シャーロック・ホームズとサセックスの海魔 クトゥルー・ケースブック (ハヤカワ文庫FT) [Kindle]

  • 早川書房 (2023年11月21日発売)
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本 ・電子書籍 (370ページ)

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  • 正典である『シャーロック・ホームズ最後の挨拶』によるとホームズが隠遁した場所は「サウス・ダウンズの小さな農場」となっており、原作にあるそういった記述と祖語がないようにある程度舞台や登場人物、年代は準拠して書かれています。タイトルの通り、全体を通して海の悪魔シー・デヴィルとの戦いや、海上での旅など「海」にまつわる冒険が多く、いわゆる隠れた精神(ヒドゥン・マインド)はホームズの精神を執拗に悩ませているものの、相変わらず二人とも元気いっぱい。ホームズは持ち前の推理能力や口車、たまにバリツを、ワトスンは人柄の良さと解説の上手さを活かして(正直もうちょいワトスンが活躍してるところを見たかったぞ)危機を切り抜けていきます。
    ホームズ×クトゥルフという意外な組み合わせではありましたが、どちらの世界観も大事にしており、相乗効果によって大変楽しい出来となっているのでおすすめのシリーズです。

  • ホームズ&クトゥルフ神話連作の最終巻。コンサルタント探偵業から引退したホームズが、外なる神との最終決戦に挑むストーリーで、作者も大いに盛り上げようとしている様子がうかがえる。
    が、2冊目の『ミスカトニックの怪』からうすうす気づいていたのだが、敵のボス格の小物感がひどい。そもそも原作からホームズに敗北した相手だからやむを得ないのだろうが、単純なアクション要素で戦うのではなく、もう少し宇宙的な手段を行使して戦っても良かったのではないかと思う。
    また、過去2作でホームズと関わってきたキャラクターたちの幕引きが「これでおしまいにします」という匂いがプンプンする雑な使い捨てになっていて、正直もったいない。
    ラストのシーンは、うーん、まあ、そうなるかなあという感想。『ゴーストハンター パラケルススの魔剣』でもそんな感じのプロレスと脱出劇で終わったなあ…という。
    結局、一作目が一番面白かったかもしれない。

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