祖父母に電話をするかどうかはあなた次第だ。孤独な人を定期的に訪問することを習慣づけたり、画面越しに会うのを少し減らして対面で会うようにしたりすることもできる
身体のコンディションの良い人はうつになるリスクが半分ほどに減り、不安に襲われるリスクも低かった
★私たちが歴史上のほとんどの時間、身体を動かしていた時に思考能力を最も必要としたからだ。狩りや採集の最中に新しい情報を得て、覚えておかなければいけなかっ
ランニングマシン上で走ったり速足で散歩したりすれば、脳を騙して思考能力をアップさせることができる
回答から得られた結果は、近代化された社会ほど多くの人がうつの症状を示したというものだった
彼らのライフスタイルの何が、うつから守ってくれているのか。逆に言うと、私たちのライフスタイルの何が私たちを脆弱にしているのか。その「何か」とは、私は何よりも「運動」と「仲間と一緒に過ごすこと」だと思う。
★幸せの感情は消えていくものだ。そうでなければ感情の最も重要な任務、つまり私たちに何かをしたくさせるという役割を果たせない -
スウェーデンの医師アンデシュハンセン氏の脳に関する著書
人間の脳は、危険から身を守るために進化してきたので、危険に伴う不安感は、取り除けない。それに伴ってうつになることは自然のもの。鬱解消に運動が大事であるが、危険を避けるために運動しないように脳は働く。 -
人間って基本的にこういう風に考える生き物で、その理由は歴史から考えると理解できること。
というのを知れた&納得できた。
年配の方達は経験上知っているようなことだと思うけれど、
若輩者(でもない?)な自分にとっては言語化して明言されると新鮮な情報も多々あり、
自分の感じた悩みや不安は人間として誰もが感じるものであること、対処法などよく分かり有益だった。
この著者の他の本も読んでみたい。 -
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 再読したい
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 再読しないが良かった
⭐︎⭐︎⭐︎ 普通
著者プロフィール
アンデシュ・ハンセンの作品






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