決定版 V字回復の経営 2年で会社を変えられますか? 「戦略プロフェッショナル・シリーズ」第2巻 (角川書店単行本) [Kindle]

  • KADOKAWA (2023年4月26日発売)
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本 ・電子書籍 (467ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 決定版になって内容がリアルに近づいたらしい。
    前回読んだの何年だったか覚えてないが、その時より読んでて辛くなった。

  • 前社長おすすめの一冊。
    チェンジマネジメントの裏側を緻密に記したノンフィクション。
    読んでいて胸が熱くなった。

    ①Information (客観的な情報)
    強烈な反省論とは(=チャレンジャーセールス?)
    →「会社全体で起きていること」「社員個人」を繋ぎ、問題の根源を両者一体で説明する
    →社員のほぼ全員に「自分もまずかった」と言わせるような論理的な説明

    不振事業の症状
    ・組織の政治性
    →陰の政治が強くなると、誰と誰が通じているのかはっきりせず、陰で根回しが進む
    →暗黙の了解で、真実を語ることもタブーになる
    →公に掲げている戦略性を凌駕する威力を発揮しかねない危険性を孕む
    →そもそも社員が共有し心を束ねる「攻めの戦略」が提示されていないことも多い

    ・改革を部下の努力の話にすり替える
    →会社の現実と対峙して上層部が動くべきなのに、その穴埋めを部下に求める

    ・全体と個人の関係が見えない
    →事業全体が危機(赤字)でも、社員個人に危機感がない
    →日本企業によく見られる
    →全体現象(大赤字)と個人の仕事の因果関係が見えていないために、自分の責任と思えないから、他人や経営者のせいにする
    →個人のパフォーマンスと会社の数字の関係が「可視化」される仕組みが必要となる

    ・商品別損益の把握単位
    →原価計算がたくさんの製品を丸めた形で行われている
    →赤字と黒字が相殺され、商品別の実態が見えていない
    →赤字の原因を個々の「要因」「現場」に卸せていない、責任の所在が分からないから社員も動こうとしない(その状態に甘んじている)

    ・日本人が勤勉というのは嘘である

    ・旧来の売り上げ志向管理のまま
    →管理システムが途中で切れているため
    →トップも社員も合計や小計の数字ばかりを追いかけて、細分化された現場の実態に迫れていない

    変革の要諦
    ・改革一年目の「心理的」インパクト
    →改革シナリオが明快なら、聞くだけで社員の気持ちの高揚と行動変化が生まれる
    →劇的な成果が生まれる場合、その半分以上は社員の「やる気」の高まりによるもの
    →依存すると危険なので早期の仕組み化が求められる

    ・改革二年目の「構造的」インパクト
    →社員の「やる気」による効果が出ている間に、経営改革の「仕組み的な強さ」を作る
    →当初の心理的効果から、仕組みの強さへの移行が遅れると改革の勢いは失われる

    改革当事者のコメント
    ・経営戦略とは「激しい競争に勝てるかどうか」であり、トップはそのための「絵」を提示し続けなければならない
    →社員が自発的に動いて組織が自律的に前に転がるのが良い組織
    →一方で、社員が自分で動いているように見えても、そこには必ずトップの強い意志、上から下に常に強烈なものが発信されていなければならない

    ②Insight(〜かもしれない、〜なはずだ)
    大きな組織を動かすのは、トップのコミットメントと社員全員の熱意なのだと再認識した。
    自社の製品は、社運をかけた大プロジェクトになり得る。

    ③Intelligence (学びや改善点、ネクストアクション)
    システム検討の前後で必要不可欠なBPR(業務改革)を顧客と進める際、「顧客内部はこんな感じなのかも」と解像度を高めるべくまた読みたいと思った。

    営業としてチャレンジャーセールスを仕掛ける際には、「強烈な反省論」を是非ぶつけたい

  • 『V字回復の経営』は建設機械で有名な当時1兆円企業の『コマツ』の7年連続の赤字の垂れ流し事業部を2年でV字回復させたレベルの高い会社改造の経営のノウハウ本でした。

    プロジェクトメンバーの選定、旧勢力の抵抗をもろともせず進めていく内容はとても面白く、参考になる。

  • 物語としては面白い。企業再建ストーリー。
    なぜライン別の組織にするのが最善だとたどり着いたのかがもう少し詳細に書かれていると良かった。

  • スピードと責任感

  • 上場企業が『死の谷』から脱出するのを手伝う著者が、コマツ(本書では太陽産業)の業績を見事にV字回復させた際の顛末がストーリー仕立てで書かれている。本書に書かれている内容を真似することは相当難しいだろうが、経営に対する一つのアプローチとしては非常に勉強になる。


    著者は戦略だけでなく、組織の問題に切り込むことが必要と説く。

    > 組織と言ってもただの人事の話ではなく、社内の仕事の流れ、いわゆるビジネスプロセスの問題が大きいのです。組織が非効率になっていて、競争上のハンディになっている場合が多いのです。

    > 不振企業の場合、社員のマインド・行動を変えさせるために、いくら「経営意識を持て」「危機感が足りない」と叫んでもその効果は長続きしない。そんな言葉では組織を構造的に強くできないのである。

    本書のストーリーは、著者が「成功9つのステップ」と呼ぶパターンに沿って展開されている。加えて、多くの企業に当てはまるような傾向が話の中に現れた場合にはtips形式で観点を紹介し、関連する場所で当事者のインタビューを挟み、経営ノートという形で著者のフレームワークなどを紹介しながら進む。理解を促進するよく考えられた構成になっている。

    著者の他の書籍「戦略プロフェッショナル」「ザ・会社改造」なども読んでみたい。

  • 組織変革のリアルなストーリーを手触り感を持ってイメージしながら体感できた。

    組織変革はこういうステップで行なっていくべきである、とロジックで説明する本は他にもあるが、ストーリー仕立てで構成されている本書は、没頭して読み進めることができた。

  • <メモ>
    ・本部長の思考を理解するのにもよい
    ・前半の描写は、社内で似たような部分も多く、反省。
    ・改革推進者と抵抗者、のフレームワークは興味深い。社内で当てはめてみてなるほど、と思う点あり。タイプごとに接し方を変えていこうと思った。
    ・スピードに関する組織カルチャー

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著者プロフィール

(株)ミスミグループ本社名誉会長・第2期創業者。一橋大学卒業、スタンフォード大学MBA。20代で三井系企業を経て、ボストン・コンサルティング・グループの国内採用第1号コンサルタント。32歳で日米合弁会社の常務、翌年社長就任。次いでベンチャー再生等二社の社長を歴任。41歳から事業再生専門家として16年間不振事業の再生に当たる。2002年、ミスミCEOに就任。同社を340人の商社からグローバル1万人超の国際企業に成長させ、2021年から現職。一橋大学大学院客員教授など歴任。著書4冊の累計100万部。

「2023年 『決定版 V字回復の経営 2年で会社を変えられますか? 「戦略プロフェッショナル・シリーズ」第2巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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