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感想・レビュー・書評
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Audibleにて。サスペンス小説。
兄を亡くした青年のハルオ(主人公)は、過去の出来事から贖罪心を持ち救助災害ドローンを製作するベンチャー企業に就職。
巨大地震が発生し、地下の絶対的な迷宮に取り残された視聴覚障害の女性、中川博美。
彼女の救出を試みる感動的なお話。
ハルオの過去や克服すべき言葉の呪縛、中川博美の障害と生命力、そしてドローンを使った緊迫感あふれる救出活動が魅力的。
また、ストーリーの中で登場するテクノロジーや技術が、登場人物の心情や行動に影響を与え、ストーリー展開や、登場人物の成長に重要な要素として描かれていた。
新たな視点を提供し、心に訴える感動的なストーリーを楽しめた作品。
個人的にはハルオの先輩が魅力的だった。
仕事においては冷静で優秀であり、部下への思いやりも感じられる一方で、普段の生活では意外と不器用な一面も持つところ。
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巨大地震が発生し、地下5階に閉じ込められた一人の女性を、ドローンを使って、地下3階のシェルターに誘導する、という救出劇。しかしなんと、この女性は目が見えず、耳も聞こえない、そして話すこともできなかった。果たして、無事救えるのか?
救出劇に、ドキドキ、ハラハラ感が足りないのは、(私だけかもしれない)人間が自ら助けに行くのではなく、ドローンを使っているからなのかな、と思いました。表紙の帯に「想像の限界を超えるどんでん返し」
とありますが、私は、今までずっとモヤモヤしていた疑問が、ラストでようやく明らかになってスッキリした、という印象でした。
各章の最初に書かれている、ヘレンケラーの自叙伝の一節が、物語の流れと合っていて、より、三重苦の女性の心情に近づくことができます。 -
ドローンの専門用語が沢山出てくるけど、解説が丁寧で分かりやすかった。制限時間が迫ってくる焦燥感で一気読みでした。
カメラが満足に使えないもどかしさと映像の見えない文字媒体の相性が抜群だった! -
2023年 304ページ
井上真偽さん、初読みです。覆面作家さんだそうです。
巨大地震で崩壊した地下都市に取り残された令和のヘレン・ケラー、中川博美を救出すべく、国産ドローンを開発しているベンチャー企業タラリアの社員・春生は、ドローンを使って中川を安全地帯まで誘導することになる。
ドローンについてとても詳しく描写されています。今やドローンはなくてはならないものとなっていますが、私はドローンがどれくらい活用されているか知らないので興味深く読みました。我が家は農業でドローンに活躍してもらうことがありますが、もっと手軽にドローンを活用できるようになればなあと思います。
物語に関しては、正直、巨大地震で崩落した都市に中川博美がたった一人で閉じ込められたって印象しか感じなかったです。街の住民は一人一人に配布されたIDで、スマホなどの通信で所在確認できるので、他の住民は災害救助隊にお任せでほぼ記述がありません。そして、春生たちタラリアの社員には、中川博美だけを探し出して欲しいという要請でした。
地下都市のイメージが湧きにくい上に、巨大地震後の災害救助がドローンを介しているため、臨場感に欠けるという感想です。
しかし、三重苦の中川博美を発見後、ドローンでどのように誘導するか、という点に関してはなるほど〜と思いました。カメラで写しながら順調に誘導していたのが、アクシデントでドローンのカメラ機能が喪失し、カメラのかわりにセンサーで計測し作成した点群データで地形を確認して誘導することになるのです。このカメラ機能の喪失は、物語の構成上、必要不可欠な要素になるのです。
印象的なセリフもありました。最初は韮沢、後の2つは中川。特に中川博美のセリフは自己啓発的で、なかなかグッドですね。
『彼女みたいに、頑張りすぎる人がいると。ああいう人がいると、あれが基準になっちゃうじゃない。ほら、彼女を見なさい。あんな重い障害を抱えながら前向きに生きている人がいるんだから、あなたも頑張らなきゃ、って──みながみな、彼女のようになれるとは思わないでほしいな』
『人にはそれぞれ、限界があります。誰かには簡単でも自分には無理難題なこともあれば、その逆もしかり、です。だから私は、自分には〈無理だ〉と思ったら、すぐに潔く諦めます。諦めて、もっと自分に〈できそう〉なことを見つけて、そちらに目標を切り替えます』
『とにかく、最初はあまり大きな目標は立てずに、まずは自分にできそうなことから挑戦してみてください。成功のコツは、誰かと比べたりしないこと。あくまで比べるのは、昨日の自分。〈無理〉から〈できそう〉に、〈できそう〉から〈できる〉に──そうやって一つずつ成長の階段を上って、自分の可能性を広げていくことをお勧めします』 -
audibleで読了。
地下に閉じ込められた、目が見えない、耳が聞こえない、しゃべれない女性を主人公がドローン操作をして救出に挑む作品。
一見絶望的な状況の中、救出に挑む展開は緊迫感があり、救出チームが一丸となって救出に奔走する姿に胸がうたれます。
そしてしっかり仕掛けと伏線回収もあり面白かったです! -
ドローンの機能や操作に関する記載がとても具体的でリアリティを与えており、最後の思いがけない展開で感動してしまった。。
具体的な科学的な知見を用いて話を展開していくところが「プロジェクトヘイルメアリー」に似ていて、あっという間に楽しく読めました。 -
いやぁ……脱帽、圧巻です。
人間の底力の凄さを、見事に思い知らされました。
人間は弱い、でもやっぱり強い!
諦めないという強い意思が、実現させていく最大の『力』となるのだろう。
そう痛感しました。
ラストでは感動のあまり涙が……。
伏線の回収もお見事でした。
いやぁ……本当に素晴らしい‼️
著者プロフィール
井上真偽の作品





