変な絵 [Kindle]

  • 双葉社 (2022年10月20日発売)
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本 ・電子書籍 (315ページ)

感想・レビュー・書評

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  • オーディブル。奇妙な絵と、読むに連れてストーリーが繋がってくるのと同時に凄惨な描写が増えてきて聴きごたえがあった。

  • 個人的に、変なシリーズで1番面白かった。

    ‥‥

    「絵は人の心を移す鏡」
    殺人をしてしまった少女の絵を見て、心理カウンセラーは"更生の余地がある"と判断した。
    刺々しい木の中に、一匹の鳥が居る絵。
    庇護欲があり優しい心を持ってる彼女は、今や幸せなお母さんになっているという。

    ‥‥

    最初、絵にまつわる短編集かと思った。
    どうも違うようだ、と読み進めて気がつく。


    絵を使ったトリックが出てきたり、変なシリーズの中で1番推理小説っぽさが含まれていて読み応えがあった。

    栗原さん学生時代から賢すぎて流石です。


    2024年6月16日


  •  絵がヒントとなり様々な事件の解決や残酷な真実に近づいていきます。本書の面白いと感じた点は一貫したテーマが隠されているという点です。本書は時間軸も主人公もテイストも異なる5つのストーリーからなりますが、その全てにある共通点があります。それが終わりに近づくにつれてどんどんと鮮明になっていく点は非常に面白かったです。それはまるで複数枚の絵の破片をジグソーパズルの様に合わせていく感覚がありました。

     内容としては殺人や不審者の登場など怖い、不気味な要素が多いはずですが、最後は少しだけホッとする展開になっています。基本的に救いようのないお話が多いですが、100%救えないことはなく、ほんの少しは救いのある内容となっています。

     ジャンルとしてはホラーに近いと思いますが、そこまで怖い要素はないので、多くの方が楽しんで読めると思います。

  • 前作『変な家』で探偵役を務めた栗原さんが大学生の頃のお話。
    彼がネットで見つけたとあるブログ。一見、幸せな夫婦の日常を綴っただけの何の変哲もないブログだが、そこに出てくる奇妙な5枚の絵から物語は始まる。

    そして続く第二章では舞台は急に変わり、幼稚園児の失踪がテーマのストーリーが展開される。そこでは、その幼稚園児の描いたこれまた奇妙な絵が、物語の根幹を握る鍵となる。
    ここまでは、不思議な絵にまつわる謎解きを集めた、オムニバス短編集だという感想だった。しかしこの第二章の最後で明かされる名前を聞き、実はこの無関係そうな第一章と第二章が一続きの地平線の上にある物語だということに気付かされる。

    第三章も全く異なるストーリーだ。しかしもう、この物語が前章までと関連があるであろうことを読者は予想しながら読んでいる。
    それでもなお、予想外の繋がりに驚きを禁じ得ない。
    前作『変な家』をも凌ぐ、非常に綿密にパズルのように折り重ねられた謎。
    心地よいミステリー体験だった。

    なお、オーディブルで聴いたのだけど、そのことで紙で読むよりも恐怖が倍増する場面があった。
    ネタバレにならない程度に触れると、石で人を殴殺するシーンがあって、その効果音がオノマトペではなくリアルなSEが使われていて…。
    夜中に聴くものじゃなかった。

  • Audible利用。
    最初短編集なのかと勘違いしていて、面白いけどちょっと物足りないなと思っていたら、途中からカチカチカチッとまるで立体パズルのように登場人物と時間が合致し始めてゾ~ッとした。『変な家』は軽く楽しく読めたが、こちらはなかなかの読み応え。終始気の滅入る展開で、ジメジメジト~ッとした読後感。ああ、何か元気の出る本読みたい。

  • だんだんと見えてくる登場人物の繋がりにおおっ!と驚かされ、小説ならではのトリックを存分に楽しませてもらいました。
    被害者側で描かれる殺害シーンの描写がなかなか生々しく…、背筋がゾワゾワ。

  • 変な絵
    雨穴
    見れば見るほど、何かがおかしい? とあるブログに投稿された『風に立つ女の絵』、消えた男児が描いた『灰色に塗りつぶされたマンションの絵』、山奥で見つかった遺体が残した『震えた線で描かれた山並みの絵』……。いったい、彼らは何を伝えたかったのか――。9枚の奇妙な絵に秘められた衝撃の真実とは!?その謎が解けたとき、すべての事件が一つに繋がる!今、最も注目を集めるホラー作家が描く、戦慄のスケッチ・ミステリー!
    相変わらずの読み易さMAX、行間も空いており、会話やブログ形式の描写も多く、すいすい読める
    個人的評価としては前作「変な家」より面白かったです。一見バラバラに見える各章が後半一つに重なっていく様は必見!最初に例題的に挙げられている絵が最後に繋がって来るのも秀逸
    犯人の動機が賛同できない事、自身の〇を予言した母親が旦那に伝える為にわざわざ手の凝った絵を5枚も書いている事シュラフの中の寝間着にペンとレシートが都合よく入ってて、それを後ろ手に絵を描く事、等は現実とかけ離れてて共感が持てませんが、それもご愛敬、少しづつ点が線になり、後半から恐ろしい殺人犯の魔の手が忍び寄って来る辺りは、ハラハラドキドキで最後まで一気読みしてしまいました。エンタメ力抜群!とても面白かったです。
    そう言えばワタシが小学生の頃に書いた絵、母親が引き攣った顔で直ぐにゴミ箱に捨てていたけど、ドウシテナンダロウ・・・・・・

  • 独立した短編集かと思ったら全て繋がっていた。
    個人的に【変な家】よりも謎解き部分がグレードアップしていたと思う。
    面白くて一気に読了。是非、2も出して欲しい。
    3枚の絵はちょっと鳥肌が...。

  • 夜から読み始め、最初の所でちょっと怖すぎてそのまま閉じました。
    そしてきょう、読み終わりました。まあ全体的に怖い!
    でも面白いので読み終わるのはすぐです。よいとか悪いとかは・・・

  • 伏線回収に満足!!ムフー
    取り敢えず、過保護すぎる女性、直美さんが愛するものを守るために邪魔者を排除していく物語だった。
    最初に出てくる、直美が子供の時に描いた絵の木の部分、最初の解釈では「攻撃性もあるが、カナリヤを守るという母性もある」みたいに別々に考えられていたけど、本当は「カナリヤを守るための攻撃性」だったんだ。つまり、母性という塊が強すぎて、排他的になってしまったと…えぐ。
    そんで、排除されてった人は不憫すぎる。特に、直美の義娘の由紀ちゃん、かわいそう。直美がおばあちゃんじゃなくて、母親のままがいいからと言って、高血圧にさせられて死んじゃったし、それを予期していたのも虚しすぎる。直美が最終的に多くの犠牲を出しながらも捕まったのはほんとに良かった。
    過保護になっちゃうのはわかりみだけど、ほどほどにね…。

  • とにかく読みやすい。
    すべてがつながったとき、すごくすっきり。
    こういった小説もっと読みたいと思いました。

  • 短編集ですが、最後に全ての謎がわかりますので、必ず最後まで読んでください。
    ただ私は、誰も幸せではないことに読後感が良くなくて…好きなタイプではないかな?とは思いましたが、謎が全て繋がって、全ての物語の時系列が見えてくると景色が一気に広がり物語が流れて終わる感じは、読み切った感はあると思います。

  • 変な家より、こっちの方が読み応えあった気がする。
    最初と最後がつながってたけど、なんか唐突すぎたな…って感じ

  • 『変な家』の倍くらいは面白い気がする(笑) 雨穴さんは正直なところ、あのスタイルを書籍化するのが違和感満載なのでWEB記事とYouTubeが一番面白く感じてしまうのだけれど、本作は形を変えて一層「小説」らしく作られているためミステリ的展開とマッチして非常に楽しめた。最終章のまとめ方などは、シリーズを楽しんでいる人にはぜひ読んでおいてほしいと思うほどにエモさがあった。

    • うたえながさん
      変な絵は変な家とはまた違うな面白さがありますよね。七篠レンの心の日記は実際WEBでもみることが出来ますよ!
      変な絵は変な家とはまた違うな面白さがありますよね。七篠レンの心の日記は実際WEBでもみることが出来ますよ!
      2024/03/17
    • らきむぼんさん
      >うたえながさん

      そうですね、結構しっかりミステリやってるなぁという感じがしました。
      変な家よりも無理のない展開な気がします。「変な...
      >うたえながさん

      そうですね、結構しっかりミステリやってるなぁという感じがしました。
      変な家よりも無理のない展開な気がします。「変な家」のあの突拍子もない感じもいいんですけどね。
      実際のブログ見てきました! これを実際に見るとまたちょっと感じ方も変わってきますね。
      2024/03/17
  • 前作に続けて読んだのだけど、うーん。

    前作よりは無理がないかな、とは思いつつ、死体損壊で死亡時刻の推測をずらすとか(科学捜査もう少し有能では)、寝袋の中で絵を描くとか(鉛筆引っかかって動かせないし紙に圧がかからないからあんな均一な線にならないのでは)、実現可能性に説得力がなくないかなこれ…とか、細かい部分が気になって楽しめなかった。すみません。

    なんかまっすぐに引かれた物語を都合のいいとこでまとめている感じで推理小説の紆余曲折とかが好きなわたしには物足りなかった。

    ただ、真っ直ぐ話が進むので、面倒な読書の苦手な人が読書に親しむのにはいいんじゃないかなって思う。

  • とにかく面白い!
    とにかく怖い!
    先が気になって止められない!

    だんだん繋がっていく物語達に、ゾワゾワさせられました。

    (∵)雨穴さんの新作、早く出ないかなぁ。

  • いやぁ〜面白かった…(๑°⌓︎°๑)
    前作?の「変な家」を読んでたから、それと同じ期待値ぐらいで読み始めたけど、その作品より個人的に好きな作品で、正直同じ作者さんが書いてるって思えないほど複雑な題材をよりシンプルに、楽しめる形で書かれているなぁとビックリ&感心しました…
    読書自体苦手な人でもさらっと読みやすい文体とボリュームだったんじゃないかなと思ったし、実際周りの人にオススメした一冊♪

  • ところどころ納得できない部分もあったけれど
    話の面白さにぐいぐい引き込まれて
    一気読みしてしまった。
    彼女の愛情?が色んな人を犠牲にして
    膨れ上がっていくところが恐ろしい。

  • 理由があって人っぼい。古い人。

  • 変な家より好き

    物語や文章もめちゃめちゃ読みやすい、それでいてどんでん返しのような展開もあって「このくだり読んでて疲れるな」って部分が一切なく読めた。

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著者プロフィール

インターネットを中心に活動するホラー作家。
ウェブライター、YouTuberとしても活動している。

「2021年 『変な家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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