万物の黎明~人類史を根本からくつがえす~ [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 本文が二段組・約600ページのボリュームで、聞いたことの無い人物の話が次々に出て来るので、読了に時間を要した。訳者のあとがきがわかりやすい解説になっていて、あとがきを読んだ後に目次→本文と見直して理解することができました。
    人類史としての新たな発見は続いており(既に発見されてはいたが欧米中心の主流な思想の前では無視されてきたことも多いらしい)、人類は当初から想像力に富み、知的で、遊び心をもっていたこと・・・新・真・世界史が語られている(と思う)。

  • これはとてつもないポテンシャルを持った本だ。
    本の帯にあるこれまでの「人類史を根本からくつがえす」という謳い文句にはいささかの誇張もない。

    人類学者グレーバーと考古学者ウェングロウのコラボは素晴らしい成果を生み出した。
    有史以来と先史時代という対比があるが、人類の歴史が700万年、ホモ・サピエンスになってからでも20万年、言葉を獲得してからでも7万年とすると、ほとんど文字を持たない時代で占められており、その間の歴史は闇に包まれたまま、「単純化」されていたわけだ。
    その先史時代と西側「文明社会」との出会い以前の社会を最新の研究成果に基づいて描き出す。
    そこに立ち現れるのは、(未熟で野蛮な人間ではなく)遊び心と創意に満ちて成熟した人間像としばしば実験的な多様な社会のあり方である。
    それゆえ著者たちは問うのである。
    なぜ私たちは、このような暴力と支配に満ちた社会に閉じ込められるようになってしまったのか、と。
    そこから脱出することの可能性を豊かに示してくれた希望の書。

  • ルソーとホッブズの言う「高貴な野蛮人」「万人の闘争状態」は黎明においては
    間違いに過ぎない。かつての文明は一方通行の発展をしてきたわけではなく、
    極めて自覚的、選択的に集団のあり方を選んできた、と言う趣旨。二週間かかった。

  • 人類学やフィールドワークを行う学生にとっては読んでおく方がいい本である。さらに、世界史あるいは日本史について学習を疑う学生にもお勧めである。特に三内丸山遺跡についての言及で、縄文時代と弥生時代という区分がすでにおかしいということがはっきりわかるように書いてある。
     また、部族、首長制、国家という順序ではない、ということを明確に書いている。
     ハラリやジャレドダイヤモンドやピンカーなどの文明論を読んだ人やルソーの人間不平等起源論やトマスホッブスのリヴァイアサンを読むときには併読すべきほんであろう。
     ただ5000円と高額なので、学生向きには文庫本で1000円でしゅっぱんされることを望む。

  • 少々難解な文章で値段も高いが、歴史に対する見方がガラッと変わる十分に読む価値のある本である。閉塞まで行き着いた現代にあって新しい時代に生まれ変われる可能性と希望を感じさせてくれる。又、訳者あとがきも章ごとに丁寧に解説されており読解力不足の自分を助けてくれる素晴らしい内容。訳者あとがきから先に読むのもありかも。

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著者プロフィール

1961年ニューヨーク生まれ。ニューヨーク州立大学パーチェス校卒業。シカゴ大学大学院人類学研究科博士課程(1984-1996)修了、PhD(人類学)。イェール大学助教授、ロンドン大学ゴールドスミス校講師を経て、2013年からロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授。2020年死去。
訳書に、『アナーキスト人類学のための断章』(2006 年)、『負債論──貨幣と暴力の5000 年』(2016 年)、『官僚制のユートピア』(2017年、共に以文社)、『ブルシット・ジョブ──クソどうでもいい仕事の理論』(2020年、岩波書店)ほか。
日本語のみで出版されたインタビュー集として『資本主義後の世界のために──新しいアナーキズムの視座』(以文社、2009 年)がある。
著書に、Lost People: Magic and the Legacy of Slavery in Madagascar (Indiana University Press, 2007), Direct Action: An Ethnography (AK Press, 2007). ほか多数。
マーシャル・サーリンズとの共著に、On Kings (HAU, 2017, 以文社より刊行予定)、またグレーバーの遺作となったデヴィッド・ウェングロウの共著に、The Dawn of Everything(Farrar Straus & Giroux, 2021)がある。

「2022年 『価値論 人類学からの総合的視座の構築』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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