- Amazon.co.jp ・電子書籍 (342ページ)
作品紹介・あらすじ
*ブクログスタッフ確認中です*
感想・レビュー・書評
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事件後の展開と作り込みがすごい。
事件発生後の警察の動き、捜査本部の設置などの背景が事細やかに描かれている。
事件の緊迫感や登場人物それぞれの焦りや怒り、不安などの感情がひしひしと伝わってくる。
読んでいてとてもドキドキした。
犯人の目星はついていたがそれでも「いや、ちがうかな?」のような展開や散りばめられた伏線があり、読み出したら止まらない作品。
また「観覧車ジャック」という題材もとても良かった。
犯人である「小人」との心理的な駆け引きや、娘とのやりとりが凄く引き込まれる。
何度でも読み直したくなる作品。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
めちゃめちゃ引き込まれて
登場人物像がリアルで
行動や感情が目に浮かぶほど
文章表現が繊細でした。
ドキドキしながら
読み終えたあと
なんとも言えない
深い悲しみと人の心に突き刺さる
まさにタイトルの意味が浮き彫りになり
2度感動しました。 -
クリスマスイブの遊園地で巨大観覧車ジャックが発生!
疾走感あふれるノンストップミステリーです。
小学生の娘と観覧車に乗っていた仲山はこの事件に巻き込まれてしまいます。
「小人」と名乗る不気味な犯人の目的は果たしてなんなのか?
犯人との連絡役を指名された元警察の仲山は、犯人と警察の連絡の橋渡しをすることになります。
警察の指揮を執るのは元同僚の貝崎でした。
その者は、仲山が警察を辞めるきっかけになった5年前のクリスマスイブに起きた凄惨な事件で因縁のある相手です。
犯人の度重なる要求を満たせなければ、1個ずつ観覧車が落下してしまうという恐怖が常につきまといます。
次々と切り替わる場面、次々と明かされる新事実、スピード感がスゴイ!
もうどこもかしこも伏線だらけ。
1ページも見逃せません。
練り上げられたストーリーも素晴らしかった。
途中は怪しい人だらけになりました。笑
タイトルつきの章が場面ごとに細かく設定されているので、非常に分かりやすくなっており、ミステリー初心者にもオススメしたい作品です。
ラストはきっと「再愛なる聖槍」があなたの心にじーんと刺さります。 -
人と人との愛情の物語だと読むもよし、ミステリーと思って読むもよし。私は後者。伏線だらけです!とても面白かったです。
以下↓ネタバレなので注意です
自分なりに気になった描写を「伏線」と決めて、どう回収されるのか気にしながら読んだ。結果私の伏線は17箇所。
16箇所は全て回収されたが、一つだけ分からなかったことがある。(読み落としているんだと思うけど分からなかった)それは、ゴンドラ落下の最初の犠牲者は、滝口の提案により、(または藤沢からの指示?)仲山親子より先に乗ることとなった「中年夫婦とおぼしき二人組」だっただろうか?落下したゴンドラからは藤沢の身分証明書が出てきた。ゴンドラ内にあらかじめに藤沢か滝口が、藤沢の身分証明書をしのばせたのだと思う。どうやってしのばせたのかはどうとでもなるんだろうけれど、警察がその犠牲者の身元を調べた時にこの犠牲者は「別々に入場した」ことが判明。「そんなこともあるだろう」と貝崎は言ったが、別に別々に入場したことはいいんだけれど、それを本文に持ってくるのには何か意味があるのだろうと思ったが、これが最後まで分からなかった。※ 誰か知っていたら教えてください。
惟子さんは、「こんなにイケてる私が、妻としてほったらかしされるってどういうこと?」的な感じだったのかな。
「こんな私を気に入ってくれたなんて」とは思わなかったんだろうな。だから仲山にああいった不満を抱いたんだろう。
仲山の才能が公安で発揮され、仲山が再び仕事にやりがいを感じられる人生を送ることができるといい。 -
ミステリーファン垂涎 いや洗面器を用意してダダ漏れ状態で読むのを楽しみに 聖なる日 愛娘と父親で楽しい遊園地 一番平和な観覧車が支配され空中密室の恐怖に反転 ゴンドラがいつ落下するのかハラドキ 皆が意味深なセリフを少しずつ 36の細かい区切りのラストは必ず煽り 週刊漫画雑誌の次号を待ちきれなかったこと思い出す しかも読みやすく疲れない 最後タイトルの意味で鳥肌 超オススメ
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久しぶりにミステリー小説を読みました。
前半は平滑なストーリーで、いつ事件が発生するのか、どんな謎が発生するのか少し不安でした。
元刑事仲山秀夫とその娘、凜は離婚後5年ぶりにテーマパークで会い、その時間を楽しむ。突然二人を乗せた観覧車が故障し、止まってしまう。故障でなく、意図的に観覧車を故障させた犯人「小人」は、何を目的に、遺恨か、金か、・・・
後半は前半の伏線を元に、5年前の未解決の殺人事件を中心にストーリーが展開される。その話に熱中して、ページをめくるスピードも速くなり、気がついたら一気に読んでしまった。文章も読みやすく、描写も上手い。二作目の作品が手元にあるので、進化した由野ミステリー小説を読むのが楽しみです。 -
国内最大級のテーマパークの名物観覧車は、計12個のゴンドラが1時間かけて1周する。予約必須の人気アトラクションの招待券を入手した仲山は、クリスマスイブに娘とゴンドラに乗り込んだ。
しかし12時を回った頃、突如ゴンドラは停止し、「小人」を名乗る人物に乗っ取られてしまう。警察内部を知っているらしい小人は、仲山を警察との連絡役に指名し、しくじれば1時間につきゴンドラを1つずつ落下させると脅し、見せしめとして1つを容赦なく地上へ落とした。
しかし仲山が警察に連絡すると、5年前の同じ日に起きた未解決事件で関係を拗らせた貝崎へと繋がる。両者5年前の真犯人としてお互いを疑っていた中で再び事件が起こり、その上警察の動きが小人に筒抜けになっている状況で、両者は互いに一層疑惑を深めてしまう。
その一方で、非常事態が起こっているにも関わらず冷静な現場の係員や、事件当日謎の行動をしていた仲山の元妻、貝崎を鬱陶しく感じている部下など、怪しい人物が何人も捜査線上に上がってくる。
リミットは12時間。自らの命も危うい中、観覧車の乗客と娘の命も全て自分に懸かっている仲山は、警察側と連携し、全員の命を救えるのか。
由野さんの作品は『アイアムハウス』に続いて2作目になりますが、緊迫感のある事件でありながらも、どちらも家族愛が強く感じられる作品で感動しました。
今回は、小人が誰なのか、動機は何なのか、ある程度読者側も推理しながら読めるので楽しめました。
愛がとにかくあたたかいので、これから人肌恋しくなる寒い季節にぴったりのミステリーです。