半導体ビジネスの覇者 TSMCはなぜ世界一になれたのか? [Kindle]

制作 : 鈴木 一人 
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感想・レビュー・書評

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  • 世界のTSMC、こちらもうマーケティング本ですね。
    顧客価値向上について学べると思います。

  • ■書名

    書名:半導体ビジネスの覇者 TSMCはなぜ世界一になれたのか?
    著 者:王百禄

    ■感想

    TOPPOINTで読了。

  • TMITからTI、GIで半導体事業を率いていたモリスチャンが、李国鼎に請われて台湾産業パークに半導体製造企業を立ち上げ、TSMC設立のため出資を募り、インテルからの受注に失敗してOEM事業に磨きをかけ、ファウンドリーとしてのビジネスモデルを構築していった過程が描かれる。再現不能な幸運に支えられた面もあったが、米国式のマネジメント、台湾の人的、地理的リソースをフル活用した産業基盤の構築など、大胆な胆力と時宜にあった企業戦略がマッチして成長していった過程が描かれる。製造プロセス立ち上げに1年以上を要する半導体受注において、サプライヤーとの約束を守りながら、工場稼働率を維持するセールスの能力、製造工程立ち上げのノウハウを台湾に維持しながら、米国や日本に製造拠点を拡大するビジネスモデルなど、報道では触れられないTSMCの競争力の源泉となる事実も描かれている。

  • 熊本に巨大工場を建設すると発表して日本での知名度が一気に上がったのが、台湾のファウンドリー企業のTSMCだ。正式にはTaiwan Semiconductor Manufaturing Company(英語)/台灣積體電路製造股份有限公司(繁体字)/台湾集成电路制造股份有限公司(簡体字)という名称のこの会社は、現代の製造業においては最も重要な部品である半導体の製造を専門に手掛ける会社だ。

    かつては世界市場を制覇する勢いだった日本勢が日米半導体摩擦により力を失った後に、TSMCは製造に特化することで市場を切り拓き、今では半導体製造のサプライチェーンの鍵を握る存在となった。本書でも書かれているように、半導体業界において設計から製造までを全て一貫して自社で行なっているのは今では韓国のサムスンと米国インテルだけになってしまっており、製造を手掛けているファウンドリーがなければ、半導体を市場に送り込むことが出来ないのだ。

    つい最近もコロナ禍と、ロシアのウクライナ侵攻による世界的なサプライチェーンの混乱により半導体の供給が安定しなくなり、冷蔵庫から車まであらゆる製造業のラインが混乱した。我が家も調子が悪いので洗濯機を買い替えようと思ったら、ドラム式はいつ納品できるかわからないと言われてしまい、結果として日本に帰ってきてから初めて縦置き型を買うことになった。むしろ壊れにくくなったのでモノ自体には大変満足しているのだが、まさか日本にいて電化製品が買えなくなる日が来るとは思っていなかったので、店頭で驚いた記憶がある。

    本作は電化製品だけでなく、車やパソコン、スマホまでありとあらゆる製品に必要不可欠な半導体製造で世界最大の企業、台湾の誇りと言われるTSMCを取り上げた一冊だ。

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