リスキリング超入門 DXより重要なビジネスパーソンの「戦略的学び直し」 [Kindle]

  • KADOKAWA (2023年2月25日発売)
3.58
  • (5)
  • (7)
  • (13)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 73
感想 : 12
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

本 ・電子書籍 (214ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • こんな資格やスキルを身につけるといいよ!なんて、軽い内容では無く、日本を立て直そうぜ!といった熱さを感じるinspire系の内容。

    著者経歴を見ずに読み終わったが、最初は30-40代のスタートアップ起ち上げ経験者による筆との錯覚。考え方がフレッシュでエネルギッシュだったからゆえ。

    が、なんと著者2人は、60歳の還暦超え。何歳になっても、意識・意欲があれば、物事を成し遂げるエネルギーは維持・向上できるんだな、と嬉しい気持ちになりました。

    - 日本では「ルールは守るべきもの」と捉えられているが、欧米では「ルールは作っていくもの」との認識。日本の国や企業にも、自国や自社に有利なルールを世界共通の標準にして行こう、というルール形成のマインドセットが必要。

    - 今の時代、正しい質問が見つかれば、答えは見つかります。質問を見つける作業は、AIやコンピュータには出来ない人間だけの能力であり、自分なりの問題意識や仮説、ものの見方(アングル)を持つことがカギ。

    - 日本社会には「オーバーアナリシス」「オーバープランニング」「オーバーコンプライアンス」という3つの過剰が蔓延っている。「考えてばかりで」「何もせず」「怒られないように終始する」とも言い換えられる。

    - (30-40代へのアドバイス)せっかくのチャンスだから無意識の自己限定を外し、何でもどんどん受け入れよう、という気持ちで自分の領域を広げよう。領域が広がれば広がるほど、また声が掛かるようになる。それにもどんどん食らいついていこう。

    - 「青銀共創」。青(若者)と銀(シニア)の世代間の助け合いを重視し、シニアが価値を生み出す意欲を引き出しつつ、若い人をシニアが上手くサポートして補い合うことで価値創造が可能となる。ミドル・シニア層には、今まで蓄積してきた暗黙知や成功体験、実績といったものがあるはず。それを活かしつつ、自分が担うべき役割を自覚し、若手と一緒に戦っていく姿勢が重要。

  • 何をリスキリングするのか、ではなく、何故リスキリングするのか。

    なぜという観点を深めるために4つのSのフレームを使おう。

    シナリオ
    スピード
    サイエンス
    セキュリティ

    とのこと。
    フレーム自体はまぁそうだよね、とい感じつつ、シナリオの視点の狭さを自覚することができた。
    よりマクロな視座を獲ることができるようにしていきたい。

  • 若手からシニアまで学び直しの戦略を説いてくれる本。
    進められている、未来へのアンテナ、未来年表などは、実際に自分で作成してみると、学び直しの強烈なモチベーションとなると思う。
    タイトル通り、学び直しのモチベーションとなるため、定期的に読み直したいと思う。

  • 考えさせられた。

  • 当然ながらリスキリングは目的ではなく手段である。
    サイエンス、シナリオ、セキュリティ、スピードの4つのSの観点を磨き上げる(リスキリングすること)から物事を認識し、情報を収集し、分析することで成果に繋げることを目指す。
    DXやリスキリングというバズワードに捕らわれることなく、過去も未来も常にアンテナを高く張り、世界のビジネスの流れを掴んでいくことが重要である。

  • 4つのS
    シナリオ、セキュリティ、スピード、サイエンス
    30代はシナリオとセキュリティが重要性を増す。

    リスキリングをすること自体よりも、将来のシナリオを自分なりに考えて、その先で必要になるものを自分なりに理解することがまず一番に重要。リスキリングのやり方自体はそのあとの話。

    幅広い視点を持って自分の頭で考えること。

  • 何のために学び直すのかを考えることを説いた本。

    新たなステップに進むためにリスキリング(学び直し)は必要です。しかし、いつしかリスキリングが目的化してはいないでしょうか。本書はリスキリングを行う上で気をつけるべきことを教えてくれます。

  • 、「人生100年・仕事人生80年を見据え、中高年の学び直しの場、人生を豊かにするための視野拡大の他流試合の場を提供」するためには3つの視点を見つめ直すことになる

    1つ目は「仕事中心」から「ライフ中心」という視点転換

    2つ目は「自分のため」から「世のため人のため」への視点転換

    3つ目は「社内目線」から「社外目線」への視点転換

  • 本書で重視していること)
    「何を学ぶのか」ではなく「なぜ学ぶのか」

    デジタル化やリスキリングは、未来を切り開いていくための武器。

    リスキリングとは)
    生涯にわたって知識を創造し続ける「終身知創」

    <はじめに>
    「リスキリング」「学び直し」という言葉そのものが目的化してしまっている。

    DXをセットで考えられている。
    「DXだからプログラミングを習得しよう」
    「データアナリティクスのスキルを身につけよう」
    ➡「にわか学び直し」

    ※DXもリスキリングも何らかの目的を達成するための手段であるべき。

    デジタル化=手段
    ➡リスキリングも目的が明確に合って初めて役に立つ。

    リスキリングの目的)
    ・日本の企業やあらゆる組織が世界の中で力を発揮できるようにすること。
    ・日本の強みを生かすこと。
    ・ビジネスパーソンが選択肢を増やしながら人生を全うできる力をつけること。

    4つのSを強化するリスキリングこそ大事。
    ・シナリオ(Scenario)
    ・スピード(Speed)
    ・サイエンス(Science)
    ・セキュリティ(Security)
    ➡自分の目的や目線によって「4つのS」の力点は変わってくる。

    ※なぜ学ぶのか、目的意識を持った「戦略的リスキリング」こそ重要。

    <序章 DXより重要な「戦略的学び直し」>
    ●なぜいまリスキリングか
    自己実現や自分の能力アップのためにリスキリングを捉えていく。
    学び続けること。
    =変化のスピードが速い時代を生き抜いていく自己防衛策。

    企業の観点)
    人財が持つ知識や経験、ひらめきなど。
    =無形資産
    ➡企業の競争力の源泉。
    =リスキリングを通じた人的資本の向上が不可欠。

    リスキリングを通して身につけるべきこと)
    デジタル社会の進展を活用していく力。
    ➡未来を見通し、バックキャストしてどのようにスキルを広げていくのか?

    ✘ 眼の前にある課題をこなすスキルに注目する。
    ◯ ゴールが常に変わる。
    ➡リスキリングの本質は学び続けること。

    「戦略的リスキリング」
    「4つのS」を身につけるという観点からのリスキリング。

    4S=日本の弱み。
    ➡強化することで日本の隠れた強みを生かせる分野。

    個々人のリスキリング
    =日本の再興につながること。

    <第1章 世界の変化と立ち遅れる日本>
    ●正しい世界観・時代認識を持とう
    世界はどこに向かっているのか?
    ➡日本はその中でどのような立ち位置にあるのか?

    ●デジタル化
    「デジタル化」
    アナログのものをデジタルに変えること。
    =道具であり手段。

    デジタル化の先にあるもの。
    =デジタルトランスフォーメーション(DX)
    最終的)
    ・物事のやり方を改革
    ・新しい価値を創出
    ・競争力を高めていく
    ➡真のデジタル化が目指すもの。

    ●人間性
    人財ひとりひとりの価値を認める。
    ➡人権や幸せ、ワークライフバランスを尊重する。

    資本主義=収益至上主義
    ➡人間性を重視したものへと変化しつつある。

    ✘ 精神力で頑張る
    ✘ 猛烈に働く
    ➡昭和的な働き方のカルチャーを見直していく動きがある。

    2022年米国ギャラップによる「エンゲージメント調査」
    日本の熱意の高い社員の割合=5%
    最も高い北米地域=33%
    世界平均=21%

    「ウェルビーイング」
    身体だけではなく心も含めた健康と幸福、満たされた状態。

    働き方改革
    =社員のウェルビーイングに対する意識が高まってきている。
    ➡エンゲージメントにはつながっていない。
    =何かがズレている。

    ただ労働時間を削減する。
    休日を増やす。
    ➡ウェルビーイングにはつながっていない。

    ウェルビーイングにつながる人間の本当の幸せとは?
    ・将来に向けて成長していくこと。
    ・自己実現していくこと。
    ・社会に対して価値を創出できること。
    など。

    「4つのS」を軸にしたリスキリング
    ➡何のためのリスキリングなのか?
    =自分の成長を描ける軸を持って戦略的リスキリングに取り組む。

    <第2章 ビジネスパーソンのレジリエンスを高める>
    ●レジリエンスは「質問を見つける力」
    「レジリエンス」
    逆境からの復元力や回復力、強靭性や柔軟性という意味。

    激変し続けるタフな環境。
    =VUCAの時代
    ➡レジリエンスを高めていくことが欠かせない。
    =何が起きても立ち上がれる力。

    ※個人として自分のキャリアや人生に対するレジリエンスを高めていこうという意識が必要。

    人生100年時代
    ➡「60歳定年で引退」はありえない。
    ・長い期間にわたって健康で働き続けること。
    ・キャリアを創造していくこと。
    ・社会に対して価値を提供すること。
    ➡求められていること。

    レジリエンスを高めていく本質。
    =「質問を見つける力」を身につけること。
    ・将来何が起きるのか?
    ・社会はどのようになるのか?
    ・自分はどのように価値を発揮していきたいのか?
    ➡それぞれの状況において「適切な質問」を探し出す。
    =レジリエンスの源泉。

    ※今の時代、正しい質問が見つかれば、答えは見つかる。

    質問を見つける作業。
    =AIにはできない人間だけの能力。
    ➡自分なりの問題意識や仮説、ものの見方を持つことがカギ。

    適切な質問を見つける力
    「4つのS」のリスキリングによって自分のアングルを持つ。
    ➡はじめて身につけていくことができる。

  • リスキリング超入門 DXより重要なビジネスパーソンの「戦略的学び直し」
    著:徳岡 晃一郎 ・房 広治

    リスキリングの目的とは、日本の企業やあらゆる組織が世界の中で力を発揮できるようにすること、日本の強みを生かすこと、ビジネスパーソンが選択肢を増やしながら人生を全うできる力をつけてもらうことである。

    デジタル化やリスキリングは、私たちが未来を切り拓いていくための武器なのである。

    本書は以下の7章から構成されている。
    ①DXより重要な「戦略的学び直し」
    ②世界の変化と立ち遅れる日本
    ③ビジネスパーソンのレジリエンスを高める
    ④シナリオを身につける 不透明な未来を見通す力
    ⑤スピードを身につける 世界に通用する速さを生む決断力
    ⑥サイエンスを身につける 決断を支える合理的思考力
    ⑦セキュリティを身につける 自分の土俵を創り、守る力
    ⑧人生100年時代を生き抜くために

    間髪入れずに再読
    特に染み入った3つの視点転換
    ①「仕事中心」から「ライフ中心」
    ②「自分のため」から「世のため人のため」
    ③「社内目線」から「社外目線」

    内から外でTAKEからGIVEへ
    労働から楽しみへ
    発想の転換と視座を高めることによって
    「リスキリング」の捉え方も大きく変わる。

    もちろん、目の前のことを愚直にがむしゃらに取り組むことも必要であり、高い視座から得られるバランスが何よりも大切である。

    リスキリングに対しては明確な答えはやはり見つからない、しかし、見つけようと努力する方法は見つかった。自分だけではなく、仲間が幸せになる、そして地域や日本を動かすようなうねりを伴うリスキリングを構築するのは夢物語かもしれないが、ミスリードすることなく、柔軟に人の意見を取り入れながら構築し、共に成長と成果を楽しんでいきたい。

全12件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

株式会社ライフシフトCEO、多摩大学大学院教授・学長特別補佐。1957年生まれ。日産自動車で人事部門、オックスフォード大学留学、欧州日産などを経て、99年よりフライシュマン・ヒラード・ジャパンにてSVP/パートナー。人事、企業変革、リーダーシップ開発などのコンサルティング・研修に従事。2006年より多摩大学大学院教授を兼務し研究科長などを歴任。「Management by Belief」を一橋大学野中郁次郎名誉教授らと提唱。17年にライフシフト社を創業しライフシフト大学を開校。

「2023年 『リスキリング超入門 DXより重要なビジネスパーソンの「戦略的学び直し」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

徳岡晃一郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×