カーテンコール [Kindle]

  • 新潮社
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感想・レビュー・書評

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  • 掌篇小説25篇。全体的に脈絡なくふわっとした終わりかたに奇妙な味わいがある。突然幕が下りるのとも違う、「、(読点)」で終わるような不思議な読後感。
    好きな作品は「川のほとり」「夜は更けゆく」「離婚熱」「コロナ追分」「塩昆布はまだか」「プレイバック」。

  • 筒井康隆で卒論を書いたくらい筒井康隆が好きなんだけど、悲しいくらいあきらかに老いを感じてしまった。
    昔の作品の登場人物が現れて一言かけて…みたいなのって、如菩薩団とか書いてイケドンだったときの筒井康隆から考えられない。
    そして、あの知性あるどぎつい諧謔も、摩耗した独り言のようになっていて…
    スティーブン・キングみたいに老いてなおバリバリ現役なほうがおかしいんだけど、やっぱりおじいちゃんが昔を振り返ってる感じで悲しくなった。
    少し前までビアンカ・オーバースタディとかラノベ流行ってるなら俺が書いてやるぜってやっててさすが筒井康隆だなって思ったのに。
    あと前から思ってたけど、有名だからって代表作が「時をかける少女」ってことになるのは、筒井康隆ファンとしておかしいと思います!

  •  
    ── 筒井 康隆⦅カーテンコール 20231101 新潮社⦆
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B0CGLK6TLM
     
    https://booklog.jp/users/awalibrary?keyword=%E7%AD%92%E4%BA%95%20%E5%BA%B7%E9%9A%86&display=front
     
    …… 著者自ら、60年を超すキャリアを締めくくる「最後の作品集にな
    るだろう」と明かしており、文学界や愛読者たちの騒然たる話題に。
     このたび発売前重版も決定した。
     
     読者への〈最後の挨拶〉である『カーテンコール』はエンタメ精神あ
    ふれる全25篇もの掌篇小説集。人魚に恋する男を描く「横恋慕」 、猛
    獣に襲われる村の恐怖「羆」、タイムマシンで連れてきた古代人に美食
    をさせる「美食禍」、『時をかける少女』『パプリカ』など代表作の主
    人公たちが病床の作者を訪れる「プレイバック」などなど、巨匠がこれ
    まで蓄積した技倆と思索の全てを注いだツツイ・ワールドにどっぷり浸
    れる怒濤的傑作ばかりだ。
     
     長年の筒井文学の愛読者である小川 哲(作家)は 下記のように評し
    ている。(「『レイト・ワーク』の先までも」「波」11月号より)
     
     そのタイトルに相応しく、著者の集大成ともいえる作品集だ。下品な
    笑い、不謹慎なギャグ、ドタバタに抒情、そして不意にやってくる感動
    と、これまでの筒井作品に見られた作風がふんだんに詰め込まれている」
     
    「今年の三月には大江 健三郎が亡くなり、筒井 康隆は「巨匠」と呼ぶ
    ことのできる最後の人物になってしまった。その意味を問い直すことが、
    本作における最後にして最大の実験と呼べるかもしれない」
     
     巨匠の最後の挨拶(カーテンコール)は、25篇もの怒濤的傑作掌篇小
    説集!
     
     著者曰く「これがおそらくわが最後の作品集になるだろう」(編集者
    「信じていません!」)。筒井文学の主要登場人物が打ち揃う「プレイ
    バック」をはじめ、巨匠がこれまで蓄積した技倆と思索の全てを注いだ、
    痙攣的笑い、恐怖とドタバタ、胸えぐる感涙、甘美な夢のごとき抒情な
    どが横溢する圧倒的傑作掌篇小説集爆誕!
     
    ■著者紹介(ツツイ・ヤスタカ)
     
     1934 大阪 同志社大学卒。1960年、弟3人とSF同人誌〈NULL〉を創刊。
    この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が〈宝石〉に転載される。
    1965年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。1981年、『虚人たち』で泉
    鏡花文学賞、1987年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989(平成
    元)年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年、『朝のガス
    パール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1996年12月、3年3カ月に及んだ
    断筆を解除。1997年、パゾリーニ賞受賞。2000年、『わたしのグランパ』
    で読売文学賞を受賞。2002年、紫綬褒章受章。2010年、菊池寛賞受賞。
    2017年、『モナドの領域』で毎日芸術賞を受賞。他に『家族八景』『敵』
    『ダンシング・ヴァニティ』『アホの壁』『現代語裏辞典』『聖痕』
    『世界はゴ冗談』『ジャックポット』等著書多数。
     
    (20231031)

  • 「これがわが最後の作品集となるだろう」と著者。いやいや、編集者氏同様そうは思いませんし、思えません。「コロナ追分」の毒気ある言葉遊びと批評精神などまさに往年そのものじゃないですか。筒井作品を飾る主人公たちが次々と登場する「プレイバック」。これにはさすかにジンときましたが…これも筒井流エンターテナー。決して“枯れ”などではありません。オススメです〜。

  • かつて筒井康隆を愛読したものとしては、最後の作品集となるかもしれないと思いで読んだ。昭和の語彙が頻出し、平成という元号を一つ挟んだ令和の今、すこし遠くの出来事を思い出し通読むような気がした。古臭いと揶揄しているわけでhなく、最後まで毒と実験精神を持ち続けている作家に対する敬意を持って言っている。「川のほとり」は、ことのほか辛い。読者をあっと驚かせるような終わり方をするわけではにないが、なぜか、漱石の夢十夜をこれもまた筒井康隆なのだと思いつつ読み終わった。

  • なんですかね。
    小説の体言止め。余韻が終わり。の様な短編集。

  • 話しのオチ?が
    よくわからなくて

  • 本人曰く「最後の作品集」

    もちろんわしとて文芸誌にまだ掌編を載せている以上信じているのではないのじゃが、愛息伸輔氏に先立たれめっきり意気消沈してしまい、最近では入院したり手術したり齢九十にならんとする先生に一方的に期待を寄せるのも酷というもんじゃろう。

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著者プロフィール

筒井康隆……作家、俳優。1934(昭和9)年、大阪市生まれ。同志社大学卒。1960年、弟3人とSF同人誌〈NULL〉を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が〈宝石〉に転載される。1965年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。1981年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989(平成元)年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年、『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1997年、パゾリーニ賞受賞。他に『家族八景』『邪眼鳥』『敵』『銀齢の果て』『ダンシング・ヴァニティ』など著書多数。1996年12月、3年3カ月に及んだ断筆を解除。2000年、『わたしのグランパ』で読売文学賞を受賞。

「2024年 『三丁目が戦争です』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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