未来の年表 業界大変化 瀬戸際の日本で起きること (講談社現代新書) [Kindle]

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  • 革新的ヒット商品が誕生しなくなる、ドライバー不足で10億トン分の荷物が運べない、60代の自衛官が80~90代の命を守る等、未来に起こりうる少子高齢化によってもたらされる困難がたくさん書かれてました。
    読んでいて未来が恐ろしく感じました。でも問題だけでなく、様々な対策も書かれていて、とにかく一人一人が今までよりもっと柔軟な考えをもって行動していかなければ、いけないなと思いました。

  • 大き過ぎる社会インフラと制度の経年劣化が限界に近づく中、少子高齢化による労働力と経済力不足で次の一手を打てずに悩み続ける日本。
    基本的には本シリーズ1冊目が出版された17年からこの状況は変わらない。だから主張も変わらず「戦略的に縮むこと」。
    1冊目から「脱・東京」をうたっていたが、本書では「多極集中」という概念を打ち出している。東京から人を分散させて地方へ多極化させる方向ではあるが、過疎地のインフラ保持のコストを自治体が賄えなくなるので地方こそ集中しようということ。「コンパクト・シティ」に近い。過疎地に住むということは「離島物価高」のように生活コストが高くなるどころか、病院も商業施設すら撤退せざるを得なくなるという。買い物も急患もドローン(空飛ぶタクシー)で運搬になるんだろう。

    こうした状況を悲観するのは自由だが、僕は起業家なので「大衆の動き」をシミュレーションしておくことでその流れを促進させるサービスを志向をする。「戦略的に日本を縮ませるビジネス」だ。そういう気持ちを起こさせる「はじめに」は読んで良かった。

    海外に打って出ないなら、日本企業は「薄利多売」の規模を目指さず、「厚利少売」に舵を切るべし!というメッセージも響く。目指す目指さないに関係なく、こうならざるを得なくなるだろう。平均年齢が上がり続けるメンバーでどんなに企業努力を重ねてもシェアを伸ばすスピードより市場全体の縮小スピードの方が断然早いからだ。地方自治体のコンパクトシティ化構想と発想は同じ。住人が少なくなり続けても維持できる都市機能を重視するのと同様、縮小し続ける市場でも維持できる経済活動を重視すること。

  • 少子高齢化の未来を予測し、対応を提案する・・ 確かに利益を上げ続けなければ成り立たない資本主義を前提とすれば縮小社会は最大のリスクなんでしょう。でもこれからの時代、付加価値の大きな「誰でもが欲しがる」商品をつくり出すことはますます困難になっていきそうです。基本的によく言われるように一人あたりの生産性を上げる必要があるわけで、そのために社会構造を変革しイノベーションを促す、というアイデアは納得できます・・が、それがうまくいっていないのが現状なわけで。
    一つ一つの対応策は納得できる話ですが、そのための痛みを我慢しなくてはならないのがいつも下積み・・というのも明るい社会とは言えなさそうです。
    地方に一定の人口を持ち商圏として成り立つ町を複数作っていく、という「多極集中」はいいアイデアだと思います。ついでにエネルギーや食料をそのエリアで自前で供給することで東京などの大都市に比べて生活コストを下げることができれば,人口の分散にも有効でしょう。大都市に人口を集中させ大量のエネルギーを消費しながら経済をなんとかかんとか維持する方法はそろそろ限界ではないでしょうか。

  • 今後の日本の人口減少推移をベースに、起きることを予測した内容。
    人口が減少すると市場は小さくなり、小さくなるということは、新しいことをやっても元がとれないことから大型の投資が起きにくい、地方の過疎化が顕著となりインフラが破綻し人が住めない町が増える、物流が一部止まるor遅延する、銀行システムがパンクする等、リスクをたくさんあげられている。

    個人的な感想としては、人口減少は避けられないことであり、生成AIを使って効率化や自動化しつつ、過剰なサービスや思い込みでやっていた無駄なことをやめ、過疎地に住んでいるなら引っ越せばいいし、多少の不便や変化を楽しみながら、新しい時代でできること、チャンスを探していくことが大事だと思った。一見、ネガティブなことが多いと思ったが、思ったほど悲観的になるものでもなかった。子供はより一層減るだろうなとは思う。

  • 数字という事実からの話なので何となく理解していることの裏付けとなる。

  • まぁ、そら日本の人口減少は今に始まったわけじゃないので、全ての各種サービスの維持が難しくなるとか大変な将来が予想されるとかは、分かる。
    でも、筆者にその転換方法を提示して欲しかったな。
    結婚して、子供作ってという昔ながらの家庭像はなくなりつつあるので、新しい家族観を提示し、多種多様なら家族で日本を支えるとかので提案が欲しかった。

  • これからの人口減少社会に対応していくことが大切。なかなか難しいが、考えていかなければならない。

  • 未来の年表の各種業界版。
    しかし、第1巻の「日本民族がいなくなる」に勝るインパクトはないかな。

  • イメージしやすいように具体的な数値と一緒に書かれており、またコロナ後の比較的最新のデータが多いので、シリーズ第一作の衝撃をさらに塗り替えられた。 別の著者の『人口減少社会のデザイン』でも言及があったが、「多極集中」はこれからの日本を良い方向に舵を取る上でのキーだと思う。社会、企業への提言が主であるが、それを形作っているのは私たち一人一人である。将来の日本がこの南極を乗り越えられるよい選択をし続けていけるような、賢い有権者、消費者、企業人、生活者でありたいと強く思った。

  • 本シリーズも既に4作目。人口減少という避けがたい課題に気付いてはいても結局先送りにしてしまうのだろう。会社もいつまで経っても拡大路線だしな。

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著者プロフィール

1963年、名古屋市生まれの作家・ジャーナリスト。人口減少対策総合研究所理事長、高知大学客員教授、大正大学客員教授、産経新聞社客員論説委員のほか、厚労省や人事院など政府の有識者会議委員も務める。中央大学卒業。2014年の「ファイザー医学記事賞」大賞をはじめ受賞多数。主な著書にはベストセラーの『未来の年表』『未来の年表2』『未来の地図帳』『未来のドリル』(いずれも講談社現代新書)のほか、『日本の少子化 百年の迷走』(新潮選書)などがある。


「2022年 『未来の年表 業界大変化 瀬戸際の日本で起きること』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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