トヨトミの世襲~小説・巨大自動車企業~ [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • トヨトミの世襲 -小説・巨大自動車企業-

    覆面作家 梶山三郎 著
    2023年12月の本

     読んだのはこの本が出たての2023年末、一気読みをしていたのですが、レビューアップが遅くなりました。抜粋引用が多くなるので私的感想は少なめにします。 「この話はフィクションです」フィクションなのではありますが、Wikipediaを参照すると酷似した情報が数多く表現されており、抜粋引用にもWikipediaに書かれた情報を基に補足したいと思います。

     この小説は三部作であって、第一部第二部も本当に楽しく・深く読まさせていただきました。シーズン3としては「世襲」をテーマに、豊臣統一さんの本家世襲観点に加えて、日本電産(現ニデック)の永守さんを想像させる織田電子の織田善吉さんの事業承継の課題がドラマチックに表現されていて非常に読みごたえがありました。本書籍の重要キーマンである「トヨトミの母」と呼ばれる方のネタバレレビューはしないようにしますね。

    さて、以下、抜粋引用です。
    ========
    P75 
     星 と織田が星を制し、諫めるような声で言った。
    「あんたもまだまだやな。ものが散らかっていたり、工作機械の手入れを怠っていたり、工員が作業着を着崩していたり、そういう工場のほうが見所あるんや」
    「は?」
    「考えてみい。汚い工場で、だらしない格好で仕事をして、備品の管理はめちゃくちゃ。そういう会社を買収してうちのやり方で叩き直したらすぐ生産性があがるで。汚さやだらしなさ、いい加減さは、言うなれば伸びしろなんや」
    (中略)

    「それとな、トイレもよく見るんやで」
    「トイレですか?」
    「トイレットペーパーの予備がいくつも置いてある会社が最高やね。そんなに置いとったら好きなだけ使うやろ。コストカット意識が行き届いていない証拠や」
     入社時から織田とは週に三回、一対一で話す機会を設け、織田の経営理論と哲学を一から学んでいた。徹底的な個人指導である。織田の言葉の端々からは、自分が退いても織田電子が成長を続けられるよう、星には自分のやり方を完全に吸収し、自分のコピーになることを求めていることが強く感じられた。
    「社員の事務机の文房具もな、わざわざ社費でノートやボールペンを買っている会社も放漫経営や。あんなもん、無料で配っとるものをもらってきて使えば十分やろ。新聞チラシとか去年のカレンダーの裏でもええやないか。白い紙に文字が書ければええんやから」

     日本電産の永守さんが事業継承に悩んで、何度も後継者社長を三顧の礼で迎えては、数年でまた永守さんが社長に返り咲くことは何となく知っていたが、パイロットになりたかった生い立ち、日産からEVの関連で徴用されたとなると2020年、日本電産特別顧問に就任した「関潤」さんが星さんのモチーフとしてみてよいでしょう。


    P119
    「私が転職を決意した理由でもあるんですが・・・。私が入社した当時のトヨトミはユーザーの使い勝手を徹底的に追及する会社でした。インドネシアで新しいクルマを出すなら、現地の気候や道路の舗装率、そこで暮らす人々の生活や家族構成を完全に把握した上で設計開発していました。トヨトミの商品企画は伝統的にそういうことが得意だったんです。そこが私は好きでした」
    「今はそうではないのですか」
    三輪は時代の流れといえばそれまでですが、と前置きして答える。

    「社長が変わったことも大きかったように思います。商品企画の部署が、かつてやっていたようにユーザーの需要調査に基づいてクルマのコンセプトを作るのではなく、社長の顔色を見て仕事をするようになってしまった。今のトヨトミ車のラインナップを見てください。スポーツカーや若者向けのセダンばかりでしょう。いつしか私はそこに疑問を抱くようになったのです。この会社は世の中の変化がまるで見えていないのでえはないか、と。」

    (中略)
    「豊臣社長の顔色をうかがい、上手に取り入った人間だけが出世する会社ですから、おっしゃるとおりでしょうね。社会が変われば新しい需要が生まれるはずでしょう。佐伯さんが小型のEVトラックを必要としたように。だけど、社長本人も周りの役員もそれを見ようとしていないのです」

    (中略)
    「それがわかった時、私はトヨトミを辞めようと決めました。クルマを利用する人の人生、その人の日常に思いを馳せることをやめた自動車会社なんて、何の魅力もない。同じような思いを抱いていたのは私だけではなかったのかもしれません。今、トヨトミでは管理職クラスの人間が次々に辞めているんです。彼らの頭の中にあるのはトヨトミへの失望と、恐怖です」
    「恐怖?」と思わず唐池が口を挟む。

    「ええ、社長に目をつけられたらキャリアを潰されるという恐怖です。豊臣社長は気に入らない人間は、すぐに自分の視界に入らない場所に飛ばす。しかし、関連会社への出向や更迭を自分で命じるわけではない。やるのは社長の気持ちを忖度した人事部です。彼らは社長の溜飲を下げるために、ただ閑職に飛ばすのではなく、もっとも絶望的な場所に飛ばす」

    トヨトミ自動車から転職してきた三輪さんという社員の方の吐露。 僕もTMCさんに複数人の知り合いがいることもあり、さすがにここまではいってなかったとは思うけど、外から見ていても、なんとなく思い当たる節はなくはないので、小説とはいえ、かなり切り込んで記載していますよね。


    P143
    「車検とセットで義務になっている法定点検は、二十四ヶ月点検で56項目あります。でも実際にやっているのは、いいところ40項目です」
    「会社の上層部には伝えましたか?」
    「彼らに言ったところで無駄ですよ」
    横井の目が暗く陰った。
    「私は先月まで車両整備部にいました。会社から車検一台にかける時間制限を設けられて、この不正に手を染めていた一人です。もちろん好きでやっている整備士など一人もいない。でも、声をあげたら会社から目をつけられます。閑職に追いやられた人間、嫌がらせを受けて退職していった人間、これまで何人も見てきました」

    P147
    「告発者の横井一則は、不正車検の証拠となる動画を国交省に持ち込むと言っていました。抜き打ち検査が入ればおそらくほかにも不正に手を染めているディーラーが発覚するはずです。それはもちろん報じますが、この問題はもっと根が深い」
    「その横井という男が言っていたように、トヨトミの車検システムの問題、ってことか?」
    いいえ、と文乃は首を振る。
    「もっと深いです。これはトヨトミが、いえ社長の統一さんが去年下した経営判断が引き起こした問題ですよ」
     
     そう言うと、多野木は少しの間考えを巡らせていたが、やがてピンと来たのか「なるほど」と口角を引き上げた。
    「ええ、『全車種併売』です」

    『不正車検』の話題と 『全車種併売』のトピック、そしてその裏にあったストーリーを表現していきます。 実際に発生したトピックだけにそれらのトピックから情報を類推してフィクションしていく覆面作家の表出力がすごいです。


    P229
    「会長、私に不満があるのでしたら、どうか率直におっしゃってください」
    星、と織田は静かな声で言った。
    「あんたに頼んだのは、わしの後継として織田電子を成長させ続ける力量を見せることだけや。会社の社風を変えろなどとは頼んでおらん」
    「社風を変える? めっそうもない。そんなこと考えたこともありません」
     
     嘘だった。織田電子は「織田の個人商店」から脱皮しなければならない。そのためには、織田一人が強大な影響力を持ったままではダメなのだ。ゆるやかに織田の発言力を弱め、織田電子を創業者なしでも成長を続ける自律的な組織に変えていくこと。それが織田の後継者としての自分の最大のミッションだと考えていた。

    「それしか考えられへんやろが。黙って見ていればわしの方針に納得がいかない連中を束ねよって。何をする気や。クーデターでも起こす気か」

    (中略)
     口では自分なき後の織田電子を率いる後継者の必要性を織田はメディアを通じてしきりに訴えている。しかし、自分が産み育てた会社が自分の手を離れることに、織田電子がが自分以外の人間によって経営されることに、内心では拒否反応を示している。「クーデター」という言葉はそんな織田の無意識を不意に浮かび上がらせたのだった。

    Wikipediaではないですが、別のWebサイトに「特に直近の関さんの解任の時には、従業員の労働環境を良くしようとした関さんに対して、自分の意にそぐわないということで、業績不振の原因をなすりつけるような形で解任しました。」と記載あり、まさに星さんが「織田の個人商店」から脱皮しなければならないとがんばっていたところを降格に至り、当時の状況が想像されるようなスリリングなやりとりですね。


    P259
     織田が何に苛立っているのかわからない宮司は神妙な顔でうなずくしかなかったが、織田電子の後継者にまつわることだというのは察しがついた。というのも、織田のCEO復帰と同時に、後継者候補として入社した星渉が降格されたという報道を目にしていたからだ。

     おそらく、その星という男が織田の眼鏡にかなわなかったのだろう。しかし、後継者に失格の烙印を押して解任するのは今に始まったことではない。織田はこれまでに、家電業界をV字回復させた経営者も、外資系IT企業のCOOも、大手銀行から連れてきた前任者も、三顧の礼をもって迎え、襤褸切れのように捨ててきた。

     呉文精氏(2013~15年):カルソニックカンセイ(現マレリ)元社長から日本電産代表取締役副社長に
     片山幹雄氏(2014~21年):シャープで代表取締役社長、会長を務め、顧問として日本電産に入社
     吉本浩之氏(2015~20年):タイ日産自動車社長などを務め、2018年から日本電産代表取締役社長に

    ということで必ずしも一致はしてませんが、パナソニックやマイクロソフトの方々の印象もありますね。


    P266
     そしてこのプロジェクトにもっとも期待を寄せていたのが建設予定地である裾沼市であった。トヨトミの工場が閉鎖したことで明らかなように、少子高齢化、過疎化が進む典型的な地方自治体だ。市民の中にはトヨトミが市に代わってこの地域の都市開発をしてくれるという過大な期待を抱く者もいたし、工場だった頃ほどの雇用効果は見込めなくとも、フューチャーシティからの需要で地元企業が潤い、結果として雇用につながると考える人もいた。
     そんな裾沼市とフューチャーシティの関係が暗転したのは5月のこと。市とトヨトミの協力関係を推進する立場だった現職市長が市長選で落選したのである。
     当選した新市長はフューチャーシティに冷淡だった。選挙期間中からこのプロジェクトへの反対姿勢を露わにしていたが、当選するとただちにフューチャーシティとの協力関係を見直すことを宣言した。

     そして実際に新市長の田所誠は、市が数年来進めてきた「超未来都市裾沼構想」を終了させたのである。

     ITや先端技術を駆使したまちづくりを目指すこの構想は、フューチャーシティと連携する計画で、発表時には「フューチャーシティ周辺の整備および地域との融合」が事業の一つとして挙げられていた。当初十五年続けることになっていたこの構想を、新市長は「住民の理解が得られない」としてわずか二年で終了させたのだ。

    そういえばウーブンシティの話を聞かなくなったと思って、ウーブンシティと裾野市の市長の件を検索したら、やはり市長交代の事実があった。35歳の新市長ということだった。


    P274
    「どの後継者候補もいい人選だったと思うよ」
    「ダメやダメや。そこそこの会社でそこそこにできた程度の人間は、しょせんサラリーマンの器や。うちでは通用しない。星でやっとわかったわ。必要なのは起業家精神を持った人間の飢餓感やったんや。ハングリーさが足らん!」
    「誰が入っても同じだよ、父さん」
    歳三は冷たい声で言った。

    「後継者が決まらないのは、父さんに問題があるせいだ」

    「わしのどこに問題があるというんや」
    織田がムッとした。
    「人を信用しないところだよ。自分がやってきたやり方じゃないと織田電子が成長しないと思ってるだろ」
    「そんなことはない! そんな硬直的な考えで経営者が務まるかっ!」

     一括するように織田が吠えた。
     いや、硬直的だね、と歳三は織田の言葉をはねつけた。
    (中略)

    「父さんが求めているのは後継者じゃない。自分の分身だよ。だけどそんな人間がいるわけがない。織田電子の成長期だった1980年代の成功体験を振りかざして自分と同じやり方でできる後継者を探していたら、お眼鏡にかなう人間が見つかるわけがないじゃないか。父さんは結局、人に託す気がないんだよ」
     それは違う、と織田は否定した。
    「命が有限なのはよくわかっとる。足も弱ってきたし、目も今ではよう見えん」
    「その割にはよく医学にカネを出すね。教育への投資は惜しまないと言いつつ、自分のために不老長寿の研究をさせてるんだろ? それに、自分で連れてきた“後継者候補”にダメを出して自分がCEOに復帰するとずいぶんとうれしそうじゃないか。ニュースで見たよ。」
    「バカを言うな。わしはやむなくCEOに戻っとるんや。あの連中は織田電子を託すにはマネジメント能力も突貫力も足りないから、仕方なくな」

    「外から連れてきたCEOが使えない。あたりまえだ。実力を出す前に父さんが痺れをきらして交代させてしまうんだから。新CEOの実力不足で業績が停滞したところに真打登場。創業者がCEOに復帰して市場は拍手喝采。父さんはこれがやりたいんだろ?」

    こちらは完全なフィクションで永守さんに二人の男の子ではなくて三人目の息子がいたらという構想。そしてその歳三さんは海外でコンサルファームに就職バロセロナのスマートシティ開発に携わり35歳になる前に日本に帰国し起業したという想定。永守さんと第三の息子とのこのようなやり取りがあったとしたら確かにワクワクしますし、すごいストーリーラインだなと感じました。 実際、2022年に関潤さんを解任してから、永守さんはCEO復職されていましたが、「外部にいい後継者がいると考えたのは錯覚だった」「外部から即トップを迎えることは今後一切ない」と語ったとのことでした。。。


    P284
    「僕では裾沼市長を翻意さえられないと思っているんだろう?」
    「俺を辞めさせてどうするんだ。おまえがやるとでも言うのか?」
     一瞬口ごもったが、ここまで言ってしまったらもう何を言っても同じだ、と翔太は開き直る。

    「僕ではまだまだ社長は務まらないのはわかっている。しかし、トヨトミの社長はもう代わったほうがいい。もう父さんの考え方もやり方も古いんだ」

    こちらトヨトミの統一さんに対する翔太さんの反撃。トヨトミを豊臣本家のみのものにし、豊臣統一のものとして異議のあるものは閑職に飛ばす統一さんに、翔太さんが食ってかかった瞬間。 本家のストーリーもカッコ良いです!(レビューで書けない内容は書いてないです)


    P293
    「何が移籍の決め手となったのでしょうか?」
     聞いてきたのは日商新聞の若い記者だった。その時、星は彼女の質問に答えることができなかった。
     しかし、星はいま、自分をあたたかく迎えてくれる織田電子の面々を見て、一つの答えが見えた気がした。

     織田は自分とは相容れなかったが、事業への成長の渇望だけは本物だった。そして、星は議場の人々から、織田と同じ渇望と飢餓感をひしひしと感じ取っていた。それらは織田の指導力によって育まれ、織田の強権によって眠らされ、織田の病によってふたたび目覚めさせられたものだった。
     結局のところ、俺は人の情熱が好きなのだと思った。織田から電話がかかってきたあの夜、俺は織田という男の熱に触れた。そして、彼の下で働く人々のことを知りたいと思ったのだ。
     ヤマト自動車にいた頃、星はたしかに地位を求めていた。それが、自衛隊の戦闘機乗りになるという夢に破れた自分を救う唯一の道だと信じていた。
     しかし、今はそうではなかった。ここには織田の情熱を受け継いだ人々がいる。彼らの情熱を織田とは違ったやり方で一つにまとめたかった。彼らのためにも、自分はやらねばならない。それが、あの記者への答えだ。

     この会社なら成長していける。この土壇場で、誰もが血と威光にすがりたくなるこのタイミングで、創業者に頼らず自らの力で歩いていくことを決めたのだ。事業の承継に必要なものは、創業者のやり方・考え方をそのまま踏襲することでもなければ、ましてや血統でもない。創業の精神とそこで働く人々の情熱を、時代にあわせてつなぎ合わせることだ。

    織田善吉さんが倒れ、星さんが皆さんの賛同を得てCEOとして返り咲くシーン。「トヨトミの世襲」とありますが、織田電子の事業承継がまさになされていくシーンで個人的にはすごく感動したし、事業承継の難しさを表現したシーンであり、この小説の裏のメインメッセージのような気がしています。関潤さんもこのような形でバトンを継承したかっただろうに、無念だっただろうと共感してしまいます。 さて大変長くなってしまっていますが、次でラストです。


    P321
    「私と林さんの話を聞いていたのでしょう? あの子にはもうトヨトミを率いる資格がありません。どうにか社長から退かせたいのです。あの子くらいの能力がある人間なら、トヨトミには掃いて捨てるほどいるわけですから。今のトヨトミは生まれだけが取り柄の人間をトップに据えておく余裕などありません。それを本人だけがわかっていない・・・」
    あの、文乃は佳代の話を遮った。
    「それは・・・・クーデターの協力者ということですか?」
    佳代はそれに答えず、冷えた抹茶に口をつけた。
    「周りからの諫言で自らを律し、ただせる人間であれば、こんなことを考えなくてもいいのでしょうが・・・・。お聞きいただいたとおり、助言をできる人間がそもそももうほとんどいないのです。一縷の望みを託して林さんをお呼びたてしたのですが、あの方ももはやそんなことはできないのでしょう」
    「私はただの新聞記者ですし、日商新聞はトヨトミから出入り禁止になっています。何かできることがあるとは思えないのですが・・・」
     それは私も重々承知しております、と佳代は言い、膝の上で重ねた両手を握りしめた。

    「あの子を追いやることができる人間が一人だけいます。彼の背中を押してくださいませんか?」

    (中略)

    「これを渡していただきたいのです」
    と佳代は文乃に手の中のものを握らせた。USBメモリーだった。
    「誰にです?」
    「翔太に」

    トヨトミの世襲のクライマックスへかけあがる直前のシーン、「トヨトミの母」とも呼ばれる佳代さんからUSBを受けとる、ある意味この覆面記者の位置づけの文乃さん。小説としてはここから一気にサプライズな展開へまっしぐらします。 本レビューで興味をもっていただいた方は、ぜひとも本書をご購読ください。
    めっちゃ面白かったですよ!
    ========

    以上

    引用抜粋部分がどうしても多く、でも本論の大事なトピックにはネタバレ不要として記載しましたが、最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました!

  • トヨトミ三部作をkindleで一気読み。申し訳ないですが。。。やはり三部作の中では一番落ちるかな?でもこれだけ読んだら、楽しめる「フィクション」作品だとも思いました。今回は、統一の子の翔太がメインといえばそうなんですが、、、一方で、某モーターを得意とする○○電産のカリスマ創業者の話が結構な割合を占めていて、なかなか焦点が絞れませんでした。。。しかも勝手に引退させちゃうし(笑)最後に収束はさせますが、なんとなく都合よさげな感じが否めませんでした。でも、これも「フィクションである」と思って読めば、ビジネス世界を舞台にした小説という位置づけになって、それはそれで問題ないんですよね。例えば、私が好きな「ハゲタカシリーズは、間違いなく「この企業がモデルだな」というのがありながら、架空の鷲津ファンド(実際はモデルがあるかもしれませんが)を登場させて、舞台は事実っぽいけど、話はフィクションとして成り立ってますし。ただ、1作目があまりに実話っぽいので、その期待感があり、やや肩すかしを食う。。。とうのが本音だと思います。本当は★3。。。といいたいところですが、フィクションとして読んでも面白いと思いますので、1個あげて★4です(笑)

  • 前2作も含め小説ですが、ノンフィクションかもと思えてしまうので、興味深く面白いです。

  • 某自動車メーカーにリンクするような内容が随所にあり、本書の出来事が本当に舞台裏では起きていたのではないかと思わされます。某新聞社のDXアワードでの一幕なんかは、ネットで調べるとほぼ同じような出来事が起きていたようで。著者は一体ナニモノなんだと少し怖くなります。

    マツコデラックスが「トモコ・プリンセス」として登場したのは笑えました。

    トヨトミと織田電子がどう関連するのかなと思いながら読み進めてましたが、最後に伏線回収され、気持ちよかったです。豊臣統一社長が完全に悪者として描かれており、某自動車メーカー社長からクレーム入らないのか心配ですが、やはり本物は短気でもなく、経営ができない人でもないということですね。

  • どこまで本当なのか…。しかし、ジュニア頼みます!

  • 4.1

  • トヨトミシリーズ読了!
    世襲の会社や創業社長の元で働くことの大変さ…
    星さん、ほんとに大変な思いしたなぁと思う。
    上に立つ人は、自社の人間を信じる努力が必要。自分の会社が大切なのはわかるけどね。
    最後は世のため人のためになっているかが大事なのではないかなぁ。

  • 素直に面白かった。
    世襲制を問う文脈にはなっていたが、スマートシティにせよ、工場にせよ、企業主体ではなく自治体にメリットをもたらすことの重要性も説いているような気がする。

  • 2024/07/06
    2024年11冊目。3部作の3作目。ニデックとトヨタのお話。面白かったけど1作目が1番面白かったかなぁ。

  • まあ、面白く書けてるけど、大丈夫なのか。大丈夫なんだろうな。自作も期待しちゃう。

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著者プロフィール

経済記者、覆面作家

「2016年 『トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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