全巻購入し続けてきて、最終巻。結構好きだったなぁ。
でも、ぶっちゃけこの最終巻は微妙だったなぁ。正直、グリードが出てきた辺りから少しずつ微妙な感じになってきた。世界線Oとの勝負の辺りは良かったし、カネヒラとの対決も好きだったけど、グリードが出てきた辺りからねぇ。
シロガネ教授が何らかの鍵を握ってるのは分かってたし、それはそれでいいのよ。彼が最終的なラスボスになっても。ただ、最後の方のシゲオの扱いが雑すぎないか?シゲオだけじゃない、グリード4人衆(ジッター、ウィッチ、エミュレータ、タワー)の最後の扱いも超雑。タワーなんか最後出番ないし。乱暴すぎる気がする。
そして、カナメの時間が残されてなかったはずなのになんで半年後とかもその世界に留まってんだよ、とかさ。結局転移した世界の自分と同化しちゃったとかそういうこと?
ホンマに釈然としない終わり方だったわー。カナメがチート過ぎるってのはまあ良いとして、それでも戦略性が必要だったりする点で面白かったのだけどね。この終わり方はどうにもね。
そして、回収されてない伏線が多すぎる。雪蘭が受けた依頼の内容と依頼主は誰だったんだよ。依頼内容はなんとなく想像つくけど、主が分からんやん。オオサコ先輩もあんなにあっさり世界線Oに残って。シゲオとの因縁はどうすんだ。いのりんとギョクトもチョイ役のまま終わったし。火炎魔人のシグも生きてそうなフリをしといて死んでるし。グリードは情報生命体とやらだった、ってのはまあいいや。その一言で説明を終わらせるのはどうかと思うけど。そしてセイゲンが信徒に同じ異能(黒山羊の王)を使わせられることの説明とかもないし。マッドハッターとかシャロンとか思わせぶりに出てきて全くのチョイ役もたくさんいたし。
つまり、いろいろと説明不足なんですよ。最後の方はやたらとテンポが早くなったし。とっとと終わらせたくなったのかな。
この中途半端さ、ずっと残尿感が残ってる感じ、ちょっと気持ち悪いなぁ。伏線という伏線を全部回収しまくる伊坂幸太郎を見習って欲しい。
そして最後はもう1次元上の存在が出てきて、世界線を切ったり復活させたりしてる。だったらお前が最初からやりゃあ良かったんじゃね?「ありがとう、気味のお陰で多くの世界枝が救われた」とか言ってっけど、お前のその力があったら、サクッとやれてたんちゃうの?なんでカナメにやらせてんだよ。
まあいろいろと納得いってないわけですが、全体としては面白かったので良しとしようか。
うーん、グリードが出てくるまではかなり良かったんだけどなぁ。やっぱり残尿感が強い。