私がやりました [DVD]

監督 : フランソワ・オゾン 
出演 : ナディア・テレスキウィッツ 
  • ギャガ (2024年4月3日発売)
3.57
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本 ・映画 / ISBN・EAN: 4589921417266

感想・レビュー・書評

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  • 有名プロデューサーが殺された!容疑者は売れない若手女優マドレーヌ。動機あり凶器ありアリバイなしで大ピンチの彼女だが、ルームメイトであり親友でもある新人弁護士ポーリーヌと力を合わせて、このピンチを売名のチャンスに利用することに……!

    公開を楽しみにしていたフランソワ・オゾン監督作品。期待以上の面白さ!お洒落で、楽しくて、テンポが良くて、時代設定も◎。ああ~楽しかった!と、ニコニコで映画館を出た。

    あらすじや予告を観ると王道ミステリーや緊迫の法廷劇を期待してしまうかもしれないが、ドタバタ群像コメディだ。
    チャンスをモノにしたマドレーヌとポーリーヌは、男尊女卑の社会に新しい風を吹き込む代弁者として持て囃される。2人の一世一代の大舞台となった裁判所での弁論には、思わず聞き入ってしまう箇所も。が、実際の2人は固い決意を持つ思想家でも運動家でも何でもないので、絶体絶命のピンチにはコッテコテの色仕掛けで切り抜けようとしちゃう。貧困の沼から這い上がるために、使えるものは何でも使えという逞しさ、強かさ、ズルさを、私はとても楽しく観たが、こうした女性の描かれ方にもしかしたら嫌悪感を持つ人もいるのかもしれない。

    モテるマドレーヌに堅物のポーリーヌが向ける微妙な表情、新進気鋭の弁護士として脚光を浴びるポーリーヌを見るマドレーヌの微妙な表情。弱気になったり、励まし合ったり、テンポの良い展開の中に2人の心の内が差し色のように織り込まれていて、それも楽しい。

    一番のお気に入りシーンは、2人で連れだって近所に映画を観に行くシーン。
    お金もない、仕事もない、やっと仕事が決まるかと思ったらプロデューサーに襲われかける……もう死んでしまおうかと弱気になるマドレーヌ。そんな彼女に美味しいパンを渡して一緒にムシャムシャかじり、近所の映画館に連れ出すポーリーヌ。女性2人が手を繋いで楽しげに映画館に入っていくシーンが大好きだ。映画は安く観れたんだろうか?

  • フランス映画の魅力が詰まった作品。モノクロ画面も効果的に使われており、監督の映画愛を感じる。
    主人公は純真さと計算高さが奇妙に同居する売れない女優。やってもいない殺人をやったことにして、悲劇のヒロインとして有名になることを画策するドタバタコメディ。女優役のナディアのあまりにも美しい乳房が拝謁できるオマケ付きです。エンディングロールも気が抜けない。

    『私がやりました』(Mon crime)は、2023年のフランスのクライム・コメディ映画。監督はフランソワ・オゾン、出演はナディア・テレスキウィッツ、レベッカ・マルデール、イザベル・ユペールなど。 ジョルジュ・ベールとルイ・ベルヌイユによる1934年の戯曲『Mon crime』にインスピレーションを得て作られた映画である。
    日本公開は2023年11月3日。フランスでは、動員100万人越えのヒットを記録した。

    ストーリー:
    1930年代のフランス。売れない新人女優マドレーヌは、親友で駆け出し弁護士のポーリーヌとアパートをルームシェアしているが、家賃はもう5ヶ月も滞納している。マドレーヌは、仕事の話ということで有名映画プロデューサー・モンフェランの邸宅に呼び出されたが、端役と引き換えに愛人になれと迫られたため、噛みついて逃げ出した。
    マドレーヌにはアンドレという恋人がいた。アンドレは大企業社長の息子だが、働く気はなく、マドレーヌとの関係を維持するために持参金付きの娘と結婚しようとする軽薄な男だった。絶望したマドレーヌは自殺しようと拳銃を取り出すが、ポーリーヌに止められる。
    直後、フランス国家警察のブラン警部がマドレーヌを尋ねて来る。モンフェランが自宅で射殺されたと話した警部は、マドレーヌの拳銃をこっそり押収し、ラビュセ判事に提出した。
    第一容疑者にされたマドレーヌはラビュセ判事に尋問されることになった。マドレーヌはポーリーヌを弁護士としたが、疑われたことは、むしろ有名になるチャンスだと2人で割り切り、やってもいない犯行を認めて裁判が開かれた。
    マドレーヌは、裁判でポーリーヌの書いた台本を元に、男性による女性の社会的抑圧と正当防衛を訴える鮮やかで感動的なスピーチを行う。そのスピーチは裁判官と大衆の心をつかんで、マドレーヌは正当防衛による無罪を勝ち取った。一躍時の人となったマドレーヌはスターの座へと駆け登り、ポーリーヌにも弁護依頼が殺到した。
    豪邸に引っ越したマドレーヌとポーリーヌの前に往年の大女優オデットが現れた。オデットはプロデューサー殺しの真犯人は自分だと話す。モンフェランに借金を頼んだが冷たくされ射殺したのだと言い、証拠として現場から持ち去ったモンフェランの財布を見せた。オデットは口止め料として30万フランを要求した。
    マドレーヌはモンフェランの死で益を得たパルマレードと面会し、金銭面での協力を請う。身体を使って誘惑し、場合によってはモンフェラン同様に強姦を誘っての正当防衛での殺害まで検討していたが、パルマレードは意外とお堅く、マドレーヌには手を出さずに協力することを誓う。パルマレードの出資によって、アンドレの父親のタイヤ会社は業績が好転、オデットに支払う30万フランも肩代わりさせて、結婚の許可も得る。
    マドレーヌとオデットはモンフェラン殺人事件をネタにした舞台で姉妹役として共演。モンフェラン役に襲われるマドレーヌを駆け付けたオデットが射殺し、姉妹2人で生きていこうと誓い合って幕。ポーリーヌを含む客席の人々から拍手喝采を浴びた。
    一年後に、モンフェラン殺害事件に新証言が出たという記事が新聞に掲載された。(ウィキペディア)

  • ビリーワイルダーをリスペクトしてる監督だけあって、
    小粋なコメディ映画だった。
    セクハラプロデューサーが自宅の邸宅で殺害(そのシーンはなし)されて、容疑者となった若い女優マドレーヌとルームシェアしてる弁護士のポリーヌが、(ほんとは殺してないのに)逆手をとってまんまと富と名声を手に入れる話し…。
    真犯人のトーキー時代の大女優が現れるも、やはりこの女優も巻き込んで、一石三鳥にも四鳥にもする痛快な話しでした。

    Mon Crime 2023年 103分 仏 WOWOW
    監督 : フランソワ・オゾン
    出演 : ナディア・テレスキウィッツ レベッカ・マルデール
       イザベル・ユペール

  • 手堅くまとめたサスペンス。
    エンドロールにおける男たちの惨状が◎。
    結局、いいひとそうに見えてわからんよねって話。
    この辺の皮肉はオゾン節。

    オープニングの建物と言い絵画的なカットが印象的。
    唐突なヌードシーンも然り。

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