文學界(2023年10月号)(特集 絲山秋子デビュー20年 創作 三木三奈「アイスネルワイゼン」)

制作 : 文學界 
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・雑誌 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 4910077071031

感想・レビュー・書評

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  • 芥川賞候補作
    三木三奈『アイスネルワイゼン』
    この作品についてのみのレビューになります。
    主人公 「田口琴音」は、サイコパス?
    PTSD?
    行く先々で、少しずつ荷物を渡し、捨て去り、ほぼ空っぽになったキャリーケースをこれが重くて、もう持てないという位この女性は、生きづらく、追い込まれてしまったのだろう・・・
    考えさせられる傑作中編だと思いました。

  • 「アイスネルワイゼン」記録用。
    主人公はADHD要素が強めなのかもしれない。2日ばかりの出来事に生きづらさがぎゅうぎゅうに
    詰め込まれた感じでとても苦しいし、衝動的な行動にハラハラする。ずっと何かに追い立てられている。社会的、常識的な行動は頑張って身につけてきたであろうことが垣間見えるけど、本質的な生きづらさの解消にはなっていない。

  • (2023/12/19 2h)
    第170 回芥川賞ノミネート作品
    巡回3 作目

    三木三奈「アイスネルワイゼン」1h
    p.p. 10 - 78
    ★★☆☆☆

    國分功一郎 × 若林正恭
    「ビックモーター化する世界の中で」1h
    p.p. 146 - 166
    ★★★★☆

  • 絲山さん、20周年おめでとうございます!大好きな作家さんのひとりです。いわゆるデビュー作の「イッツ・オンリー・トーク」というタイトルを、あらためて本号で見て、なんだか新鮮でなつかしくなりました。初めて読んだときの自分もだいぶ過去の自分です。また今、読んでみようと思います。そしてこの度の「神と黒蟹県」やたー♪やっとまとまったものが出るうれしさ。さっそく調べまくったら全然発売の情報があがってこず…落ちついて本号を読み返したら11月刊行でした。はやとちりにがくっ。さて、こちらの短編シリーズは、個人的好みどんぴしゃりのお楽しみ作品でした。まず神。謎でありながらなんでも包みこんでまるめこんで?しまうような、人が無意味に信じてしまいがちな存在。でありながら存在すら不明であるモノ。映画でもなんでも神系は好き。そして土着的な話。旅行は好きじゃないんだけど、その土地にべたーっと密着しているお話が好き。しかし本号にて黒蟹県地図や(新刊本にもぜひ載せていただきたい!)否定的な要素がないようにすること、方言のことなど、あくまでも架空の場所なのに、実は細かいところまで気が遣ってあって、だからこそ読者が嫌な気持ちになったりせず素直に笑って楽しめるんだな、と思いました。それからそうか、なんでこのシリーズが好きかって、インタビューの最後にあったんですけど、気がつけば恋愛が一つも出てこなかったからかも⁈と自分なりにに納得できて満足。特に愛とか恋とか出てこなくても、淡々としてる中にそこはかとなくあたたかみを感じる作品群、楽しみに待ちます♪

  • 『対談 國分功一郎×若林正恭 ビッグモーター化する世界の中で』を目当てに。
    暇な時間を取り上げることで支配する、暇に慣れていない、などの考察が興味深かった。
    集団の中で習慣でやっていることと、どこに行っても変わらない「自然なこと」の区別をつけることが哲学の起源に繋がっていると紹介し、『哲学の始まりが自然の発見であるという話が面白いのは、他の集団との接触が不可欠な条件として現れているところです』

  • 2023.11.3市立図書館
    目当ては奈倉有里の連載「ロシア文学の教室(第9回)」と円城塔の隔月連載「機械仏教史縁起(第11回)」、それに小林エリカの集中連載「風船爆弾フォリーズ(第4回)」。

    「ロシア文学の教室」はチェーホフ。「桜の園」「かもめ」など戯曲で有名なタイトルもあるし短編も多いので読んだことありそうでたぶんほとんど読んでない。ちょっと怖いけど、読んでみたくなった。

    「機械仏教史縁起」は浄土宗の法然と浄土真宗の親鸞のあたりのパロディ。仏教思想と仏教史のいい勉強になる。それにしても、地球も寺も「テラ」だなんてはじめて気がついた。

    「風船爆弾フォリーズ」は1945年春から1946年秋にかけて。生まれたときからほとんど戦争しか知らなかった少女たちがそこから解放され、世の中が大きく変わる。男しか政治に関われず、「わたしたち日本女性の貞操を守る」ために「わたしたちのうちの女を、少女を、兵隊にさしだす」慰安所を作り、都合が悪くなればそれを閉鎖し、そこで命をつないでいた女たちを平気で置き去りにする国は、男女同権の新しい憲法を手に入れ、選挙権も平等になり女性議員は誕生したが…来月あたりで完結だろうか?

    他の記事も興味深いものが多く、四方田犬彦の新連載「零落の賦」は続きが読みたいし(皇室とかトップアスリートとメディアをめぐってあれこれ考えているところだったのでセレブリティについての考察が特に興味深く)、國分功一郎✕若林正恭の対談も最近自分でも気になっていること(暇のこととか美しさや崇高さの経験が心を動かすことの大切さとか、集団の中でメタ視点を持つことの難しさとか、「移動」の有用性とか)がいろいろ話題になってておもしろかった。リレーエッセイ「私の身体を生きる」は宇佐見りんさんで、演技やフィクション化についての考えに」なるほどな〜と共感できた。西村紗知の隔月連載「成熟と◯◯」、ぬいぐるみを論じていてあれこれ考えさせられた。津野青嵐のエセーもおもしろかった。

  • 特集 絲山秋子 デビュー20年
    対談 辻原登×絲山秋子
      「小説の余白に信を置く」
    評論 田中和生 
    「絲山秋子論―連作作品集『神と黒蟹県』の地平」
    インタビュー 絲山秋子 
      「言葉にならない『関係性』が面白い」

    好きな作家絲山秋子さんの特集でした。
    『神と黒蟹県』が楽しみです。

  • この号は面白いものが多かった。
    三木三奈さんはもちろん、絲山秋子さんの辻原登さんとの対談を読んで井伏鱒二の本が読みたくなったし

    平民金子さん『めしとまち』では何度も笑い、私も私もとなった。
    国分さんと若林さんの対談では韓国文学が読みたくなった。

    藤原麻里菜さん『余計なことで忙しい』では求める自由はそこなんだ、とちょっと苦笑い的に笑ってしまった。

    津野青嵐さん『「ファット」な身体』は津野さんという方に興味を持って読み終わった後にググったぐらいだった。

  • 三木三奈『アイスネルワイゼン』
    登場人物たちに愛嬌があり、会話文もリアルで面白かった。
    主人公の友人がいい。人間味があってあっさりしたところもありかわいい。
    ラストは好きな感じではなかった。
    三木三奈さんは他に『消火器』を読んだことがあるけれど断然こっちの方がいい。『アキちゃん』読んでみたい。

  • 「アイスネルワイゼン」躁鬱病の躁状態??
    こういう人、職場にいるよね笑

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