1870年代のニューヨークを舞台に恋人のメイと婚約した若者ニューランドがヨーロッパの伯爵に嫁いだものの夫とうまく行かずにニューヨークに帰ってきていた幼馴染のエレンと再会するというお話。
三角関係の物語はそれほど魅力的ではないけれど、それよりも、人々の考え方、服装、風景、室内の様子、行事の様子などがこれでもかというくらい細かく丁寧に描写されていて、真の主役は新しい時代に突入しようとする19世紀後半のニューヨークという街そのものではないかという感じの作品でした。
ピューリッツァー賞を受賞しているのも納得。
アメリカって歴史の浅い国なのに19世紀後半の上流階級のニューヨーカーたちはかなり保守的で、ヨーロッパに対してネガティブに反応しているところがなかなか興味深かったです。
洋服も最新のものを着るのは下品で、パリで買った服は2年間寝かせてから着るみたいな話とかも面白かった。
ちなみに三角関係のお話はラストにかけて妻が怖いのと、時代を超えて描かれるラストシーンがなかなか良かったです。