「頭がいい」とはどういうことか ――脳科学から考える (ちくま新書) [Kindle]

著者 :
  • 筑摩書房
4.00
  • (1)
  • (3)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 25
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (201ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 科学的な知見と、我々の日常における(頭脳や知性への)
    疑問を繙く新書としては悪くはなかったが、『知恵ブクロ的』などが真新しさがあったくらいとも思える。

  • ふむ

  • 〈本から〉
    IQテストは現在多くの人に受け入れられているが、その解釈や尺度、文化的背景等に問題があり、完璧なテストとは言えない。

    現代は、先の読めない不確実な時代という意味でVUCA時代と呼ばれています。
    VUCAとはVolatility(変動性)、Uncertainty (不確実性)、 Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った言葉で、現代社会が抱える複雑で不確実な状況を表しています。

    コミュニケーション力などの社会性や感情知性など数値では測れないため、従来の知能やスキルと区別して「非認知能力」「社会情動的スキル」などと呼ばれている。

    非認知能力を象徴するキーワードとして、「脳の持久力」を提案する。

    私たちが見聞きして知覚していると思っている現実は、脳内モデルの世界だったといえます。ボトムアップの情報は、個々の感覚器の性能や感受性によって変化し、トップダウンの入力は、各々の記憶や経験に基づいて形成されます。したがって、脳の数だけ現実があるといっても過言ではなく、私とあなたで見ている世界が異なっていると考えて差し支えないことになります。そんな人間たちが、互いに分かり合うのはいかに難しいことかと思いしらされます。

    脳は省エネを目指し、全ての感覚入力を意識しないで処理し、状況に応じて異なる情報に注意を向け、脳が作り出した新しい世界像に基づいて知覚している。

    脳の正しい機能発達には、能動的な経験と多くの試行錯誤が重要であり、幼少期の社会性の発達には親や他者との身体的・社会的相互作用が不可欠である。

    加齢と老化は別の現象であり、加齢による可塑性の減少はあるものの、経験や知識の蓄積により異なる知能の側面が発展するため、加齢が全ての能力の低下を意味するわけではない。

    脳は経験を通じて予測モデルを変化させ、試行錯誤を重ねることで成長し、獲得した学習や記憶は持続的であり、これを「粘り強い可塑性」と呼ぶ。

    知識の繋がりや独自の仮説を立てる能力が「歩く百科事典」の真の価値であり、体験や人との出会いを通じて得られる知恵が重要である。

    頭の良さは「自分の身体を思い通りに動かす」ことと「絶え間ない努力を続けられる」という能力に要約され、これはトップアスリートやアーティストたちが示す能力である。

    筋トレではなく、脳と筋肉の連携を強化する「脳トレ」が重要である。日々の運動学習や行動において新たな刺激を意識的に取り入れることで、自分の体に対する注意(インターナルフォーカス)を高められる。

    読書をする子供が情動知性の高い人になるのは、本を通して他者の人生を体験できるからだと言われます。これを代理体験と言うそうです。

    私たちの脳には、他者の動きを見ている際に働く脳細胞が存在しています。
    「ミラーニューロン」

    ミラーシステムは、共感の脳のメカニズムとして説明されています。

    人の心を理解するためには、自分自身の心に対する理解を深めることが必要である。自己の感情を適切に言語化することにより、他者の感情を察する能力も向上する。

    意思決定は情動によって行われ、理性は選択肢を増やす役割に留まる。複雑は判断を下す際、情動を司る脳部位が活動し、最終的な判断には感情が関与する。直観や「虫の知らせ」といった漠然とした感覚も情動知性の一種であり、判断材料に活用する人もいる。

    私たちが一貫した自分だと思っているのは、エピソード記憶が一貫しているからに他なりません。(略)
    記憶は記録ではないので、私たちが「一貫している」と思っている記憶さえ、脳の都合の良い解釈にすぎないのかもしれないのです。

    良いコーチとは良い制約とシンプルなルールを提示できる人ではないかと思います。

    脳の持久力は、不確実な課題に粘り強く対処する能力であり、これがAI時代に求められる知性の重要な部分である。

    自分の脳と身体でいろいろと試行錯誤していくことで自分自身に対する理解を深め、より良い意思決定と自己成長が可能になる。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

毛内 拡(もうない・ひろむ):お茶の水女子大学基幹研究院自然科学系助教。1984年、北海道函館市生まれ。2008年、東京薬科大学生命科学部卒業。2013年、東京工業大学大学院総合理工学研究科 博士課程修了。博士(理学)。日本学術振興会特別研究員、理化学研究所脳科学総合研究センター研究員を経て、2018年よりお茶の水女子大学基幹研究院自然科学系助教。生体組織機能学研究室を主宰。脳をこよなく愛する有志が集まり脳に関する本を輪読する会「いんすぴ!ゼミ」代表。「脳が生きているとはどういうことか」をスローガンに、マウスの脳活動にヒントを得て、基礎研究と医学研究の橋渡しを担う研究を目指している。著書:『「気の持ちよう」の脳科学』(ちくまプリマ―新書)、『脳を司る「脳」――最新研究で見えてきた、驚くべき脳の働き』(講談社ブルーバックス)で講談社科学出版賞受賞、『すべては脳で実現している。』(総合法令出版)、『面白くて眠れなくなる脳科学』(PHP研究所)、分担執筆に『ここまでわかった!脳とこころ』(日本評論社)などがある。

「2024年 『「頭がいい」とはどういうことか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

毛内拡の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×