滅茶苦茶 [Kindle]

著者 :
  • 講談社
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感想・レビュー・書評

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  • サイコーですね。パラレルでジワジワと登場人物がダークサイドに引き込まれて(巻き込まれて)、行く様と、抗えない雰囲気、そして最後のカタルシス。
    さすが染井さん、外さない…

  • コロナ禍によって人生の歯車が狂い始めた、立場の異なる3人の登場人物が、滅茶苦茶な展開に巻き込まれて暴走していくお話。

    ラストはさすがに色々端折り過ぎだと思ったが、コロナ禍を含むここ数年の世相・事件・社会問題をこれでもかと詰め込んだ上に纏め上げ、引き込まれる物語として昇華させたのはお見事。

    いつか確実にぶちかますんだろうなと予感させていた、ある人物の煽り運転が、クライマックスへの起爆剤になっているのも良かった。

  • タイトル通り登場人物たちがどんどん転落していく滅茶苦茶なストーリーでした。前回読んだ正体が良すぎただけに評価は低め。

  • めちゃくちゃ怖かった。
    コロナ禍の社会で、誰でもちょっとしたきっかけで陥ってしまう可能性があるピンチを描いている。
    登場人物は3人。コロナ給付金が出ないラブホテルを経営し妻と3人の子を抱えて売上が激減して困っている茂一。
    進学校に進んだものの成績が悪く学校がつまらないと思っているときに、不良になった小学校時代の幼なじみと偶然再会し、ズルズルと不良たちとの付き合い始める高校生の礼央。
    コロナで出歩くことが出来ずストレスを抱える中、マッチングアプリで裕福な外国人男性と付き合い始めるアラフォーバリキャリの会社員美世子。

    茂一は給付金詐欺に手を染め、礼央は不良仲間といっしょにヤクザの手伝いとして窃盗を行う。いつしか二人は更なる恐ろしい犯罪に加担していく…。その二人と比べると美世子は国際ロマンス詐欺に遭った完全なる被害者だが、茂一と礼央も完全な悪ではなくてちょっとした心の弱さ故に…というのが悲しい。
    茂一が経営する昭和60年以前に建てられたラブホテルや風俗店に国からのコロナ給付金が出ないのは、本当に酷い話だと思う。礼央が付き合う不良少年たちも根は悪い子ではなくて、環境が悪いのだけど、その辺の掘り下げがもう少し欲しかった。その後の顛末が全く語られないのも不満(殺人はどうなったのか…ロマンス詐欺一味は捕まったのか?など…)。

  • 滅茶苦茶!まさに!タイトルが物語っている。なぞの爽快感がありますね。染井さんすきです!

  • 婚活している美世子。進学校に通いつつ不良の友達と遊んでいる玲央。ラブホテル経営をしているが給付金をもらい損ねる茂一。それぞれの描写が同時進行で進んでいく。どうなるのか?とそれぞれハラハラしながら夢中で読んでしまった。
    なんとなく誰にでも起こりそうな話で、読後感は爽快だった。おすすめ

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著者プロフィール

染井為人(そめい・ためひと)
1983年千葉県生まれ。芸能プロダクションにて、マネージャーや舞台などのプロデューサーを務める。2017年『悪い夏』で横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞しデビュー。本作は単行本刊行時に読書メーター注目本ランキング1位を獲得する。『正体』がWOWOWでドラマ化。他の著書に『正義の申し子』『震える天秤』『海神』『鎮魂』などがある。


「2023年 『滅茶苦茶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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