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感想・レビュー・書評
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2022年 179ページ
題名から怪談話を想像していましたが、内容は火葬技師だった著者が、「わからない場所」である火葬場を知ってみたい、という人に向けて書いたお話です。著者の火葬技師としての真摯な仕事ぶりに非常に好感が持てました。
読んでみて、興味深いお話がたくさんありました。
まず、地域によって、全収骨、部分収骨があることを知りました。私は全収骨があたりまえかと思っていたので。火葬場や宗派などによってもいろいろ異なる部分はあるのでしょうね。
私もお骨上げの経験は数回あります。その時々の印象はさまざまです。
父から聞いた話で、50年も前に閉鎖となった地域の火葬場の話です。昔は薪で焼いていたので、当然よく焼けない時もあり棒で突っついていたのだとか。田舎の小さな農村の火葬場なので、火葬技師も何もなく地域の人々で火葬するのです。
本の中では、それこそ生焼け遺体事件というページがあります。また、副葬品で入れない方がいいものや、一緒に入れた食べ物は黒く残ったり、フルーツの匂いが香ること。それから、1番キツイ匂いが脳など。火葬場でのちょっとした事件簿などもあり、おもしろい本でした。
著者の下駄さんは、YouTubeでも火葬場奇談を発信されています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人生でそう何回も葬式に行くわけでもなく、火葬場まで行くのは親戚だけなのでなおさら回数が少ない。今のところ祖父母の3回しかない。
それを日常の仕事として行ってきた人の体験というかお話。知らないことだらけだった。
人間を焼くんだもんな・・・・。
世の中知らないことばかりではあるがちょっと興味がある人は読んでみるといいと思う。 -
元火葬技師の著者の火葬場での経験談。
ご遺体は実際どんな様子で焼かれているのかや、お骨あげの際のエピソード、業界の実状など。
炉内でのご遺体の様子について好奇心から読み始めた本だけど、綺麗なお骨に焼き上げるための技師さんの並々ならぬ労力や、副葬品によってお骨に色が付くこともあるなど、思っていた以上に興味深い内容だった。
なんとなく火葬場は近寄りがたいというか、あまり不必要に触れるべきでないセンシティブなイメージだった。
でも単にご遺体を焼くというだけでなく、残されたご遺族に寄り添ったお別れをお手伝いする、という下駄さんの仕事への姿勢を見ると、他のサービス業とマインドは変わらないんだな、と少し親しみを感じてしまう。
これから生きていく中できっと火葬場にお世話になる機会も増えるし、最後は自分もお世話になることを考えたら、読んでおいてよかったなと思える本だった。 -
漫画「最期の火を灯す者」の著者なので読もうと思った。
読了。なかなか興味深かった。そんなにおどろおどろしい話ではなく、まじめな感じの火葬場での話。死について、生きることについても考えさせられる。
星四つ。 -
文章の運び方が上手くて、すらすら読めた。
筆者の体験からの描写で、火葬場の事がわかった。
ご遺体は、運ぶのではなく、抱くと言う。
焼かれる時、水分が抜けるから起き上がる。
色々と、体験者じゃなければわからない事。
興味深い内容だった。
‘23.02.04読了 -
1時間ほどでさらっと読める。
火葬場で働いた経験をもとに火葬文化や方法、不思議な体験などを語る。
よく知らない場所だけど、いずれは自分もお世話になる場所。今読んで損は無かったなと思う。