テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想 (文春新書) [Kindle]

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  • 文藝春秋 (2024年3月19日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • この本はめちゃくちゃ勉強になりました。
    でもめちゃくちゃ難しかったです。
    2回読んでも理解できたか微妙ですσ^_^;

    「知識社会」
    賢い者がそうでない者を搾取する社会と書かれています。
    高い知識を持つものに大きなアドバンテージが与えられると思います。
    現代社会はまさに知識社会です。
    知ってる者が総取りして知らない者が搾取される社会。
    正しく知識を得ようとしないスタンスは搾取される人生を選択するという事実を知るべきやと思います。
    搾取されるのも自由やとは思います。
    ただやるべきことをやらずに自由を求めるのは社会の効用を著しく下げて非効率なのでやめた方が良いとは思います。

    「リベラル」「フリーダム」
    この違いはよくわかります。
    自由に責任が伴うのはリベラル。
    野放図に放置される自由がフリーダム。
    どちらが良いかは言うまでもなくです。
    そういう意味でリベラルはなかなか主義としても難しいのかなと思います。
    何でもかんでも補助金補助金って国にケツを持って行こうとするスタンスはリベラルには程遠いかなと思います。
    自分の責任を全うしつつ国からの干渉を極力排除する考え方に共感を覚えます。

    「総督府功利主義」
    「われわれは効率的に監視されなければならない」
    「これが完成すれば人々は羊の群れのように管理される一方で「幸福」に暮らすことができる。」
    おおっまさにガンダムSEEDの世界。
    デスティニープランですね。
    デスティニープランは明らかに遺伝子解析による人生の選択の強制やったんで共感できなかったんです。
    でも総督府功利主義なら総督府が正しく功利的に統治するならそれは善なのかなと思います。
    たしかに僕は福祉の世界にいるので自己矛盾かもしれませんがとても共感を覚えます。
    社会の効用を最大化するような功利的な政策が実施される前提に立てば僕は受け入れると思います。
    何かを考える時に普通は自分を別計算にすると思うんですが僕は自分も入れて計算してしまうんですよね。
    自分が損するとわかってても全体的に最適化するならまあしゃあないかと。
    そのためにテクノロジーを加速化してデモクラシー(民主主義)を制限しても仕方ないのかなと。
    ただ歴史を振り返ると正しく功利的に統治されることは難しいのかなと思います。

    「コンストラクタル法則」
    効率的にモノ(情報)が流れるように最適化されてカタチづくられていくことが自然の法則。
    テクノロジーの加速によって情報空間の自由が拡大すれば、大量の情報がより効率的に流れるようにするために、より巨大な階層的組織が生まれるだろうと書かれています。
    ここから監視・統制社会ではなく
    巨大な中央集権的組織
    個人(自営業者や中小企業)
    への二極化がすすむと書かれています。
    人モノ金情報が膨大になればなるほど流れの停滞が起こらないシステムが必要になると思います。
    突き詰めていくとより速くよりなめらかに情報が流れる「かたち」として収斂されていくのが自然であり必然なのかなと思います。
    ブロックチェーンやAIが進めば進むほど流れが加速していってついていけない者が淘汰されていくのかもしれません。


    僕の思想は保守やと思ってたんですが「総督府功利主義」(リバタリアン)にかなり近いのかなと思いました。
    とくにテクノロジーの進化で国の責務がかなり減ってくると思います
    リベラルは所得の再配分を徴税という国家の暴力で実現するので自由主義に反すると書かれています
    全ての国民の自由を尊重するなら日本が源泉徴収でとりやすいところから徴税するというのは明らかに自由が制限されていると言えると思います
    所得の再配分が絶対必要なのであれば(僕も必要やと思います)最低限のコストでできるようになる方法(マイナンバーの活用等)の推進が自然の流れなんやと思います。
    最終的には国や地方公共団体はボトルネックにしかならないのかもしれません。
    未来はどうなるかわからないですが役所のやることはデジタル化も含めて減らしていくのが流れなのかなと思います

  • 橘玲さん、2作品目!

    政治や宗教の構造が難しい論理で説明されていました。頭よす。

  • ベーシックインカムの弊害について、分析が進んでいる。切り札にはならないのだろうか。

  • 保守、リバタリアリズム、リベラリズムそして功利主義と四つの政治思想のおさらいをして、功利主義を徹底するためにテクノロジーを用いて社会を最適化しようとする一派をテクノリバタリアンと位置付ける。
    イーロン・マスクとピーター・ティールその先駆けとしてその生い立ちから人となりを説明し、ブロックチェーンやWeb3などのテクノロジーを用いた統治の解説から所有権の新しい考え方などとてもやや難解ながら興味深く読みました。

  • これ読んでTwitterアプリを削除しました。つい時間を浪費してしまうのは、至高の頭脳で考え抜かれたアルゴリズムとプラットフォーム、見れば見るほど彼らの収入となり、彼らが見せたいものを知らないうちに刷り込まれる。テクノリバタリアンにとっては社会実験のネズミみたいなものですよ。おかげで、だらだら使わず、必要なことだけ検索するのに使えるようになりました。

  • 巻末に日本の年功序列ガー的なことは書かれてますが、それは20年前から大きく変わってるし、治安と自殺対策とか考えると割と一概に悪いとは言えないかなと思います。
    そこは置いてておいて、政治的な用語の、右派・左派、アメリカの民主党と共和党、リベラルなどを上手く簡単にまとめてます。
    今後テクニカルな発展がある場合、こういう考え方が出てくるということを認識しておく上でも読んでおいて損はないかと思いました。

  •  リバタリアン=自由原理主義者は、自由をなによりも重視し、自由のためなら妥協を許さない。本書は、大きな物語が失われた現代で、唯一の思想といわれる「テクノ・リバタリアン」の生態に焦点を当てる。それと同時に、昨今耳にする言葉の解説を交えて、これからの世界について考察する。著者曰く、推し活とは、推しと自身のアイデンティティを融合させて、幸福感を高めるものだという。それは国家から戦争へ、宗教からテロへ、ホストからホスト狂いという、構造と類似する。またグローバル化にたいして、著者は貧しい国が豊かさを得る一方で、豊かな国の中流層が脱落し、それがトランプのようなポピュリズムが台頭したと指摘する。

  • シリコンバレーの天才たちが考える、ハイテクによって自由原理主義を実現しようという思想「テクノ・リバタリアニズム」について解説した本。

    次期トランプ政権にイーロン・マスクが関わる今こそ、読んでおきたい一冊。

  • 橘 玲さんの新書だったのか、、、
    読んでいて、はて、この新書はいったい何が言いたいのか、
    迷路にはまったときにタイトルを見て、橘 玲さんが著者と知り、ちょっと落ち着いた。
    この人の書いた新書なら、迷子になることはないのだろう、と。

    そして強引に自分なりに落とし込んだのは、、、

    ハイテク自由至上主義、ハイテク原理主義
    そうなると政府の福祉政策は干渉、いらない。
    勢い共和党支持になる。…昔は違ったらしいが、トランプは徹底的に自由主義。
    ・・でも中国製品に関税をかけようとしているけどなあ。
    いろいろ矛盾はあるけど、そういうこともあってイーロン・マスクはトランプを支持。

    でもねえ、世の中、天才ばかりじゃないんだよ、というか、考えてない人が多いのだ。
    私も元は、この新書に何回も出てくるミルトン・フリードマンを信仰している。
    選択の自由。
    彼の経済思想は大賛成。
    でも、今言われる「新自由主義」とは違うと思っている。
    負の所得税、最低賃金制不要論はもっともだと思う。教育クーポンも。
    ちなみに最低賃金を要らない、というのは、研修を受ける労働者に最低賃金があると、
    結果雇い主はコストがかかりすぎて雇えなくなる、雇用機会を失うから、という労働者の立場に立ったもの。

    ハイテクで世の中を変える、これは大賛成。
    投票にプラスとマイナスを設ける。これもいい。この人は当選させたくない、と言ってマイナス票を投じる。
    しかし、、、
    それ以前に、これだけネットワークが発達した世の中で、各選挙区から代議士を選抜する必要があるのかね。
    この代議士のこの政策は〇だけど、これは×、というのがある以上、一人を選ぶのは困難。
    そもそも多数決でなく議論して合意を得る、というのが議会だけど、そんなものは夢のまた夢。
    税金の使い方、ルールの決め方、一つ一つを国民投票にして、過半数で選ぶしかないのでは、
    その方が今の党議拘束で多数決で決まる議会よりましなのでは、そう思わざるを得ない。
    議論を深めるのは国会以外でもできそう。

    …脱線した。
    世界の富の多くを得、力を持つテクノ・リバタリアンたち。
    日本にはいないのが寂しい。

    はじめに 世界を数学的に把握する者たち
    0 4つの政治思想を30分で理解する
    1 マスクとティール
    2 クリプト・アナキズム
    3 総督府功利主義
    4 ネクストジェネレーション
    X 世界の根本法則と人類の未来
    あとがき 「自由」を恐れ、「合理性」を憎む日本人

  • 2024.05.04

    本書の良さは、世の中の常識とされていることを疑いの目で見ることができるようになることにある。ここに尽きるテクノリバタリアンの思想、これを日本人は忌避している。
    この本の文末をあとがきをよく読んで欲しい。私たちが目を背けている日本の潮流,自分に都合の良い.日本人にとって.ぬるま湯に浸っている私たちにとって、耳障りが悪いフレーズが並ぶ。
    でも、日本人が見ざる言わざる聞かざるをしている間に、世界は、アメリカは、どんどん膨張していく。そんなことを意識させられた。私の子どもたちにはこの本の言うことを理解してもらえるように育って欲しい。ただ願うのみの無力さに情け無い思い。

  • 橘玲さんによる本書は、テクノロジーによって世界のパラダイムシフトを極限まで追求する天才たちの最新動向を描き出した本。まるで未来を先取りするかのような思考と行動の数々が紹介されており、強烈な刺激をもらった。ダグラス・ラシュコフの『デジタル生存競争』に匹敵する衝撃と面白さで、同書が好きな方にはもちろん、超おすすめ。

    構成はパート1〜4なのだが「パート0」と「パートX」も存在する。パート0では、「正義」をめぐる4つの政治思想が導入されており、本編を読み解くための前提知識が整う。

    そこから、まずはイーロン・マスクとピーター・ティールという現代を象徴する二大巨頭の思想と幼少期の原体験に紐づくモチベーションの源泉が説明される。その後、「クリプトアナキズム」や「総督府功利主義」といった、耳慣れないが、大変重要なキーワードについて学び、テクノロジーを武器に理想を追求する天才たちの世界観がおぼろげながらに理解できるようになってくる。さらに第2世代のテクノロジー思想家たちが続々と登場し、ディストピアでもユートピアでもない、ただひたすら加速する現実の延長線上にある未来の姿が見えてくる。どの章も知的好奇心を刺激し、ページをめくる手が止まらなかった。

    そして最後のパートXでは、物理学や量子力学とは異なる視点から世界を統一的に理解しようとする「フラクタル」や「コンストラクタル」といった理論が紹介される。特に「コンストラクタル」は本書で初めて知ったが、これらの概念は今までの思考の枠組みを揺さぶるほどに面白い。(そういや、ちょくちょくマーベルのX-MENのエピソードが挿入されるのだが、確かにフラクタルやコンストラクタルといった概念って、特にフェーズ4以降のマーベル映画の、マルチバース展開と重なる部分があるような)

    旧来の常識を猛スピードで上書きしていくIT超人たちの価値観と、彼らが導こうとしている未来の姿が伝わってきて、圧倒される一冊であった。多くの方に読んで欲しい!

  • 橘玲ブシ全開。しかし、イーロン・マスクやピーターティールが考えていることが少しわかったが核心部分を理解できたような気はしない。
    この本を読んで一番印象に残ったのは2人とも子供の頃にいじめられた経験があるということ。周りを見てもいじめられた経験があるかどうかが保守的・排外的性格になるかならないかの分岐点になっているような気がする。一歩間違えればただの偏見だが実に重要な気づき。
    Z世代以降のテクノリバタリアンにはその傾向がないというのは自閉症的な子供があまりいじめられなくなったということなのだろうか。

  • テクノリバタリアンとは、きわめて高い論理・数学的知能を持つ自由原理主義者のことで、イーロンマスクなどがその代表。
    元々、イーロンマスク論をベースに単行本化したそうで、1章のイーロンマスク、ピーターティールの部分が特に面白い。また0章の現代政治思想の図式化も参考になる。

  • 格差を生む側と思われたテクノ・リバタリアンについて、興味があったので読んでみた。自由を求めながらも、監視社会に貢献するティールのスタンスが理解できた気がする。

  • ・イーロン・マスクがトランプを支持する理由がわかった。
    ・宇宙の根本原理=コンストラクタル法則。自然界の諸相もイーロン・マスクの行動も、全てはより自由に、より早く流れるため。

  • 著者は、科学とテクノロジーの高度化により、過去の思想は遺物になったと述べています。
    そして、いまや世界を変える思想はリバタリアニズムだけだと言い切れるのは、Google、Amazon、MetaなどのプラットフォーマーやAI、ブロックチェーンの開発者がみなテクノ・リバタリアンということです。

    日本の年功序列型の働き方が少しずつ変化していますが、欧米の様なJOB型の働き方には、ほど遠くテクノ・リバタリアン感覚がつかみにくいとも著者は述べています。

    日本に居ながら、彼らは「究極の自由」が約束された社会の実現を待ち望んでおり、テクノロジーによってすべての問題は解決できると考えているとのことを理解することが重要です。

  • Kindle Unlimitedにて。
    橘本の中でも一番読み応えあるというか、刺激的な内容だった。行き詰まり感ある現在でも将来に向けて色々なことが動いているんだな。マイナス票ってのは有りだよなぁ。

  • アホはアホなりに生きてるのだが・・・
    と、、思わせてくれる本でした。

  • 橘さんの書籍にはずれなしなのだけれどもそのなかでも面白かった。大学の政治学の授業を思い出した。リバタリアンって日本ではなかなか意識されない分類だろうけれども出てくる人をみるとこれから無視できないだろうなと思います。個人的にはフラクタルの考え方が面白かった。「流れがあり自由な領域があるならより早くよりなめらかに動くように進化する」自由と風通しのよさはどこにも不可欠。参照「自由はどこまで可能か」「リバタリアン宣言」

  • あまり読まないような内容の本。勉強になったけど、難しかった。

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著者プロフィール

橘 玲(たちばな・あきら):作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。2002年、国際金融小説『マネーロンダリング』でデビュー。同年、「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)、が30万部を超えるベストセラーに。06年『永遠の旅行者』(幻冬舎)が第19回山本周五郎賞候補。『言ってはいけない 残酷すぎる真実』(新潮社新書)で2017新書大賞受賞。著書に『「読まなくてもいい本」の読書案内』(ちくま文庫)、『テクノ・リバタリアン--世界を変える唯一の思想』(文春新書)、『スピリチャルズ 「わたし」の謎』(幻冬舎文庫)、『DD(どっちもどっち)論――「解決できない問題」には理由がある』(集英社)等多数。

「2024年 『親子で学ぶ どうしたらお金持ちになれるの?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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