鏡の国 [Kindle]

  • PHP研究所 (2023年9月12日発売)
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  • 本 ・電子書籍 (497ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 岡崎琢磨さんの長編小説。
    岡崎さんと言えば『タレーランシリーズ』や『夏を取り戻す』などの作品が有名だが今回はそれとは違った作中作やどんでん返しをこれでもかと堪能できる作品でした。
    作中作の『鏡の国』には描かれていないエピソードの謎を解くために姪の怜と担当編集だった勅使河原が原稿を読んでいくという話。『鏡の国』は身体醜形障害に悩む主人公・香住と幼なじみで幼い頃に顔に火傷を負った配信者・郷音の久々の再会を軸に郷音のやけどのきっかけとなった火事の真相に迫っていくというもの。
    ルッキズムの問題に深く根ざしていて、それによる体への影響や周囲の人々の無理解やそれに苦しむ人々の表現が凄くリアルで良かったです。展開もタイトル通り鏡のように反転の繰り返しでとても面白かったです。登場人物全員が怪しく見えてとても読み応えのある作品でした。そして現実世界の話も勅使河原の推理が鋭くて、もしかしてこの人が黒幕なのではないかと思わせる感じでとても面白かったです。
    どういう所が伏線だったのかは、回収されたときにその伏線がどこに張ってあったのかという所が書かれているのでとても読みやすいですのでお勧めです。ミステリーとしても社会問題を提起する小説としても優秀な作品ですので是非読んでみてください。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    桜庭怜:小松未可子
    勅使河原篤:高木渉
    室見響子:小山茉美
    香住響:愛美
    新飼郷音:伊藤美来
    久我原巧/久我原幸秀:古川慎
    吉瀬伊織:島崎信長/大塚芳忠
    遠藤征一:安元洋貴

  • 作家 室見響子の遺作 「鏡の国」
    面白かった。
    登場人物響子はどっち?顔に残る火傷のあと、性格の違い、全然結び付かず必死で最後まで読んでしまいました。成る程!真相はそうだったのね。
    私的には最後のシナリオは載せるべき^ ^「了」

    馴染みのない言葉(漢字)が多かった。

  • ⭐︎4.7
    全てが伏線。(タイトルも表紙も伏線)
    なんだろう、完敗。
    とにかく素晴らしい。
    予想だにしないストーリー展開。
    いろいろ勉強にもなりました。
    身体醜形障害
    相貌失認
    など、未知の領域でした。
    書物はこれだから、やめられない。
    なんか上手くまとまっていないが、読後すぐの気持ちだ。圧倒された。

  • 登場人物の誰にも感情移入できずに終わってしまった。そしてどれが作者の意図する反転なのか分かりにくかった。

    お兄さん、ずっと二人分の国民年金を払ってたんかな、とかどうでもいいことを考えながら読んでいた。督促とか来て大変じゃないんかな。ほったらかし?

    最後の空港のシーンは、自分の彼女を間違える程のレベルで相手の顔がわからないのに、響のことは髪型を変えてもわかるっていおり本人が自信満々に言うところ、何のトリックが仕込まれているかと思ったら、何もなかった(笑)。元カノかわいそう・・・て思ったら、すごく薄情な男やなって思えてイメージが反転してしまった。

    あと、失われた小説部分についてはツッコミが追いつかず、まずは東京本社で待ってる社員たちがとても気の毒な感じで、響は不義理な女という印象になった。友達関係にだけ気を使う女。ルッキズムなどを伝えたい、という気持ちを簡単に捨てられるところも、自分にそう言い聞かせていただけでしょ、と言われて簡単に崩れるのも、??????と衝撃的で、ものすごい大どんでん返しだった。仕事より大切なものがある、というより、仕事はただの腰掛けで、障害やルッキズムについても人任せでいいやと笑える女。あんた、あの熱い思いはどこいったの?というか、なんだかわけがわからなくなって、世界観が崩壊した
    最後の勅使河原さんの独断も恐ろしかった。せめて上層部に申し立ててほしかった。原稿改変じゃなくて、イフの物語として続巻を出してもよかったのでは。遺族の了解を取り付けたらこういう独断も許されると思う人なんやと思うと、誠実な人というイメージはひっくり返った。

    トリックより、登場人物の豹変ぶりが凄まじい作品だった。

  • 綺麗にまとまってる物語でした。
    鈍感なのでいつもはオチに気づかないのですが本作は途中で気づいてしまいました。
    気づかない方が楽しめると思うので深いことを考えずに読み進めると良いと思います。
    登場人物は全員私の嫌いなタイプでしたw

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    反転、反転、また反転――! 本気の「仕掛け」を堪能せよ! 『珈琲店タレーランの事件簿』の著者がおくる、2023年大本命ミステリー。 ●STORY 大御所ミステリー作家・室見響子の遺稿が見つかった。それは彼女が小説家になる前に書いた『鏡の国』という私小説を、死の直前に手直ししたものだった。「室見響子、最後の本」として出版の準備が進んでいたところ、担当編集者が著作権継承者である響子の姪を訪ね、突然こう告げる。「『鏡の国』には、削除されたエピソードがあると思います」――。削除されたパートは実在するのか、だとしたらなぜ響子はそのシーンを「削除」したのか、そもそも彼女は何のためにこの原稿を書いたのか……その答えが明かされた時、驚愕の真実が浮かび上がる。

  • 設定や煽り文句に期待しすぎました。

    ミステリ部分はまあなるほど、と思う内容でした。

    人物描写や人間関係の部分が浅いので不完全燃焼というか、ここまでひっぱる話ではなかったです。
    小説の中の小説、削除されたシナリオ、過去と未来を行き来する構図など面白そうな仕掛けがたくさんでどんな展開が待ってるのかと想像しすぎました。
    普通の話でした。

    面白そうに見せる技はすごいと思いました。

  • よくできたミステリーだとは思う、しかし、モチーフとなった、ルッキズム、身体醜形障害、そして自身に問題を抱えた若い男女の恋愛、に興味が持てないもので、読んで感銘を受けたという程でもない。「終章」の「削除されたエピソード」なるものを読んでも「ふーん」としか。ごめんなさい、ねじくれた性格で。まあ、僕向けではない小説だったのだな、と。

  • 最後は止まらなかった!
    伏線が色々あるので犯人は途中で予想できたけど、本筋の方は何も気づかなかった!

  • 構成は面白かったけど1回で満足

  • 作中作の「鏡の国」は面白かった。ただ途中で気付いてしまった部分も多く残念。 身体醜形障害や相貌失認はあまり知らなかったので興味深かった。

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著者プロフィール

1986年福岡生まれ。京都大学法学部卒。2012年、第10回『このミステリーがすごい!』大賞隠し玉に選出された『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』でデビュー。翌年同作で第1回京都本大賞受賞、累計250万部を超える人気シリーズに。この他の著書に『夏を取り戻す』、『貴方のために綴る18の物語』、『Butterfly World 最後の六日間』など多数。

「2022年 『下北沢インディーズ ライブハウスの名探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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