成瀬は信じた道をいく 「成瀬」シリーズ [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 成瀬は天下を取りにいくに続く第2作目。
    期待を裏切らない面白さ。
    何事にも動じない成瀬あかりの生き様に惹かれっぱなしでした。
    前作同様島崎さんとの友情になんだかホッとする。

    実の父慶彦でさえ、娘あかりのことがよくわからない...。その父慶彦が娘の成瀬あかりをディープインパクトになぞってて笑えた〜。

  • 本屋大賞ノミネート作の続編。
    前作は、西武大津店の閉店を巡る物語の登場人物の一人として後ろに下がっている作品もあったが、今作は、全編が成瀬を取り巻く人々からの視点で、成瀬の活躍?が描かれている。
    あっという間に読めて心が軽くなるような小説。読んでいると、ときめき地区のパトロールをしている小学生とすれ違ったり、フレンドマートでクレームを書く主婦を見かけたり、電車で「びわ湖大津観光大使」の衣装を見たり、成瀬捜索版グループに一員として成瀬を探しているようなこの世界観にどっぷり浸かっていた。
    心地よい読後感。まだまだ続くようなので次作も楽しみです。

  • 最高の主人公、成瀬あかりのその後いろいろ。
    成瀬の受験、成瀬のアルバイト、成瀬の広報活動。

    どの成瀬も、貫いてる。
    今回もいろいろな人が集まってくる。
    私もその中に入りたい。
    成瀬の活躍を目の当たりにしたい。
    島崎の嫉妬や願いには強く同意する。
    そして驚いたのは、成瀬がとっても頭がいいこと!
    こんなに裏表がなくて、願いを叶えることにまっすぐな人に、私もなりたい。
    「自分なりに進めばいいんだ」と成瀬の声が聞こえたような気がする。
    なりたいものになるのではなく、やりたいことをやれば、
    思わぬ形で道が開け、
    思ってもみなかった素敵な方向に進めるのだろう。

  • このシリーズ、2作目も実に面白かった。嫌に感じるところが本当に全くないし、テンポはいいし、登場人物のキャラがとても良いし楽しいし各話の繋がりと終わりが良い。
    成瀬の性格も、まぁ確かに言葉遣いが独特ではあるけれども、一貫性があって見習いたいほどだし、痛快。
    なんてキャラを生み出したんだ。みんな、成瀬が好きになっちゃうじゃん…。作中だけじゃなく、読者までみんな、成瀬をずっと見ていたくなっちゃうじゃん…。

  • 図書館に予約したけれど順番が回って来るのにかなり待たなければならなかった。その点、お試しで入会したオーディブルには新作がいち早く取り入れられていて助かる。さて、成瀬シリーズ!(最初の頃は、ナレーターが成瀬のセリフを、武士っぽい男のような話しぶりだったので、成瀬は男の子なのだろうかと訝しく聴いていた)。2つのタイトルを見て、勝手に1作目が「成瀬は信じた道を行く」で、続が「成瀬は天下を取りに行く」と思い込み、2冊を逆行して読んだ(正しくは聴・い・た)。だって天下取りと云えば、後に来るものじゃないかと(笑)。
    最近は成瀬のような子が主人公になる場合が多い。老若男女、いずれの世代も人に気遣いながら生きているのだろうか? 成瀬あかりさん、あなたのような生き方ができたらと心から望む。大津へ対する郷土愛の強さにのけぞった。若い頃には、自分の生まれ育った土地に愛着を持つより、新天地を目指したい気持ちが強いような気がするが、成瀬は違う。ここが強み!
    続から先に読んだからか『信じた道を行く』の方がインパクトが絶大だった。でも、高校入学時に坊主頭になる発想や、西浦に告られ「今は自分のことに忙しくて、恋愛は人生の後半に回そうと思っているんだ」と生真面目に応え、恋愛なんて他人事だと思っていたから、好きと言われるのは不思議な気持ちだと照れているのは、さすがに女子高校生の片鱗が伺われる。
    「たくさん種をまいてひとつでも花が咲けばいい。花が咲かなかったにしても、挑戦した経験はすべて肥やしになる」の成瀬哲学は実に清々しい。ユニークな成瀬を世に送り出した宮島未奈さんは、きっと成瀬に近い作家さんなのだろう。50代になった成瀬に会いたい。
    大津は数年前に訪れていて、もっと観光しておけば良かったと悔やまれる。

  • 成瀬あかりの魅力に取り憑かれた。
    前作+今回の合わせ技で、星4つ。
    2025年の紅白で、実際にけん玉を持った「琵琶湖観光大使」が出てきたら面白い。
    琵琶湖でミシガンに乗船した男子高校生は、今回出てこなかったのが残念。

  • 一作目で見事に心を掴まれた僕がこの続編を手に取るのを決めるまでそう長くはかからなかった。
    むしろ前作から読み始めまで5日も空いてしまったか、という印象だ。

    相変わらず、良い人しか出てこないので安心して読める。歳取って疲れてくると、あまりしんどい話が読めなくなってくるのだ。

    前作で中3〜高3までの成瀬を描き、今作では受験〜大学生の成瀬を描く。続編がまた出るとしたら、次はいよいよ就職か。大津に百貨店を建てたい彼女は、どの地でどのような企業に就職するのだろう。それとも起業?いやいや大学院?はたまた海外留学?なんだって有り得る。

    いずれにせよ、ゼゼカラの2人がいつまでも仲良くいる姿をまた見せてくれたらと思う。

  • 成瀬シリーズ2作目。
    主人公の女子高生成瀬の1作目の強烈なキャラの印象が残っていて、2作目はすんなり入っていける。
    大津のとある街のリアルな感じ、台詞回し、ストーリーとよくできていると思う。
    読んでると(聴いていると)次第にこの成瀬ワールドが癖になってきて、思いっきり吹き出してしまったり、クスクス笑ってしまったりと、感情が揺さぶられる。
    巻末にかけて読み終わるのが寂しくなってしまう。迷いましたが、これだけ楽しい作品とはなかなか巡り会えないと思い、星5にしました。
    次作を期待して待ってます!

  • ゼゼカラの二人に会えて感激するみらいちゃんと同様、久しぶりに成瀬の特徴ある話し方に触れて愛読者のこちらも嬉しくなる。
    島崎さんもいつものように成瀬の良いパートナーでいてくれて冒頭から嬉しい。

    初登場の成瀬の父。さぞかし変わった人物なのだろうと思いきや、至って普通の受験生の娘を持つお父さん。
    彼が娘を例えるディープインパクト号が、言い得て妙でちょっとクスッとしてしまう。
    京大の試験会場で拾ってきた城山くんがいみじくも口にしたように、成瀬もすごいが、彼女の周りの人物の「受け入れ力」が凄いのだ、ということに改めて気付かされる。


    成瀬とともにびわ湖大津観光大使となった篠原かれん。最初はやや変なやつだという予断と警戒を持って付き合っていた成瀬という存在によって、徐々に影響を受け、あの独特のオーラに巻き込まれていく様子がとても良い。
    付き合いが長くなるとともに次第に成瀬の物言いの特殊さに悪気や他意のないことがわかってくるという過程がいいんだよなぁ。

    東京に進学した篠原さんの、自分の成瀬の相方としての役割が薄れつつあることに感じる焦りにウルッとしてしまう。
    自分では幼馴染かつ親友で、一番の理解者であったことの自負が、自信が、少し離れている間に当然ながらお互いそれぞれの生活が進行して、薄れつつあるのではないかという不安。よくわかる。

    いい話じゃないか。
    おそらく宮島先生は大学生編を用意してらっしゃるのだろう。楽しみに待ちたい。

  • 安定の成瀬あかり
    次は、世界かな

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